連載中の「カメラを愉しむ」vol.88は「Canon EOS R6を片手に過ごす休日」をご紹介いたします。
前回に続き、今回もフラッグシップモデルに匹敵する高速連写や高感度撮影などの性能を小型・軽量ボディに凝縮した人気のミラーレスカメラ「Canon EOS R6」をセレクト。組み合わせるレンズはコンパクトなサイズながら最大撮影倍率0.5倍のハーフマクロ撮影が行える広角単焦点レンズ「Canon RF35mm F1.8 マクロ IS STM」で撮影に行ってまいりました。
関東でも積雪予報が出ていたこの日。仕事から帰りそのまま愛車に乗り込む。助手席には相棒のEOS R6を置いてさっそくロングドライブのスタート!東京から栃木、福島と一般道をただひたすら走ります。
夜も更け、人けのない深夜の山道でひと休憩。東京では見ることのできないしんしんと降る雪。車内との温度差にレンズが曇らないか少し心配しながらも1枚。
実はこの時に感度設定が「ISO200」のままになっていたことに気がつきます。拡大しても「ブレてなーい!」と90年代のシェイバーのCMのような言葉を発してしまいましたが、ボディー内5軸手ブレ補正機構。レンズ側の光学式手ブレ補正機構と協調制御し、世界最高8.0段の手ブレ補正を実現しているEOS R6ならではの1枚が撮影することができました。
朝は新潟県でお目覚め、眠い目をこすりながら無心で撮影。ズームレンズを持っていると「このくらいの画角が」とか色々考えてしまいますが、単焦点レンズは自分の好きな画角になるように移動するか、無心でシャッターを切るかのどちらか。
「大時化」という言葉がぴったりのシーンで、気温はマイナス4℃!しっかり構図を練って撮影するのも良いですが筆者は細かいことは気にせずノーファインダーで撮影するスナップの気楽な愉しさが好き。
画角が標準画角50mm以上になるとノーファインダーで気軽にとはいきませんが、広角や準広角単焦点レンズならではの醍醐味でしょう。RICOH GRやFUJIFILM X100ユーザーではこのような使い方をされている方も多いのではないでしょうか。
あまりの寒さに滞在時間5分で暖かい車内に戻ります。こちらの地元で人気、看板の無い老舗和菓子屋さんで購入したバタークリームサンドを朝食にいただきます。
このような時にも準広角単焦点レンズは実に便利!細かいことは考えずシャッターを切る気楽さ。「作品」を撮ろうと考えているときと、「旅の記録」と割り切っているときと。そのオンオフを自分次第で切り替えができるのが魅力のひとつだと思います。
食べるのに夢中になってしまいましたが、フワフワの黒砂糖が入った生地にバタークリームと粒あんがギッシリ。看板がなくてもご予約品が積み上げられ、開店1時間後なのに半分は売り切れというのも納得です。
糸魚川の近くに到着したころ、パラパラと雪が舞い始めました。こちらの2枚の写真は絞りをF8程度まで絞り撮影。「Canon RF35mm F1.8 マクロ IS STM」の絞りをF8程度で撮影した木の枝の質感がなんとも言えずリアリティがありとても気に入っています。ボケ感も円形絞りを採用しているのとろけるようなボケでスッキリしています。
新潟県から長野県に向けていざ出発。みるみるうちに雪景色!雪解け水が山の上から川のように流れてきました。透明感のある描写、そして水の波紋までしっかりと伝わる解像の高さはレンズの性能だけではなく、「EOS-1D X Mark III」搭載のセンサーを基にカスタマイズしたフルサイズCMOSセンサーを搭載しているそのコダワリが強く映像表現としても現れていることでしょう。
長野県で行われたスポーツ祭典でも有名な白馬にあるスキーのジャンプ場を通り、いざ長野 善光寺に向けて車を走らせます。
外壁にまとわりつく蔦は「絞りF8」、ショーウィンドー越しの熊さんは「絞りF1.8」。絞り値による変化は少ないものの表現したい被写体にあわせてコントロールする愉しみがあるレンズです。
およそ1400年の歴史がある長野 善光寺。特定の宗派に属さない無宗派のお寺としても有名で、全ての人々を受け入れる寺として全国に知られています。到着したのが遅かったこともあり参道のお店は既に閉店しておりましたが、その風情を準広角レンズの画角を活かした撮影をすることができました。
今までズームレンズ一筋だった、標準単焦点レンズしか使ったことがない方など。旅のお供にとても使いやすい画角でもある「Canon RF35mm F1.8 マクロ IS STM」はいかがでしょうか。単焦点レンズならではの解像感あふれる描写性能、そして開放から色ノリが良くコッテリとした表現はどのようなシーンにおいても思い描いた通りの写りをしてくれますので旅行をメインに愉しみつつ、撮影した写真も映える。Canon EOS R6からお手持ちのスマートフォンに画像に転送してInstagramやfacebookに画像をアップするなど手軽に高画質を提供してくれる最高の組み合わせ。ぜひこの機会にご検討ください。