【Canon】スマホ全盛の今、カメラを持つ理由があるとしたら
CanonCanon L lensCanon PowerShot seriesEOS 6D Mark IIEOS-1D X Mark IIIさくらカメラと共にカメラの楽しみ方一眼レフ
物語を読んでは空想の世界を旅するような子供だった私が、とりわけ気に入っていた本があります。
それは孤児院に預けられ辛い生活を送っていた少年が、ある日突然現れた自称「父親」の男性に連れられ、成り行きで宝探しに出掛ける…という冒険小説でした。
巧みな言葉回しと壮大なストーリーに目を輝かせていたあの頃、くたびれたズボンのポケットに入っていたのは、ちょっと変わった形をした宝物の石ころたち。
それから10数年たった今、同じ位置にはスマートフォンが収まっています。
ポケットの中が砂だらけにならない分、洗濯は楽になりました。
でもなぜでしょうか。
困ったように、でもなぜか嬉しそうに笑う親の前で、
「見て見て!」とポケットを逆さまにした時零れ落ちたあの砂一粒ひとつぶが、
キラキラした夢だったように思えてならないのです。
そんなことを考える昨日と見分けのつかない午後には、決まって防湿庫の一眼レフに目を向けます。
そうだ、カメラを持ってまだ行ったことの無い所へ行こう。
あの頃のように、好奇心だけで家を飛び出してみよう。
Canon EOS 6D Mark II+Canon EF24-70mm F4L IS USM
また、こんな景色に出会えるかもしれない。
そうして出かけると、大抵の場合舵を切る先は海になります。
Canon EOS-1D X Mark II+Canon EF24-70mm F2.8L II USM
潮の香りのする街で育ったからでしょうか。
幾重にも青が折り重なる海をみるとほっとします。
ペールブルーではなく水色な海と言うのは首都圏近郊では中々見つからず、このたたら浜(神奈川県)か守谷海岸(千葉県)が最有力候補。
遠浅でないと望むような色にならない為、本当は伊豆まで足を伸ばしたいのですが、なかなか時間が取れず思い通りにいきません。
Canon EOS-1D X Mark II+Canon EF24-70mm F2.8L II USM
そんな私の心強い味方が富士山でした。
混雑の無い高速道路を2時間も走れば、山中湖付近へ抜けられます。
最近よく行く高原は、秋になると一面のススキが覆う明神峠。
この写真は初夏のものですが、野焼きの後芽吹き始めたススキが緑の匂いを漂わせていました。
山頂付近に垂れ込める雲の形が、会いに行くたびに違う山。だからこそ透き通る海に勝るとも劣らない魅力を感じられるのかもしれません。
Canon EOS 6D Mark II+SIGMA Art 40mm F1.4 DG HSM (キヤノンEF用)
時には鬱蒼とした森や、朽ちた営みを追う事もありました。
休止になってから54年後に廃止された、かつてたった二駅しか存在しなかった砂利運搬線の線路です。
現存する駅から遺構をたどり、所々途切れるレールに焦りを覚えながら、どうにかたどり着いたこの場所。
レールを持ち上げ根を張る大樹が、沈黙してからの年月を物語ります。
この日はスコールに何度も降られ、私もカメラもびしょ濡れになりましたがどちらも無事でした。
安心して冒険できる防塵防滴性能も、一部機種とはなりますがカメラの魅力だと思います。
Canon EOS-1D X Mark II+Canon EF24-70mm F2.8L II USM
これは周南市大津島に旅した時の事。
下船する港を間違い、カメラでいっぱいの荷物を持ってとぼとぼ歩いていると、おばあさんから声をかけられました。
現地のみかん農家の方だったのですが、何と軽トラで目的地まで送ってくださるとの事。
御年87歳との事でしたが、華麗なMTさばきでケモノ道を登っていく技術には感服いたしました。
「あたしはね、嫁に来てからずっとここ(島民)なんよ。慣れてるでしょ」
そう言って笑った優しさと、別れ際にいただいたみかんの甘さは、暗記するほど読んだネットの観光情報サイトには書いてなかったものです。
こうして数えきれないくらいに旅をして、「知らないことに触れる悦び」がワクワクの正体だったと思い出しました。
そしてそれは憧れるたびに近づいて、諦めるたびに遠くなった。
これを華やぎと呼ぶのであれば、私がカメラを向けるべきは、もうそれしかない。
次は何処へ行こう。
Canon PowerShot G9X Mark II
美味しいものをたくさん食べよう。
Canon EOS 6D Mark II+Canon EF50mm F1.8 STM
知らない世界に、会いに行こう。
Canon EOS 60D+Canon EF135mm F2L USM
・・・
いつからでしょうか。
昨日と同じ明日が来る事を疑問に思う事すらなくなっていましたが、こうしてカメラを持ってからは、少しだけ季節を掴めるようになった気がします。
Canon EOS-1D X Mark II+Canon EF24-70mm F2.8L II USM
桜の風が吹く、雨の春が終わり
Canon EOS 60D+Canon EF16-35mm F4L IS USM
熱い風、騒がしい光の夏を過ぎ
Canon EOS 6D Mark II+Canon EF85mm F1.2L II USM
歳晩を運ぶ秋風に手を振って
Canon EOS-1D X Mark II+Canon EF24-70mm F2.8L II USM
朔風を超えてまた春を待つ。
何年も、何年も。ずっとカメラと一緒に…。
Canon EOS 90D+Canon EF85mm F1.2L II USM
小さい頃持っている憧れや夢、ドキドキワクワクする気持ち。
それを大人になりながら少しずつ手放してゆくのかもしれません。空いたスペースに常識と現実と知識・経験を詰め込んで。
そうやって得られた低刺激な毎日も存外心地が良いもので、何も感じないなら感じないで意外とスマートに生きていけてしまいます。
ましてや今は何でも検索で知ることができる。
厚さ数センチのスマホの上、小さな窓に打ち込んだ文字が、何だって導き出してくれる…。
でもそれは「本当」じゃ、ない。
光も風も、季節も音も、人の優しさも自分で見なきゃ、わかんない!
だからちっぽけな防湿庫の中、今日も相棒が私に告げる。
「「知っている?」ふざけるな、連れ出してやるよ」
もしまだカメラを始めていない人に
“なぜカメラが好きなんですか?”と聞かれたら、
「自分が、主人公になれるから」と答えるでしょう。
知らない誰かの感じた世界や、星の数で決められた価値じゃないところにある、本当に大切なもの。
探しに行きませんか?あなたの“相棒”と。
カメラ専門店として、あなたが相棒に出会うお手伝いができるのだとしたら、、、
こんなに幸せな事はありません。
私のカメラは一眼レフのEOS。高画質で快適な操作性が長所の、頼れる相棒です。