【新旧共存】PENTAX 標準単焦点レンズ50mm F1.4

標準の単焦点レンズといえば、50mmは必ず候補に挙がってくると思います。その中でも、絞り値F1.4のレンズはどのメーカーでも用意されていて、高性能なものがあります。
今回は、PENTAXの50mm F1.4のレンズである「HD PENTAX-D FA★50mmF1.4 SDM AW」と「smc PENTAX-FA 50mmF1.4」を比較したのでご紹介いたします。

「smc PENTAX-FA 50mmF1.4」は、1991年に発売されたコンパクトな明るい大口径レンズです。現在も現行品として販売されており、発売年月が古いとはいえ、非常に性能のいいレンズです。

「HD PENTAX-D FA★50mmF1.4 SDM AW」は2018年に発売された最高の描写性能を追求した★(スター)の名を冠した大口単焦点レンズです。その名の通り、絞り開放でも画面中心から周辺部まで高い解像力を持ち、防塵・防滴構造、逆光時のフレアやゴースト軽減など様々な性能が詰まったレンズです。

先に使用した感想を申し上げると、「どっちのレンズもとてもいい」です。

どちらもとてもいいのですが、レンズの得手・不得手を感じる場面もありましたので、そちらも併せてご紹介いたします。

なお、使用したボディは、「PENTAX K-1 Mark II」です。

では、撮影した写真をご覧いただきます。

「smc PENTAX-FA 50mmF1.4」

「HD PENTAX-D FA★50mmF1.4 SDM AW」

絞り開放F1.4での撮影です。

どちらも同じセミの抜け殻を撮影したのですが、写りの大きさが違うのは最短撮影距離の違いです。

「smc PENTAX-FA 50mmF1.4」の最短撮影距離は0.45m、「HD PENTAX-D FA★50mmF1.4 SDM AW」は0.4mです。数値上、たった0.05mの差なのですが、実際に撮影していて「HD PENTAX-D FA★50mmF1.4 SDM AW」の方が寄れてピントも素早く合ってくれました。「smc PENTAX-FA 50mmF1.4」は寄ると、背景にピントが抜けることが多々ありました。

背景の玉ボケは、「HD PENTAX-D FA★50mmF1.4 SDM AW」が丸に非常に近く、「smc PENTAX-FA 50mmF1.4」はラグビーボールのような楕円形になる傾向でした。

「smc PENTAX-FA 50mmF1.4」

「HD PENTAX-D FA★50mmF1.4 SDM AW」

構図と撮影環境が違うので、厳密な比較ではありませんが、海での撮影で感じたことをご紹介します。

こちらも絞り開放F1.4での撮影で、ピントは画面中央の水平線に合わせました。

「smc PENTAX-FA 50mmF1.4」は、逆光時にフレアの発生率が高かったです。ただ、上記の写真のように完全に白飛びすることは少なかったです。

レンズ自体は、防塵・防滴構造ではなく、AF(オートフォーカス）動作時に前玉が繰り出す機構の為、ゴミが入りやすい海での撮影には向かないと思いました。この時は、撮影しないときはカバンに入れ、風が吹いていない時を見計らって撮影をしました。

「HD PENTAX-D FA★50mmF1.4 SDM AW」は、防塵・防滴構造で、さらにインナーフォーカスの為、海でも比較的安心して撮影が出来ました。写りは、やはり申し分のない解像感で撮るもの全てが満足できる写真に仕上がりました。強いて気になる点を言えば、フードを含めて重量約955gの為、歩き回る撮影時には腕が疲れやすいところだと思います。「smc PENTAX-FA 50mmF1.4」は約220gで非常に軽いです。