【etc.】今知りたい!SDカードの選び方!
どんなメーカーのカメラでも使用する時に必須となるアイテム。それは、SDカードやCFカードといったメモリーカードです。
今回は、多くのカメラで採用されているSDカードに焦点を絞り、使用用途に応じたカードの選び方などをご紹介いたします。
①GB(保存可能な容量)
まずはSDカードを見た時に一番大きく表記されている数字です。
こちらはSDカードの容量を表すGB(ギガバイト)数です。
SDカード自体は4GB、8GB、16GBから32GB、64GB、128GB、256GBと2の累乗の数字となっています。
SDカード自体にどれくらいのデータを入れることが出来るか、という数になっていて数字が大きければ大きいほどよりたくさんデータを保存できる、ということになります。
また、SDカードの表記の後ろに「HC」や「XC」と表記のあるものがありますが、こちらはGB数に応じた規格の名称を表しています。
4GB~32GBまでの容量のものはSDHC、64GB~2TBまでの容量はSDXCという名称になっており、
デジタルカメラに用いるSDカードは現在SDXCカードが主流となっています。
例えば、SONYのα7CⅡを用いて、JPEGの中でも最高画質の「エクストラファイン」という画質設定で写真を撮影した場合、64GBでは約2,300枚、128GBでは約4,700枚の写真を保存することが可能です。
こちらはメーカーやカメラの設定等で変動するものですので、あくまでも目安としてお考え下さい。
スナップ撮影や旅先でちょっとした写真を撮りたいというのであれば32GBでも容量としては十分である、と考えることも出来ます。さらに撮影した写真は各メーカーで配信されているアプリケーション等を通じでスマートフォンに即時転送することも可能です。
転送して保存した後は必要が無ければSDカードのデータを都度消去しても問題はないため、容量一杯撮影してしまった場合でも移動した後は削除できるため、容量一杯まで撮り切ってしまった場合には新しいSDカードを用意しなくてはいけない、ということでもありません。
その一方で動画の撮影については大容量のSDカードが必要になります。主流となっている4K動画をたくさん撮影する場合、64GB以下だと動画の画質設定を100Mbpsで撮影した場合の目安の撮影可能時間が75分のため、すぐにデータが一杯になってしまうことが予想されます。長い動画撮影を行い場合には、最低でも128GB以上のSDカードを用意する必要がある、ということになります。
②書き込み速度/読み込み速度
次に、GB数の上に表記されているこちらの数字です。RとWと書かれている2種類の数字が表記されています。
SDカードの種類によっては読み込みスピードのみ表記されているものもあります。
右端にRと書かれているものが読み込み速度(Read)です。SDカード内に保存されているデータをPCなどの外部メディアへ出力する場合のスピードの表記となります。この数字が大きいほど、PCなどへの転送スピードが速くなるという意味です。スマートフォンへの転送のみであれば100MB/秒であってもストレスなく使用できますが、PCなどを用いてSDカードから外部メディアへの転送を予定されている場合は最低でも200MB/秒以上あると、非常にスムーズにデータ移動が可能となります。
右端にWと書かれているものが書き込み速度(Write)、撮影されたデータをSDカード内に書き込む時間の表記となります。連写撮影や動画撮影など連続してSDカード内へ書き込みを行う場合、この数字が小さいと書き込み処理終了まで時間がかかってしまい、その間カメラがフリーズしてしまうこともあります。動体撮影など高速連写撮影を行う予定がある場合書き込み速度をより速いものもお選びいただけたらと思います。
また、これらの数字はあくまでも論理上の最大転送速度となっているため、常にこの数字で転送出来るわけではないため注意が必要です。
③UHS-Ⅰ/UHS-Ⅱ
次に、SDXCの表記の隣などにあるⅠやⅡの表記です。
正しくはUHS-Ⅰ/UHS-Ⅱという規格です。こちらは見た目でも分かりやすく判断することが出来、SDカード裏の端子の数の違いが大きな差です。
左のように、端子が一列のものはUHS-Ⅰ、端子が二列のものがUHS-Ⅱです。
UHSは「Ultra High Speed」の略となっており、カメラで撮影したデータをSDカード内へどれだけ早く転送が出来るかという違いになります。
UHS-Iの理論的な最大転送速度は104MB/秒、UHS-IIの理論的な最大転送速度は312MB/秒のため論理上はUHS-ⅡはUHS-Ⅰよりも3倍速く転送できるという計算になります。
先程の転送速度の表記と合わせて、素早い転送が必要になる場合はUHS-Ⅱを選んでいたいた方が良いと思います。
しかし、例えばSONYのα6400、CanonのEOS R50やEOS R100などUHS-Ⅱ非対応のカメラもあるため使用するカメラが対応しているカードの種類を都度確認する必要があります。
非対応のモデルではUHS-ⅡのSDカードを使用することは可能ですが、UHS-Ⅰのカードとして使用されるためカードの能力を最大限活かしきれない使用方法となってしまいます。
④V30/V60/V90
最後に、Vの後にV60などの表記があるものです。こちらは、書き込み時の最低保証速度の表記となります。
現在、V30/V60/V90の3種類あります。数字が大きくなればなるほど最低保証速度が速くなるということです。
そのため安定した動画の撮影や連写などをされる方にはVの数字が大きくなればなるほどオススメできます。
写真だけで連写せず静止画メインでの撮影をお楽しみいただくお客様にはV30でも十分な性能でお楽しみいただけます。
反対に、RAWで連写撮影をされる方や動画撮影をされる方はV90のSDカードをご利用いただければ書き込み処理待ちの時間も少なく快適にご利用いただけます。
しかし、どうしてもその分お値段も上がってしまうため、V90やCF Expressカードが必須である「All-Intra」設定での動画撮影をしないのであればV60の規格でも十分撮影ができるため、V60のSDカードが選択肢の1つとしてオススメです。
V60になると、V30では対応していない「4K120p」や「4:2:2 10bitの4K60p」が撮影出来るため本格的な動画を始めることもできます。
動画性能だけでなく、書き込みの最低保証速度もV30の倍速くなっているため連写撮影でも安心して使用できると言えます。
総合的にバランスが取れているV60は「V30より書き込みが安定していて、V90と同等の読み出し速度を持つ」SDカードということになるため、コスパが良い多くの方に自信を持ってオススメできるSDカードです。
これまで簡単に説明してきたSDカード上の表記を見ながらお客様の使用用途に応じて納得の1枚をお選びいただければと思います。