重量級レンズといえば人それぞれ思い浮かぶレンズは違うかと思いますが、今回はSIGMAから1,000g以上あるArtな重量級レンズを選択して撮影に向かいました。
ArtレンズといえばSIGMAの3つのプロダクトラインのうちのひとつ、最高の光学性能と豊かな表現力に集中して開発されたアーティスティックなラインです。
普段は軽量級のカメラ、レンズの組み合わせばかりの筆者としてはちょっとした挑戦でもある組み合わせです。
「Canon EOS R6」に「コントロールリングマウントアダプター EF-EOS R」を介し、「SIGMA Art 135mm F1.8 DG HSM (キヤノンEF用) 」を装着して挑みました。
望遠レンズの入門ともいわれた135mmという焦点距離に、開放値F1.8という数値の組み合わせは驚くほどの立体感をもたせてくれます。
それでいて望遠による適度な圧縮効果もあり、撮影者の意図した部分に自然とフォーカスしてくれる気がします。ここでは木漏れ日と動物の角のような不思議な形の倒木が気になってシャッターをきりました。
黄色く色付いた落ち葉が印象的なベンチは、大きな木を丸く囲んでいました。アーチを強調するような切り取り方は望遠レンズならではだと思います。全体というより一部、どこをどのように切り取ろうかと考える時間も楽しいものです。
役割を果たせているのか不明な門。鎖も丸太も年季が入っていそうです。
分岐にある園内図を見てバラ園があることを知り、奥まった場所へ。木製の階段は所々朽ちかけていて、あちこち補修が必要そうでした。
バラ園では初めて見かける管理人の姿。それかバラ園専属の方かもしれません。手入れされたバラが綺麗に咲き誇っていました。
赤、ピンク、黄色とバラを愛でて次に向かうは先程の園内図で見つけた日本庭園。ゆるい坂道を下り、更に階段を下ります。
ちょっとした小道を抜けた先に、数匹の鯉がいる浅い池と楓や松などの木々、小さな石灯籠がありました。全体的にこじんまりとした雰囲気。正直にいえば物足りなくもありましたが、だからこそ頼りになる望遠レンズ。持ってきていたのが広角レンズではなくて良かったと思った瞬間です。
一番小さな灯籠が可愛くて思わずシャッターを切っていました。もう少し後に訪れていたら赤い紅葉が落ちかかってもっと雰囲気が出たかもしれません。
この日の撮影は木漏れ日がもう少しで夕陽に変わりそうな頃に切り上げることにしました。
長さ約115mm、質量は1,000g以上という重量級のレンズですが、「EOS R6」と組み合わせて持ってみた印象としては「重くはあるけどちょうどいい」でした。フルサイズセンサーならではの階調豊かな色彩表現、ボディに搭載された手ブレ補正は、豊かな表現力と重量のあるレンズにピッタリです。何気ないものが相手でも浮き立つような立体感ととろけるようなボケ味で驚くような1枚が撮れるレンズだと思います。