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【FUJIFILM】歪みのない世界へと誘うレンズ。XF14mm F2.8 R

【FUJIFILM】歪みのない世界へと誘うレンズ。XF14mm F2.8 R

11月に入り秋の気配も徐々に感じてきた今日この頃です。
本来であれば10月の中旬辺りで秋の空気になっているはずですが、今年も夏の空気が居座ったままでした。
これを残暑と表現していいのかもわからず毎年毎年を過ごしているように感じます。
木々が色づき、紅の葉に覆われた絨毯を写真に収めたいと思っていましたが、その想いが叶うのももう少し先になりそうです…

という訳で思考を変え、秋の魅力の一つである芸術にフォーカスしてみました。
「芸術の秋」とも言われ、アートを鑑賞をするには至高の季節です。
その中でも今回は建築美を中心に色とりどりの建物を撮ってきましたので、最後までお付き合いいただけると幸いです。

今回使用した機材
FUJIFILM (フジフイルム) X-T5
FUJIFILM (フジフイルム) フジノン XF14mm F2.8 R

・・・

早朝のまだ人出の少ない東京駅をローポジションから撮影してみました。
3階建ての全長約335メートルにもなる、レンガと鉄筋造りによる駅舎は、近代の街並みにも引けを取らないどっしりとしたロー&ワイドな重厚感が大変印象的な建築です。
1914に竣工した中央停車場(現在の東京駅)の設計は辰野金吾。日本近代建築の父と評されている辰野は、工部大学校(現在の東京大学工学部)の1期生であり首席で卒業しています。
赤レンガを用いてそこに白い花崗岩で装飾を施し、屋根に塔や小屋を載せた建築デザインは「辰野式」と呼ばれています。
まさに東京駅に代表されるような重厚で趣のある外観は、多くの日本人の心に深く刻まれていることでしょう。

今回使用したXF14mm F2.8 Rは35mm換算で約21mmの画角になるため、建築や風景、室内の撮影に向いています。
そのため、東京駅のようなロー&ワイドな建築物もしっかりと画角に収めることができます。

ところ変わって旧岩崎邸庭園にお邪魔しました。
1896年に建てられたこちらの建物は、三菱財閥をつくりあげた岩崎彌太郎の長男である岩崎久彌の本邸として建てられました。
設計者はジョサイア・コンドルで、近代日本住宅を代表する西洋木造建築です。
明治政府のお雇い外国人として来日したコンドルは工部大学校(現在の東京大学工学部)で教鞭をふるい、東京駅の設計で紹介した辰野金吾に西洋建築学を教えています。

焦点域が広角や望遠になる程、収差が出やすくなりますがこのレンズはそこに敢えてメスを入れています。
また、超広角レンズならではの独特なパースペクティブもしっかりと表現できており、建築空間に広がりを持たせています。

迎賓館赤坂離宮にも足を延ばしました。
1899年に東宮御所として建てられた赤坂離宮は、こちらもジョサイア・コンドルの直弟子である片山東熊の設計です。
こうして見ていくと、いかにコンドルが近代日本建築への貢献に寄与していたのかを垣間見ることができ感慨深くなります。
その後、赤坂離宮は1948年に東宮御所としての役割を終え、1968年には国賓を迎える迎賓館へと改修され現在に至っています。

XF14mm F2.8 Rは徹底して歪曲収差を抑えているため、このような横長の建物や縦長の高層ビルやタワーなどの建築写真を撮るときに大変活躍します。
現在では現像ソフトを使って収差をデジタル処理することも可能ですが、その処理を長年にわたり培ってきた光学技術で補正しているところにフジノンブランドの流儀を感じてしまいます。

XF14mm F2.8 Rは中心から周辺部に至るまで高い解像度を保っています。
また、諧調表現も実に豊かで写真右端の影が落ちている箇所のグラデーションもしっかりと描写できています。
このレンズの発売が2013年で、今から11年前ということを考慮すると大変優秀な写りのレンズだと言えそうです。

こちらは2011年に竣工したヨーロッパハウスです。
駐日欧州連合の代表部が入るこの建物はオフィスエリアと住居エリア、パブリックエリアから構成されています。
建物の外観が非常に個性的で、居住エリアのバルコニー部分が大小ランダムに突き出たファサード意匠となっています。
また、壁面に使われている外装材をメンテナンスがしやすく、100%リサイクル可能な銅板を採用することで、ヨーロッパらしい環境に配慮した建物になっています。

さて、こちらは南青山にあるスパイラルビルの中に広がる螺旋空間です。
この建物は槇文彦が設計し、1985年に完成しました。
「純粋幾何学体」を基本要素としてデザインされ、正方形や正三角形、円や円錐を多用しているのがこの建築の特徴です。
ロビーは円筒形のアトリウム(吹抜)になっているため、上から降り注ぐ光が空間全体を包み込み壮大な宇宙空間を創り上げているかのようです。

1938年に竣工した旧公衆衛生院(現在の港区郷土歴史館)です。
内田祥三が設計し、鉄骨・鉄筋コンクリート造、スクラッチタイルで覆われたゴシック調の外観が目を惹きます。
このようなスクラッチタイルを使ったファサード意匠は「内田ゴシック」とも呼ばれ、特徴的なデザインを誇っています。
現在では港区の郷土や歴史を伝える資料館や展示室、図書館、カフェなどが入っており、文化施設として利用されています。

建物内部は円形の吹き抜けエントランスで、シンメトリーの空間が広がっています。
薄紅色の壁面や天井の漆喰レリーフが特徴的で、風格のある佇まいになっています。

XF14mm F2.8 Rを使うと、こうした室内のシンメトリー空間をダイナミックかつ繊細に写し出すことができます。
超広角レンズの利点、隅々まで描き出す高い解像度、そして歪曲収差ゼロの利点とが上手くマッチした被写体に出会えたのもこのレンズの持っているポテンシャルが引き寄せてくれたのだと感じました。

ここまでお付き合いいただきありがとうございました。
この記事が皆様の好奇心を刺激し、そしてご購入のきっかけの一助となればと思います。
それではまたお会いしましょう。


▼ 今回使用した機材はこちら ▼

[ Category:FUJIFILM | 掲載日時:24年11月01日 11時11分 ]

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