【新旧共存】RF50mm F1.2L USM・EF50mm F1.2L USM【Canon】
1987年に登場したキヤノンの一眼レフに採用されている『EFマウント』はアマチュアからプロフェッショナルの方まで、
老若男女を問わず幅広い世代に愛用され続けております。
2018年にはキヤノンから新しく開発されたフルサイズミラーレスのEOS Rシステムとともに『RFマウント』が誕生しました。
今回のブログ『新旧共存』では、長い歴史を誇る『EFマウント』と時代の先端を進む『RFマウント』、両者レンズの比較をしてまいります。
RF50mm F1.2L USM(左)/EF50mm F1.2L USM(右)
今回対象となるレンズは『RF50mm F1.2L USM』と『EF50mm F1.2L USM』
撮影に用いるボディはEOS Rです。
※EF50mm F1.2L USMにはマウントアダプターEF EOS Rを使用します。
まず外観・スペックはご覧のとおりです。
RF50mm F1.2L USM
【2018年10月25日 発売】
画角(水平・垂直・対角線) 40° ・ 27° ・ 46°
レンズ構成 9群15枚
絞り羽根枚数 10枚(円形絞り)
最小絞り 16
最短撮影距離 0.4m
最大撮影倍率 0.19倍
フィルター径 77mm
最大径×長さ φ89.8×108mm
質量 950g
EF50mm F1.2L USM
【2007年1月26日発売】
画角(水平・垂直・対角線) 40°・27°・46°
レンズ構成 6群 8枚
絞り羽根枚数 8枚
最小絞り 16
最短撮影距離 0.45m
最大撮影倍率 0.15倍
フィルター径 72mm
最大径×長さ φ85.8mm×65.5mm
質量 約590g
レンズ単体で見るとRF50mm F1.2L USMがはるかに大きく、EF50mm F1.2L USMは小ぶりに感じます。
しかしEF50mm F1.2L USMにマウントアダプターを組み合わせると、そのサイズ感はほとんど変わりありません。
重量はRF50mm F1.2L USMが約950gに対して、EF50mm F1.2L USM+マウントアダプターEF EOS Rが約700g。
EF50mm F1.2L USMの組み合わせの方が軽量だということがわかりました。
続きまして、描写性能の比較を行いました。
RF50mm F1.2L USM
Mモードで絞り値F5:ISO800:シャッタースピード固定で撮影しております。
室内の頭上に照らされている照明灯にレンズを向けて撮影してみました。
RF50mm F1.2L USMには、新しく[ASC※]コーティングが施されております。
そのためレンズに光を直射させた環境においても、フレア・ゴーストの発生はあれど、ある程度は抑制されているようです。
※フレア・ゴーストを大幅に低減するコーティング『Air Sphere Coating』
EF50mm F1.2L USM
同じくMモードで絞り値F5:ISO800:シャッタースピード固定で撮影しております。
こちらはひとつ前の写真に比べて黄色やピンク色の柔らかいベールが覆い重なっており、フレア・ゴーストの発生が顕著に見てとれます。
しかし撮影表現によっては、このフレアを生かした柔らかい写真が撮れるともいえます。
例えば、海辺や夕暮れなどの太陽光の反射を生かした風景撮影、ふんわりと柔らかなポートレート撮影などにも活躍してくれそうです。
続きまして、最短撮影距離の比較を行いました。
RF50mm F1.2L USM:最短撮影距離 :0.4m
EF50mm F1.2L USM:最短撮影距離 0.45m
RF50mm F1.2L USMとEF50mm F1.2L USM、それぞれの最短撮影距離には5cmものの差がありました。
実際に撮影をしてみるとこの5cmの差は以外と大きく感じました。
ここから絞り値を3段階にわけて比較してまいります。
RF50mm F1.2L USM
まずは開放値F1.2で撮影。
(MモードでISO800:シャッタースピード固定、以下記載省略)
黄色いバスの中央付近にピントを合わせております。
開放の撮影でもピントがしっかりと合い、新しい搭載テクノロジーによる解像力の高さを実感しました。
ボケ味はすっきりと癖のない印象です。
開放での撮影時に出やすいレモン型のボケが確認できます。
F2.8などに絞れば綺麗な円形ボケが生まれます。
EF50mm F1.2L USM
同じく開放値F1.2で撮影。
RFと比較をしてみると、とくにわかりやすく表れている部分がバスの描写です。
こちらはふわっと柔らかい印象に写り、すこし輪郭の色滲みもあります。
解像力の面では、年代の差もありRFのほうが勝りますが、より柔らかい描写表現がお好みの方はEFがお勧めです。
レモン型のボケはRFとEFどちらも変わらない印象です。
RF50mm F1.2L USM
少し絞って、絞り値F5.6で撮影。
色再現性、被写体をより忠実に再現してくれる描写性能の高さにさすが!と感じました。
EF50mm F1.2L USM
同じく絞り値F5.6で撮影。
開放から比べると、解像力が増しました。
色味はRFよりもこってりと濃すぎず、自然な鮮やかさがあります。
バスの下に書かれている文字部分は、EFに比べるとRFのほうが鮮明に見えます。
RF50mm F1.2L USM
最後に絞り値F11で撮影。
EF50mm F1.2L USM
同じく絞り値F11で撮影。
ここまで絞り込むと、背景のボケ味や解像力も大きな差はほとんど感じられません。
新旧違えど、キヤノンの『L』は素晴らしいレンズだと実感しました。
開放値からピントがしっかりと決まり、シャープな描写性能を持つ新設計のRFレンズ『RF50mm F1.2L USM』
開放値の描写は柔らかく絞り込むほどにシャープな写りを発揮するロングセラーのEFレンズ『EF50mm F1.2L USM』
それぞれによい性能・特徴を備えている2つの新旧レンズ。
あなたはどちらのレンズがお好みでしょうか。