学生時代、写真部に身を置き、講義に出る間を惜しんで暗室に籠っていたのは、もう30年も昔の話…
当時は、年間150本位のモノクロフィルムを現像し、暗室作業に没頭していました。
木造長屋の一角で、たった1人徹夜で暗室に入っていると、感じてはいけない気配まで背後に忍び寄ってきたり…
突然、肩を掴まれたかと思いきや、振り返っても誰もいず…
…まぁ、それは別の話。
時は流れ、時代はデジタルに…
気がつけば、モノクロフィルムが1本1000円を超える高級品に! 確か当時は長巻を買って自分で詰めれば、1本180円相当ぐらいだったような…
それでもまだ製造されているだけでも、喜ぶべきか。
まだまだフィルムカメラを手放せない私は、お昼代を節約して頑張っています。 …って、これ学生の頃から変わらないか⁈
ただ暗室だけは、如何ともし難く…
狭い我が家、カメラの置き場でさえ、妻の目を気にしながらなのに、暗室なんてとてもとても。
貸暗室も考えましたが、昔のように納得する仕上がりまで籠って作業する、時間も体力もなし。
そんな悶々とした日々の中、試写のために手にしたのが Leica M10 モノクロームでした。
4089万画素という超高画素でありながら、カラーフィルターを廃しモノクロームに徹することで、解像感も断然違います。
M10 モノクロームを体感してしまったら最後、もう他のカメラのモノクロモードでは満足できない身になってしまう、そんな魔のカメラなのです。
このカメラを手にした時、最初に使ってみたいと思ったのが、ズミクロン M35mm F2 8枚玉でした。
言わずと知れたオールドライカレンズの銘玉です。
ズミクロン 8枚玉が1958年からの発売ですから、およそ60年の時を経ての邂逅です。
Leica M10 MONOCHROM + SUMMICRON M35mm F2(8枚玉)
暗室作業では、黒の出方にこだわっていました…
このカメラで撮っていると、ついついアンダー目で撮ってしまいます。
Leica M10 MONOCHROM + SUMMICRON M35mm F2(8枚玉)
どこを見ても、細部まで緻密に写り込んでいます。
Leica M10 MONOCHROM + SUMMICRON M35mm F2(8枚玉)
Leica M10 MONOCHROM + SUMMICRON M35mm F2(8枚玉)
暗室作業でこれだけの色を出すには、覆い焼きを駆使しなければならなかったのですが、撮って出しでこれですから…
Leica M10 MONOCHROM + SUMMICRON M35mm F2(8枚玉)
Leica M10 MONOCHROM + SUMMICRON M35mm F2(8枚玉)
モノクロには、ちょっと場末なところが似合います。
再び写真の原点を教えてくれるカメラ、Leica M10 モノクローム。
最新レンズとのマッチングも良いですが、オールドレンズとのコンビで使ってみたいカメラです。
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