【私のお気に入り】オモイデバックパック
“私のお気に入り”というテーマで繋ぐマップカメラスタッフのブログ。皆お気に入りのカメラやレンズを題材に書いていますが、すみません、私が今回書きたいのはカメラやレンズではありません。
“私のお気に入り”はDANA DESIGN Mazamaです!
今は無きバックパックブランドDANA DESIGN(デイナデザイン)の大型ザック。のちにこのDANA DESIGNを立ち上げた創始者2人が今ストリートファッションでも大人気のMYSTERY RANCH(ミステリーランチ)を作ったのはDANA好きには有名な話です。
このザックは私が20代の頃一緒に旅をし、苦楽を共にした相棒です。
PENTAX K20を破損した灼熱のヴァラナシ、世界最悪の悪路と呼ばれている道を乗り合いバンで移動したカンボジア、土砂降りの中、その日の宿探しに歩きまわったデリー。夕日に照らされるマチャプチャレを眺めながら仲間と語り合ったポカラ。幸福について考えたラダック。一緒に旅をした思い出は数え切れません。
実はこのザックと写真は私の中で親密に繋がっている存在です。私が写真を本気で始めるキッカケになったのが一人旅を通してなのです。
初期の旅の頃は自分で写真を撮っていながら「私が感じてきたのはこんな事じゃない」とダメ出しをしていました。友人に写真を見せた時にも「絵ハガキみたい」と言われるのが嫌で嫌で。キレイな写真を超えるもっと力のある写真を撮りたいと思いデジタル一眼レフを購入。当時は無我夢中でシャッターを切ってきました。
我ながら初期の頃は「甘いな〜雑だな〜」と思える写真が多いのですが、妙にリアリティがある写真も多く、久々に見返したら当時の事を色々と思い出してしまいます。
ピンが甘いですが、自分の旅ってこうだったよねと思ってしまった一枚。電車に揺られ、バスに揺られ、異国の地で移動を繰り返した日々。
憧れの地だった北インドの秘境ラダック。この時が一番機材を多く持っていった旅でした。
僧院の窓から外を眺める若い二人の僧侶。
写真の基礎知識を身につけ、一枚一枚構図を意識しながら撮影しました。
この頃から旅先で出会った人々の写真も増えました。客観的に見た写真だけでなく、コミュニケーションを取って撮れるようになったと思います。
中国・広州の旧市街で撮影した一枚。少しステップが上がって写真の完成形を意識しながらシャッターを切るようになります。
何度目かのインド。
自分の中で旅と呼べる最後の記録、2011年に再び訪れたネパール。初めての一人旅がネパールから始まった私にとって特別な国でした。この時は東日本大震災で亡くなった知人や友人家族の追悼のため、聖地を点々と巡り祈りを捧げました。
踊るおじさん。そのステップに夢中の子供。こちらを見つめる歌い手とタブラ奏者。別の方向を見続ける警備の兵士。構図だけでなく自分の中で“いい写真”の基準が明確になってきた頃です。
写真の中でも報道写真やドキュメンタリー写真が一番好きで、当時の夢は旅をしつつ写真を撮るフォトジャーナリスト。
震災追悼の意味も込めて訪れたネパール。その後2015年にはネパールでも大地震が発生し、掲載した写真の撮影地を含め甚大な被害が出ました。
本当は飛んで帰りたい気持ちだったのですが、その時私は父になっていたため渡航はできず。そのため自分の旅はまだ続いていると思っています。
今回ブログを書きながら“私のお気に入り”を通して色々考えさせられました。自分にとって思い出深い道具たちは、相棒のような存在なのかなと思います。カメラやレンズはもちろん、大切な道具たちをこれからも使い続けたいと思います。
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こちらの投稿テーマも”私のお気に入り”!
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