成田空港に行きました。
友人が都合で海外に5年も行ってしまうため、そのお見送りです。
お見送りだけでは寂しい気持ちを抑えられないだろうと思い、カメラを持って空港の写真も撮ってこようと思いました。
選んだカメラは「Canon EOSR5」。
普段はNikonを愛用している私にとって、今回Canonのカメラを使うのは初めての体験です。
初めてのCanonということで、レンズはCanonフロアの同僚にオススメをききました。
選んでくれたレンズは「RF24-105mm F4-7.1 IS STM」
選考理由は、24mmから105mmと幅広い画角をカバーしていることと、持ち運びしやすいサイズであること。

普段とは仕様の違うカメラを持っていざ、撮影です。

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Canon EOS R5+RF24-105mm F4-7.1 IS STM

時刻は朝9時過ぎ。普段からあまり人でにぎわっている時間でもありませんが、
国際線の出発ロビーはいつにもまして閑散としています。
閉鎖されているゲートも多くあり、もの悲しい雰囲気が立ち込めていました。

Canon EOS R5+RF24-105mm F4-7.1 IS STM

普段はチケットを発券し、いよいよ海外に出発するという人々の不安や熱気のようなものであふれているであろう
チケットカウンターも、今は出番もなく手持無沙汰に立ち並んでいます。

今回の撮影では、朝の張りつめた冷気と、閑散とし行き場をなくした空気がもの悲しく漂う雰囲気を
写真に残しておきたいと思ったため、ホワイトバランスを調整し「白熱電球」を選択しました。
そのため、あえて全体的に青味の強い写真となっています。

Canon EOS R5+RF24-105mm F4-7.1 IS STM

今はもう見慣れてしまったソーシャルディスタンスを促す足跡マーク。
EOSR5を使ってみて驚いたことの1つは、AFの速さと正確さです。
足跡マークを撮りたいと思い、カメラを構えてすぐにフォーカスが合いました。
シャッターボタンも軽くすぐに撮影できます。
撮りたいと思った瞬間には写真が撮れている、そのような印象を受けました。

Canon EOS R5+RF24-105mm F4-7.1 IS STM

天上を見上げると、背骨のように一本通ったデザインでした。
空港を支える屋台骨のように思えます。
マイナスの露出補正を少しだけかけることで、「骨のようだ」と思った部分だけを浮かび上がらせました。
べたっという写りにならず、立体的に浮かび上がる写真となり大満足です。

Canon EOS R5+RF24-105mm F4-7.1 IS STM

こんなに公衆電話が並んでいる光景も今は珍しくなりました。
空港ならではの景色になりつつあるのかもしれません。
やはり、公衆電話の光沢や立体感に驚かされます。
まるで写真に手を伸ばせば中の電話に届くような、そんな感覚さえあります。

Canon EOS R5+RF24-105mm F4-7.1 IS STM

これから海外へ向かう、あるいは帰る人の姿があります。
偶然、画面の中央に一本ひかれたラインは、スタートラインやゴールテープのようにも見えました。
シャッタースピードを1/8で撮影したため、動いている人はぶれ、止まっている人や物は静止した動きのある一枚になりました。
たくさんの人生が交差する空港らしさが表現できている写真になったのではないかと思います。

Canon EOS R5+RF24-105mm F4-7.1 IS STM

空はあいにくの雨模様です。105mm目一杯ズームして飛行機の写真を撮ります。
広角と比べるとやはり線の甘さが少し気になりますが、それでも十分撮れているように感じます。
いつもは空を見上げて小さく見えるだけの飛行機が、間近に大きくあると楽しくなってきます。

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いつもと違う使い勝手のカメラでの撮影は、F値を調整しようと触ったレバーがISOの調整レバーであったり、
画像再生ボタンと画像削除ボタンを押し間違えたり、戸惑うこともありました。
しかし、それを超えるこのカメラならではの写りや感動もありました。
それはまるで、海外で最初は文化の違いに戸惑いながらも段々と自分に馴染んでくる感覚に似ています。
どちらがいいというものでもなく、「今、ここで」しかできない体験。
このカメラでしか味わえない感動。
友人の海外生活も、不安や戸惑いがあるでしょう。しかし、それを超える大きな楽しみや喜びで満ちたものになりますように。
どうか、元気で。
そんな祈りをのせた写真だったからか、初めてのカメラで加減が分からなかったからか、シャッターボタンを押す指にいつもより力が入りました。