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【中一光学】GFXの数少ないMF大口径レンズ-SPEEDMASTER 80mm F1.6-

【中一光学】GFXの数少ないMF大口径レンズ-SPEEDMASTER 80mm F1.6-

新年になり、冬の寒さも少し本格的になってきました。皆様いかがお過ごしでしょうか。
今回はGFX用のレンズでも人気の高い中一光学のSPEEDMASTERシリーズの最新モデル、
SPEEDMASTER 80mm F1.6をご紹介します。

現在GFX用の同レンズは3本、65mm F1.4、85mm F1.2、そして今回の80mm F1.6のラインナップ。
65mm/85mmは鏡胴のサイズと重量が中判レンズらしい内容だったものの、絶妙な描写で
一部のユーザーから人気の高いモデルです。今回の80mmはサイズも重量も少しコンパクトになり、
より使いやすくなっています。

使用ボディはGFX100S、1億画素の中判センサーを持つ機種。
35mm換算63mm相当に値するこの画角、既にGFレンズにもGF80mm F1.7 R WRというモデルが存在しています。
GF80mmも開放は柔らかく癖を活かした撮影が可能。本レンズは見てみるとGF80mm程の開放の癖は控えめとも見えます。
柔らかさとシャープさのバランスが非常に良い印象です。

こちらも開放での撮影です。65mm F1.4も同様にバランスの良い描写で「硬すぎず柔らかすぎず」な写り。
その系譜に続くような本レンズもポートレート等には最適とも言えます。ピントリングの重さも65mmよりは若干軽くなっていました。
普段持ち歩くにもこちらのが軽快かもしれません。

1枚目の写真でお気付きの方もいらっしゃるかもしれません。開放で撮影するとややハイキー気味の写真になる傾向が見られました。
使っていて光のタイミング等で敏感に反応しやすいレンズでもあります。夜間の撮影になると多少の補正は必要になりそうです。
こちらも夜に撮影したものですがオリジナルのデータは非常に明るく写っていた為、コントラストを調整しました。
少しブレてしまっているのですが…雰囲気は良く写っています。

 

先述の通り全体的なフィーリングが軽くなった為、スナップにも使用できる範囲になったと感じます。
慣れてくると1億画素のGFX100Sでもピント合わせや撮影もしやすく、中判機を持っているのか大型のフルサイズ機を持っているのか
いよいよ分からなくなってきます。MFレンズなので尚更の事でフルサイズ用レンズも最近は大きくなってきました。
その点で見れば中判機でこのサイジングは本当に良く纏まっています。

やはり開放では滲みもあります。光の状況でしっかり写る時と、このように滲みが発生する事で短時間の撮影ではありましたが
描写の表情が変わる事でこのレンズの表現の多彩さが見られます。GFX100Sの性能と相まってクリアながらもオールドレンズのような
味わいも持っている事も伺えます。使っていて面白い1本です。

最短域での撮影。画像のように条件によってフワっとした描写になります。掲載はしていませんが逆光での撮影を試みたところ、
ゴーストも発生するのでやはりポートレート撮影での表現力も高そうです。GF80mm F1.7もGFレンズの中では柔らかく、
若干オールドタイプの描写を見せる事もあります。このSPEEDMASTER 80mm F1.6も同様の傾向です。互いに優劣ではなく
適材適所で使い分けて行くのが良さそうです。その点で見ればMFで使う事に抵抗の無い方であればこれ1本で済んでしまいそうです。

GFXだけに留まらず富士フィルム機は植物の撮影が非常に得意な1面が伺えます。
アレンジメントされたものは特にその優美さを引き出せるのも商品撮影等も含め多くのユーザーのニーズに応えて
画作りの幅に「懐の深さ」を感じる事があります。GFX50SIIでオールドレンズを使って撮影した時も、同様の感触が
あったのを思い出しました。言い換えればとても現代的な表現ツールとしてあらゆる場所で活躍しているのも頷けます。

開放では周辺減光も発生。しかしGFX100Sの階調の豊富さでシャドーからハイライトにかけて滑らかに落ちています。
印象的にこのように1つの対象を見せたい場合にこの描写傾向が役に立つことも。
ピントを合わせていく動作がなんとも楽しくなります。同時に高画素故に「どこにピントを置くかは」より重要になります。
このように最短域の場合少し動いただけでもF1.6という開放値では意図と違った場所に当たってしまうシビアさもあり、
開放での撮影はやはり緊張するものです。余談にはなりますがフォーカスブリージングはかなり大きく、
動画撮影で使用する場合は使用範囲が限られそうです。

最後にこんな1枚を。MFレンズを普段使っている事で「置きピン」でタイミングを待って撮影していました。
AFの場合フォーカスポイントを任意の方向に移動させたり、フォーカスロックを多用する事が多いはず。
しかしその場合過信した事で「実は違う場所にピントが当たっていた」という方も多いのではないでしょうか。
最近のデジタルカメラはフォーカス面でも大きく進歩したものの、心理的にはなんだか不安になってしまうことも。
拡大してピントを追い込み、その上でタイミングを待つ。始めは大変なのですが慣れてくるとこの方法が早いと何故か
感じてしまいいつものように撮影していました。従来の中判カメラではなかなかやらない方法ではあるものの、
GFX100Sの優秀さによってフルサイズ機のような機動力を生かした撮影もできるのは時代の恩恵とも言えます。

中判デジタル用サードパーティレンズという市場は最近になって少しずつ増え始めています。
日本では中一光学という名前で販売されているものの、実は”Mitakon”という名前で1984年からあった光学メーカー。
実は筆者と同い年。長年様々な他社製レンズも製作している会社でもあるのです。
海外ではこの”Mitakon”銘で販売されており、「Mitakonのレンズありますか?」とお問い合わせを受ける事も。
近年海外の動画等で取り上げられ、話題性も上がっています。GFXのレンズ自体もまだサードパーティ製は少なく、
このSPEEDMASTERのシリーズは人気の高いモデルです。貴方も是非このSPEEDMASTERでGFXの新たな世界を楽しんでみましょう!



[ Category:etc. FUJIFILM | 掲載日時:25年01月19日 11時00分 ]

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