【Canon】一番撮るのが楽しかったカメラの事をお話します。
今までずいぶんといろいろなカメラを使ってきましたが、その中でも一番長く使って、一番愛していたのがEOS 6D Mark IIでした。
このカメラの特徴を簡潔に述べると、2024年9月現在世界で唯一の「バリアングル液晶を搭載したフルサイズ一眼レフ」です。
デュアルピクセルCMOS AFによる快適・高速なライブビュー撮影と、光学ファインダーでの本格的なシューティングの両方が楽しめる素晴らしいカメラだったのですが、今年の2月に惜しまれつつも生産完了となりました。
本記事では、EOS 6D MarkIIのファインダーで撮影した写真をご紹介します。
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ミラーレスカメラが一般的になり、EVFでの撮影が「普通」になった今、あらためて一眼レフを使ってみるとその楽しさにハッとすることがあります。
光学ファインダーならではの生の景色が写欲を掻き立てるのはもちろんですが、「色味や露出が撮影するまでわからない」という事が今となっては新鮮に感じるのです。
(若い方が、カセットテープを「エモい」と感じることに似ているかもしれません)
答えが見えない状態で撮影しているため、しっかりと頭を使わないと途端にへなちょこ写真になります。
そうならないように気を遣うことで、むしろいつもより良い写真に仕上がることが多いような。
集中して写真を撮っている時の幸せは、何物にも代えがたいものです。
ああ、趣味を楽しんでいるな…。と感じますから。
さて、光学ファインダーはレンズを通した素通しの景色故、覗いている先にレンズ補正などかかっていません。
レンズの素の実力が浮き彫りになるため、歪曲収差や周辺光量低下がもろに響いてきます。
糸巻型にゆがんだ電車にほんのり「ああ、歪曲収差」と懐かしさを感じたものの、とはいえこれは行き過ぎかも・・・。
誰かが写真にパンチして、少しへこんでしまったことにします。
そういうわけで今度は、周辺までビタビタによく映る超高性能単焦点に登場してもらいました。
子供の頃は滑って遊べ、大人になったら撮って遊べる、人生で2度楽しめる遊具です。
地面のラインを見ると少しだけ歪みがありますが、これくらいならかわいいものでしょう。
BRレンズという「青色(短い波長域)の光を大きく屈折させる」特殊レンズを内包した本レンズ (EF 35mm F1.4L II USM)は、とにかくパープルフリンジが出にくいので、様々な撮影に重宝します。
様々な撮影といえば。EOS 6D MarkIIはタイムラプスや多重露出、HDR撮影といった機能も使えます。
これは多重露出で夕日と自動車を絡めた一枚。
この多重露出こそ光学ファインダー撮影の醍醐味で、予想通りの仕上がりになった時の嬉しさはひとしおです。
・・・白状しますと上の写真は半ばあてずっぽうで撮ったのですが、良い色が出たので結果オーライ。
車なだけに。
ウエディングフォトの撮影をしている現場へ遭遇し、とっさにカメラを構えたのですが、タイミングを見誤ったせいで、腹筋している人を助け起こそうとしているようになってしまいました。
どうやら岩の上に寝そべってポーズをとっているようなのですが、足を切ったりしないか心配になります。
曇天から伸びる天使の階段(※薄明光線の別名)がドラマチックに世界を彩る中、二人はどんな会話を交わしているのでしょうか。
続いて別日・別場所の海です。
夕焼けにそまる渚で潮騒に耳を預けると、まるで地球に揺られているような感覚に。
重力に抗い疲れて沈む太陽につられ、カメラを構える手も右下がりです。
こんな理由で、水平が出ていない言い訳になると嬉しいのですが。
地面に散在する星のようなきらめきは、南風の温かさに乗って流れ着いた貝殻たち。
命が終わり、自由だった海の中から打ち上げられたあとも輝けるのはうらやましい限りです。
画面右下まで盛大に伸びるゴーストは、EF50-200mm F3.5-4.5Lという1988年発売のレンズを使用したせいでしょう。
「黒鏡筒の直進ズーム」という、普段見慣れない外装の本レンズは非常に興味をそそりました。
写りは、まあ、ご覧の通りなのですが・・・。
赤い写真が続いたので、青い写真を。
アスファルトに出来た只の水溜りも、ファインダー越しなら全く違う世界に見えます。
うつむいた先で、銀河誕生の瞬間を捉えました。
星座盤には乗っていない星をさがし、小惑星の海を泳ぐあめんぼ号。
フレームアウトするその時までは、ここは宇宙であってほしい。
最後は本当の星空でお別れです。
これは秋の星座である「くじら座」を写したくて、チャレンジした時のもの。
普段全く星を撮らないせいで、尻尾にあたるデネブカイトスなどが画面外に見切れている事に気づかず構図を決めてしまいました。
おまけにいちばん写したかった脈動変光星ミラ※が暗い時だったようで、全く目立ちません。
(※不規則に明るさを変化させる変光星のこと)
使用レンズは EF50mm F1.8 STM、しかも絞り開放です。
周辺の星も何とか点にみえる(ような気がする)事に、このレンズの底力を見た様な気がしました。
今は訳あって手を離れたEOS 6D MarkIIですが、機会があればまた手にしたいものです。
最近は中古商品が手の届きやすい値段になっていますので、この記事で興味を持ってくださった方はぜひ使ってみてください。
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ボディは生産完了ですが、本記事で使用したレンズのうちいくつかはまだ新品がございます!(2024年9月現在)