【etc.】ガジェット通信 Vol.1 ~Loupedeck CT編~
だんだん、暑くなってきました。今年も夏はやってきます。
普段なら夏にしか撮影できないような写真を撮りたいところですが、いまだ予断を許さぬ状況です。
こういった世情ですと、休日に手持ち無沙汰な趣味人の方も多いかもしれません。
そのようなときは、思い切って贅沢に、一日を写真のために使ってみるのはいかがでしょうか。
はて。容易に写真を撮れない状況なのに、写真のために一日を使うとは・・・?
写真撮影のワークフローは人それぞれだとは思いますが、私の場合は写真は撮影して終わり、というわけではありません。
写真を撮影したら、セレクションをし、個別に現像し、ソーシャルメディアにアップロードしたり、場合によっては印刷まで行います。
相応に時間がかかる作業なので、空いた休みの日にのんびりと行いたい作業です。
写真を撮影から現像・アウトプットまで、手を出したいけどイマイチよくわからない、あるいは効率よく行えないとお悩みの方もいるかもしれません。
私自身が特別そのような作業に秀でている、と自負をしているわけではありませんが、
現像作業がより楽しくなるような「ガジェット」は大好きです。
ですので、今回はそんな私のワークフローをお見せしつつ、便利なガジェットもご紹介できればと思いますので、どうぞお付き合いください。
・写真を撮りに行ったら
写真撮影は楽しいものですが、私の場合、世に出せる形にするまでが写真撮影と信条にしています。
整理が面倒くさくなる前に、帰ってきたらまず写真の整理から行います。
コンスタントに整理する癖をつけないと、いつの間にかデスクトップが謎のフォルダで大量(新しいフォルダ(1)、新しいフォルダ(2)のように)・・・なんてことになりかねません。
また、記録メディアの中身も整理しないと、最終的に「あれ?これバックアップとったけ」なんていうような事態も起こりかねません。
こまめな整理こそ、大量に写真を拵える際の効率を上げるための必須要件と考えています。
写真を撮ってきたメディアをPCに接続し、セレクション作業を行います。
セレクション作業は、単純に考えれば写真を要る・要らないと分ける作業と言えますが、
私の場合、その時はいらないと思った写真でもしばらくたって見返すと意外と悪くなく感じたり、
私以外の人が見たときに思いもよらぬ好評をもらうこともある(希望的観測です)ので、基本的に撮影した写真は手振れ・ピンボケなどを除いて削除はしません。
なので、私にとってこのセレクション作業は「現像をするための目星を振る」作業と言えます。
私はAdobe Creative Cloudがないとまともに生きていけな身体なので、セレクションから現像までの工程はもっぱら同社のソフトを用いています。
セレクション作業に用いるのはほとんどの場合 「Adobe Bridge」で、写真を個別にレーティングとタグ付けします。
レーティングとは写真に5段階の評価を振るもので、自分の中で単純に良いなと思った写真に対してホシをつけていきます。
また、タグ付けとは写真にカラータグをつける方法で、例えば身近な人間と写真を撮りに行ったとき、
普通にソーシャルネットワークにアップできる写真と、その知人が写っているから別に現像して送りたいものがあるときなどに、
「人物が写っているものは赤いタグ」という形で分けて使っています。
また、大量の写真を捌くときにしばしば用いられるソフトとして有名なものに、「Adobe Lightroom」があります。
私個人は一回あたりの撮影枚数があまり多くないので、Lightroomの使用頻度は低いですが、
Adobe Creative Cloud上へのクラウドバックアップを手軽に行えたり、同じようなルーチンの現像を複数の写真に施す際に使いやすい他、
Bridgeでできるようなことはおおよそできるので、こちらを使っている方も多いかもしれません。
今回はLightroomで実際に作業を進めていきます。
こちらが作業画面です。個別にレーティングができるほか、簡易的な現像作業もこなすことができます。
さて、ここで今回の秘密兵器登場です。
むむっ、怪しげに光る謎のツール。
こちらはLoupedeck CTという、フォトグラファー向けに作られたツールです。
Adobe Lightroom や Photoshopなどに最適化されており、各種キーやトルグを用いてスピーディな現像作業を実現することができます。
ディスプレイ横のツマミには細かいクリック感があり、ハイライトやシャドー、ホワイトバランスの補正などを直感的な操作で行うことができます。
中央の大きな丸いホイールもなめらかに稼働し、中央部はタッチパネルとなっています。
セットアップは公式サイトからPCのOSに対応したドライバーをインストールするだけで、
サポートされた各ソフトウェアを起動すると自動的にプリセットが表示されます。
上の画像のように、自分の好みにボタンや機能を変更でき、拡張性があります。
現像作業を一通り終えたらバックアップを取っていきます。
こちらが作業風景。
左がLoupedeck CTで、右のUSBポートから伸びているのはSanDisk製のポータブルSSD。こちらにもバックアップを保存しています。
非常にコンパクトで、耐久性に優れており、しかも高速。私が使用しているのは1TBモデルです。
バックアップは撮影した日付ごとに行っていて、フォルダ名を「YYYYMMDD撮影場所」といった形のフォーマットで整えています。
さて、良い感じに現像ができました。
現像ができたら、次はせっかく時間もあるので印刷の工程へ移ってみましょう。
私の所持しているプリンターはエプソンなので、印刷工程のソフトウェアもエプソンのものを使用します。
EPSON Print Layoutというもので、複数枚印刷する際にも余白などの設定を共通化でき、好んで使用しています。
Lightroomからは「書き出し」でEPSON Print Layoutを選択することでスムーズに移行可能です。
フォルダーからファイルを個別にドラッグアンドドロップでも読み込めるので、直感的な操作も可能。
細かいプリンターのプロファイル設定は印刷したい内容に合わせて適宜行っていきます。
今回は時間もあるので、超高精細の設定を行います。
印刷サイズはA3ノビ。写真用紙はピクトリコのものを使用します。
印刷についてはキヤノン製のワークフローを別のスタッフが細かく書いており(こちら)、今回詳細な設定は割愛いたします。
一通り設定を終えたら、印刷ボタンをポチっと押して出力を待ちます。
印刷に使用するプリンターはEPSON SC-PX5V2。
以前に比べて写真を印刷する機会が減ってしまったので、火(電源)を入れるのは久々です。
ちなみに、EPSON SC-PX5V2は相応に巨大なプリンターで、部屋に置くと存在感抜群ですが、
今後同じくA3ノビまで対応でき、さらにサイズもコンパクトになった次期モデル「SC-PX1V」や、なんとA2ノビまで印刷できる「SC-PX1VL」も予約受付中です。
超高精細でA3ノビともなると、印刷完了までに10~20分ほどかかります。その間はコーヒーでも淹れて気長に待ちましょう。
その間にインクが切れたり、WiFiが切断されないこと祈ります。
それ以外にも、プリンター全般は動かさないとインクが固まって色が出ないことなどありますので、こまめに印刷は行いたいところ。
しばらくすると、印刷が完了します。
これで一連の作業が終わりました。
印刷した写真は額装して飾るもよし、アルバムにするもよし。
余談ですが、昨今の写真の楽しみ方といえば、インターネット上でというのがもっぱら一般的になってきました。
私個人の体験としても、よい写真にソーシャルネットワークサービスを通して出会うという体験は多くありますし、
より多くの方へ写真の普遍性や、逆に美しい写真のすばらしさを広めるのに、これ以上のツールはないと思います。
しかしながら、印刷した写真はデータではなく物体としてそこに存在しています。
顔料インクのプリンターで印刷した写真は耐久性も高く、ずっと保存しておくことができるはずです。
かけがえのない写真を紙に出して持つというのは、今となっては必須のプロセスではありませんが、
だからこそ今この時代に写真を紙で持つ贅沢と、その付加価値を深くかみしめることができると感じています。
…
・効率のよい写真撮影のワークフローは、よいガジェット選びから
写真を撮るために機材に頭を悩ませるのは、楽しかったり苦しかったりで、写真を趣味とする者の本懐だと日頃より思っています。
どんなカメラを買おう、どんなレンズを使おう…。これほど幸福な苦悩はありません。
しかしながら、今のデジタル時代、撮影からアウトプットまでの工程をサポートする、様々なガジェットが登場しています。
今回ご紹介したLoupedeck CTも、そんな充実したワークフローをサポートするツールの一つと言えます。
Loupedeck CTの使用感についてですが、普段から現像をしている方なら、スライダーをトラックパッドやマウスで動かすと、
思ったところで止まってくれなくてはがゆい思いをしたことがあるかもしれません。
Loupedeck CTさえあれば、そんな悩みからはおさらばできます。
本体にGUIが実装されている為、見ただけで「ここを押したら、こうなるだろう」というのがわかりますし、
欲しい機能を好きなスイッチに割当てることができるので、自分好みに仕上げていくことも可能です。
現像作業など、より効率よく行っていきたいという方にオススメしたいガジェットです。
さて、ガジェット通信第一回はこれにて終了です。
次もまた、よいガジェットとともにお会いしましょう。
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