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【新旧共存】TAMRON  SP 90mm F2.8 Di MacroでModel 272とModel F017を比較

【新旧共存】TAMRON SP 90mm F2.8 Di MacroでModel 272とModel F017を比較

今回のテーマである新旧共存を果たしているレンズというのはいくつかあります。

今回取り上げるのはSP 90mm F2.8 Di Macroです。

現在、TAMRONを代表するレンズを現行レンズとして新旧合わせて併売しています。

TAMRON SP 90mm F2.8 Di Macro 1:1/Model 272

TAMRON SP 90mm F2.8 Di MACRO 1:1 VC USD/Model F017

TAMRON 90mm Macroはフィルム時代からとても有名で「90mmマクロ伝説」というものを持ち改良を重ねて今でも発売されているロングセラーレンズです。

別名では「ポートレートマクロ」と言われています。

このレンズは中望遠なので、マクロ域では高倍率でありながら距離を保つことができ、圧縮効果を含めた大きなボケを得ることができます。

「一般的にやわらかな描写が特徴の変形ガウスタイプの光学系を用い小型で、中望遠としてもマクロとしても汎用性のある、使い勝手の良いレンズを設計した結果やわらかでボケ味の良い、かつシャープで立体感のある一般撮影に向いたマクロレンズが出来上がった」とTAMRONより解説もあります。

少しこのTAMRON 90mm Macroの歴史を振り返ってみますと

SP 90mm F/2.5 (Model 52B) 発売:1979年(初代)

SP 90mm F/2.5 (Model 52BB) 発売:1988年

SP AF 90mm F/2.5 (Model 52E) 発売:1990年(オートフォーカス化)

SP AF 90mm F/2.8 MACRO[1:1] (Model 72E) 発売:1996年(等倍化 フォーカスリング・クラッチ機構を採用)

SP AF 90mm F/2.8 Di MACRO 1:1 (Model 272E) 発売:2004年(コート面での光学設計においてDi<Digitally Integrated Design デジタルに対応>を取り入れ「面間反射」を最小限に抑える。)

SP 90mm F/2.8 Di MACRO 1:1 VC USD (Model F004) 発売:2012年(先進の光学技術によりリニューアル。先進のコーティング「eBANDコーティング」を採用。手ブレ補正機構「VC」、超音波モーター「USD」を搭載。インターナル・フォーカス「IF」方式を採用。フルタイムマニュアル機構搭載。簡易防滴構造。)

SP 90mm F/2.8 Di MACRO 1:1 VC USD (Model F017) 発売:2016年(先代「SP 90mm F/2.8 Di MACRO 1:1 VC USD(Model F004)」の光学系を踏襲
手ブレ補正機構VCは従来の角度ブレのみならず、マクロ撮影で発生しやすいシフトブレにも対応。補正段数は3.5段を実現する。超音波モーターUSDの制御ソフトのアルゴリズムもより最適化され、高速のAFを実現。)

※マイナーチェンジを含めたくさん種類がありますので全部の紹介ではありません。

かくも長くTAMRONの90mmマクロレンズは、その素晴らしい描写性能を引き継いで進化してきたということです。

そして今回は現行で発売されている最新のModel F004と併売されている2世代前のModel 272Eを使用しNikon D780にて撮影を行ってきました。


SP 90mm F2.8 Di Macro 1:1/Model 272ENII


SP 90mm F2.8 Di MACRO 1:1 VC USD/Model F017

マクロとしては柔らかいボケとシャープな描写を両立しているSP 90mm F2.8ですが遠景を撮影する際でも描写は素晴らしいものがあります。

比較してみると最新のモデルであるSP 90mm F2.8 Di MACRO 1:1 VC USD/Model F017の方が若干、精細に描写している面もありますが、旧型であるSP 90mm F2.8 Di Macro 1:1/Model 272ENIIの描写がかなり素晴らしいためか、ほとんど違いが判らないぐらいよく写っているように見えます。


SP 90mm F2.8 Di Macro 1:1/Model 272ENII


SP 90mm F2.8 Di MACRO 1:1 VC USD/Model F017


SP 90mm F2.8 Di Macro 1:1/Model 272ENII


SP 90mm F2.8 Di MACRO 1:1 VC USD/Model F017

SP 90mm F2.8 Di Macro 1:1/Model 272ENIIはレンズ構成 :9群10枚

SP 90mm F2.8 Di MACRO 1:1 VC USD/Model F017はレンズ構成 : 11群14枚

一世代前にあたるSP 90mm F/2.8 Di MACRO 1:1 VC USD (Model F004)の代で光学系や手振れ、「eBANDコーティング」などを採用し大幅にリニューアルしており描写も相違点が出ているかと思うのですが遠景で撮影してみたところ…

あまり違いを感じられないほど新旧共に立体感のある素晴らしい描写をしております。


SP 90mm F2.8 Di Macro 1:1/Model 272ENII


SP 90mm F2.8 Di MACRO 1:1 VC USD/Model F017

近接撮影ではマクロならではの精細な描写が得られています。こちらも新旧甲乙つけがたいです。


SP 90mm F2.8 Di Macro 1:1/Model 272ENII


SP 90mm F2.8 Di MACRO 1:1 VC USD/Model F017


SP 90mm F2.8 Di Macro 1:1/Model 272ENII


SP 90mm F2.8 Di MACRO 1:1 VC USD/Model F017

柔らかで特徴的なボケは新旧共に伝統を受け継ぎ素晴らしいボケ味を発揮しています。

コーティングの違いがあるので逆光での違いは出るようですが、今回の撮影では大きな違いがみられないほど新旧共に素晴らしい描写でした。

撮影した画像では特に旧タイプにあたるSP 90mm F2.8 Di Macro 1:1/Model 272ENIIが素晴らしく最新のレンズに迫る描写が得られるレンズであると思われます。

ただ、画像では確認できない部分では大きな違いが確認できます。

まずは手振れ補正機構、これは中望遠域での撮影では、かなり威力を発揮します。

そしてAFの速度です。やはり超音波モーター「USD」を搭載が大きく単純に速度が速くなったこと。

超音波モーターUSDの制御ソフトのアルゴリズムもより最適化され合焦速度がとにかく速くなったこと。

これは単純に速いのではなくピントが合う速度が明らかに速いのです。

旧タイプのModel 272ENIIでは速度はかなり遅めなので一呼吸置くようなタイミングになりますし、近接のマクロ撮影では、AFで合焦しようとすると、ピントが迷ってしまったままフリーズしてしまうこともしばしばであります。

マクロは近接撮影ではマニュアルで撮影するのがスタンダードではあるかと思います。

ただ最新のモデルModel F017ではマクロであるということを踏まえてみても、とても合焦速度は速く精度も高いと思います。

運用面では明らかに新しいモデルの方が素晴らしいかと思います。

新旧どちらのレンズも描写においても運用においても選択しうるだけの利点がそれぞれにあります。

皆様も「伝説の90mmマクロ」を体感してみてはいかがでしょうか。

 

[ Category:etc. Nikon TAMRON | 掲載日時:20年09月28日 18時00分 ]

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