
レンズ交換式カメラには様々なセンサーサイズがあります。
その中でも一般的なものが以下の3点です。
・フルサイズ
・APS-C
・マイクロフォーサーズ
では、実際にカメラを買おうと思った際にどれを選べばよいのか…悩まれる方も少なくないはず。
そんな悩みを抱えている方々の為に、それぞれのセンサーサイズでどのような特徴があるのか徹底比較していきたいと思います。
まず今回の比較で使用した機材をご紹介します。
【フルサイズ / SONY】
α7Ⅳ
FE 24-105mm F4 OSS G
FE 50mm F1.4 GM
【APS-C / FUJIFILM】
X-T4
フジノン XF16-80mm F4 R OIS WR
フジノン XF35mm F1.4 R
【マイクロフォーサーズ / Panasonic】
LUMIX G9PROII
LEICA DG VARIO-ELMARIT 12-60mm F2.8-4.0 ASPH. POWER O.I.S.
LEICA DG SUMMILUX 25mm F1.4 II ASPH.
今回はセンサーごとに「便利な小三元標準ズームレンズ」と「35mm判換算50mm F1.4単焦点レンズ」をそれぞれのセンサーサイズで集めてみました。
今回は以下の順番で進めていきます。
①ボディ&レンズの大きさ・重量
②焦点距離
③ボケ量
④高感度耐性
⑤最短撮影距離
では、気になるそれぞれの違いについて確認していきましょう。
①ボディ&レンズの大きさ・重量

【α7Ⅳ】
大きさ…131.3×96.4×79.8 mm
重量…約658g
【X-T4】
大きさ…134.6×92.8×63.8 mm
重量…約607g
【G9PROⅡ】
大きさ…134.3×102.3×90.1 mm
重量…約658g
大きさ=(幅×高さ×奥行き )
まずボディのサイズ感や重量は一概にセンサーサイズに由来しない事があります。
もちろん原理上はセンサーサイズが小さければ小さいほど軽量コンパクトに設計しやすくなっております。
しかしご覧いただいて分かるようにマイクロフォーサーズであるLUMIX G9 PROⅡもボディはそれなりの大きさがあり、重量もフルサイズボディと同等の約658gあります。
こちらは通常利用はもちろんのこと、望遠レンズなどの大型のレンズを取り付けた際もグリップ感・ホールド感を良くするためにバランスの取れた設計となっており、今回の使用していてハンドリングの良さは抜群でした。


ボディと打って変わり、大きな違いがあるのがレンズです。
例えば今回選定した35mm判換算50mm F1.4シリーズでは特に大きさの違いを感じていただけるでしょう。
FE 50mm F1.4 GMは他の2本と比べると倍以上の重量約516g、長さも倍近い約96mmとなっておりフルサイズの存在感を感じます。
②焦点距離の違い
センサーサイズによって焦点距離が変わる仕組みとなっており、フルサイズを基準としてAPS-Cが1.5倍(Canonは1.6倍)、マイクロフォーサーズが2倍の焦点距離になります。
その為センサーサイズが小さければ小さいほど広角から望遠まで撮れる高倍率なズームレンズが使用できるメリットもあります。
更に望遠レンズも本来400mmのレンズが必要なシーンでもマイクロフォーサーズであれば200mmのレンズを使えば約400mmとなりますので、超望遠を気軽に楽しみたい方にもオススメです。



③ボケ量の違い
先ほどの焦点距離の違いに繋がるお話になるのがボケ量の違いです。
まず原則として焦点距離の数字が大きければ大きいほどボケが強くなります。
それが故にセンサーサイズが小さくなると、より広角側の焦点距離になるためボケが少なくなるのです。
ポートレートなどでより大きなボケを作りたい方はフルサイズの方が向いているでしょう。
しかし被写界深度を深くする必要がある集合写真やパンフォーカスの風景撮影などでは別です。
大きく絞らなくても被写界深度がある程度深くなるマイクロフォーサーズは有利に働いてくれます。
具体的な違いは下の比較写真をご確認ください。
後ボケで違いを強く感じていただけるかと思います。
今回のテストではフルサイズとAPS-Cではそこまで大きな違いを感じませんでしたが、マイクロフォーサーズではボケ量の減りが現れています。
ただ大きなボケが必要ない方はマイクロフォーサーズの取り回しの良さは強みになるでしょう。
④高感度耐性
センサーサイズの違いで多くの方が悩まれるのが高感度耐性。
所謂、ISO感度が上がった時のノイズ量のお話です。
今回はISO3200での比較を行いましたので、まずは写真の確認をしてみましょう。

被写界深度の違いもそうですが、ISO3200でもノイズによる粒子感やディテールの残り方の違いを感じていただけるのではないでしょうか。
夜間での暗所撮影以外でも子供や動物、室内スポーツなどシャッタースピードを稼ぐ必要のあるシーンでも高ISOになる事がよくあります。
筆者は元々APS-C機を使用しておりましたが、子供のバレーボールを撮影する際にISOが12800〜25600まで上がることも多く、ノイズとディテールの崩れが気になりフルサイズに乗り換えた経験があります。
今回は無難なISO3200でテストを行いましたが、ISO12800で比較するとより顕著に違いが出てきますので高感度撮影が多くなる可能性がある方はできるだけセンサーサイズが大きいカメラを選ぶことをオススメします。
ですが、昨今現像ソフトのAIノイズ除去が非常に優秀ですので、そちらに頼っていくのも一つの方法となるでしょう。
⑤最短撮影距離
センサーサイズが小さくなることで最短撮影距離も短くなります。
これはどういうことかというと、まずレンズの焦点距離と最短撮影距離は比例しており「焦点距離が長くなると最短撮影距離も長くなる」という仕組みとなっております。
ということは35mm判換算で考えた際にセンサーサイズが小さくなると焦点距離よりも短く広角側になりますので最短撮影距離も短くなり、最大撮影倍率が上がります。
所謂、物を大きく写せるようになるということです。
実際に筆者が愛用しているCanon 5D MarkⅣのロゴを最短まで寄って撮影してみましたので御覧ください。
それぞれのレンズの最短撮影距離は以下の通りです。
FE 24-105mm F4 OSS G
最短撮影距離・・・0.38m
最大撮影倍率・・・0.31倍
フジノン XF16-80mm F4 R OIS WR
最短撮影距離・・・0.35m
最大撮影倍率・・・0.25倍(35mm判換算:0.375倍)
LEICA DG VARIO-ELMARIT 12-60mm F2.8-4.0 ASPH. POWER O.I.S.
最短撮影距離・・・W:0.2m/T:0.24m
最大撮影倍率・・・0.3倍(35mm判換算:約0.6倍)
マイクロフォーサーズは圧倒的な近接性能を発揮しておりハーフマクロを超える0.6倍を実現しています。
カタログスペックでも分かるように35mm判換算の最大撮影倍率だとほとんど変わりませんが、センサーサイズ分クロップされることでマクロ性能がより向上します。
更にレンズの構造上広角になればなるほど最短撮影距離を短くしやすいので、そういったメリットもセンサーサイズによって出てきます。



「大きさ・重量」「焦点距離」「ボケ量」「高感度耐性」「最短撮影距離」センサーサイズの違いによってこのように様々な違いが生まれてくるからこそ選ぶ楽しさが生まれると筆者は感じます。
それぞれのライフスタイルに合わせたカメラ選びをしていただくために今回の記事が皆様のお役に立てば幸いです。
最後までご覧いただきありがとうございます。
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