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【FUJIFILM】理想のレンズの選び方 ~ フジノン GF110mm F2 R LM WR ~

【FUJIFILM】理想のレンズの選び方 ~ フジノン GF110mm F2 R LM WR ~

理想のレンズを追い求めて…

何か撮影にアクセントを加えたい。
少し雰囲気を変えたい。
そう感じたら新しいレンズをあれやこれやといろいろ考えてしまいます。
そこで本連載ブログでは様々なメーカーの単焦点・ズームレンズをご紹介いたします。

昨日、ストックホルムで「X Summit」が開催され、GFX 100の後継機「GFX 100 II」 が発表されたこともあり、Gマウントに興味を持たれた方も多いのではないかということで、今回ご紹介するレンズはラージフォーマットの魅力を存分に感じることができる、「FUJIFILM フジノン GF110mm F2 R LM WR」になります。

重さはレンズ単体で1,010g。
レンズのみで1kg超となると驚きますが、実際に手にしてみるとレンズの重心のせいかそこまで重たいと感じることは少ないです。

このレンズの特徴はなんと言ってもその描写性能では無いでしょうか。
もともと単焦点/ズーム共に高性能なGFレンズ。
その中でも頭ひとつ飛び出ているように思います。

今回使用した1億2百万画素のGFX 100Sにおいてその相性の良さは随一です。

FUJIFILM GFX 100S + フジノン GF110mm F2 R LM WR

とは言いながらも一番初めの写真を撮るまではそこまで信用がありませんでした。Xシリーズに比べて大型なGシリーズ。気軽に撮ることに重きを置いていないことは明白です。ところが、一枚写真を撮ってから印象がガラッと変わります。飛行機がハッキリ写ることは当然ですが、エプロンにいるスタッフの方や滑走路を挟んで向こう側の建物、そしてさらに奥に広がる山々までシャープに写っております。手持ちでパッと撮影しているにも関わらずここまで写る様子を見て、次第に虜になってしまいました。

FUJIFILM GFX 100S + フジノン GF110mm F2 R LM WR

昨今のカメラ市場の流れは高画素化。
フルサイズセンサーカメラにおいても上位機種の多くは高画素機に変化しています。以前は大判印刷をしないにも関わらずどうしてそこまで高画素にこだわるのだろうかとも思っておりましたが、このFUJIFILMのGFシリーズに出会い考えを改めました。それは撮影した時とデータを見返した時の感動です。前者に関しては撮った時にカメラのモニターに映し出される精細さ。後者はスマートフォンやパソコンで見た時の精細さです。大判印刷しないと言っても写真を見るデバイスはデジタルになりデータの拡大縮小が簡単になりました。ピンチアウトやボタン1つで等倍拡大が可能です。この時に感動を覚えることは撮影の楽しさや撮る楽しみに繋がります。そしてこの『フジノン GF110mm F2 R LM WR』と『GFX 100S』の組み合わせはそれを最大限に楽しむことができます。

FUJIFILM GFX 100S + フジノン GF110mm F2 R LM WR

GFレンズでは2番目に明るいレンズとご紹介いたしましたが、1番目は80mm。そのためボケ量は圧縮効果と相まってこちらの『フジノン GF110mm F2 R LM WR』の方がGFレンズで一番ボケ量を得られるのではないでしょうか。絞り開放のF2.0から素晴らしい描写性能の本レンズ。前ボケも後ボケも嫌な感じが全くありません。ボケもさることながらピント面は当然シャープですから、立体感はより際立ちます。それでいてシャープとはいえ線が硬いわけではないのでふんわりとした優しさの様な空気感もそのまま閉じ込めることができるのです。草木にいる小型クモの肉眼でも捉えられるか怪しいぐらいのクモの巣の糸。それすらも鮮明に写してしまうのです。さらに逆光時に光の角度によってクモの巣に現れる光彩。こういった状況でも描写性能は損なわれずに撮影しきることが可能です。写真をジーっと見ていると何だか中の世界に吸い込まれてしまいそうです。

FUJIFILM GFX 100S + フジノン GF110mm F2 R LM WR

逆光時においてもその描写に驚かされます。髪の毛の描写はまるで実際に触れてみたくなるよう。温かみのある色と相まってその場の雰囲気をそのまま切り取ることができました。そして山並に沈もうとする真っ赤な夕陽。空全体が赤く染まっているのが分かります。太陽に露出を合わせると地上部分は真っ暗になってしまいました。一見すると黒つぶれしてしまっているように見えます。しかしここがラージフォーマット。こちらのデータをパソコンで触ってみましょう。

adobeのLightroomで露光量のみ変化を与えました。
露光量+4。するとどうでしょうか。先ほどの写真では地上部分に何があったのか全く分からなかったのですが茶畑が姿を現しました。ここで凄いのが茶畑が見えたことではなく、一見黒つぶれしているかのような写真であっても、しっかりと暗部のデータを保持出来ているという事です。ここがフルサイズセンターよりも大きいラージフォーマットの利点ではないでしょうか。

FUJIFILM GFX 100S + フジノン GF110mm F2 R LM WR

35mm判換算87mmともなればいわゆるポートレート撮影にもうってつけの画角になります。1億2百万画素から得られるその写りは産毛やしわまで隅々まで見えてしまうほどです。AF速度はお世辞にも速いとは言えませんが、AF-Sで捉えるピント面はズレが無くピタッと止められます。また『GFX100S』の強力なボディ内手ブレ補正と相まって薄暗い場所でもシャッタースピードを落としてもブレることがありません。一方で、被写体ブレが気になる場合はISO感度で対応することができます。ラージフォーマットゆえに高感度の耐性もかなりありますので自由度がとても高くなっています。

FUJIFILM GFX 100S + フジノン GF110mm F2 R LM WR

その描写は撮影した私本人でも精密画ではないかと見間違うほどです。遠景となる富士山ですが、山肌の隆起や登山道に雪が被っている様がはっきりと分かります。そしてそれがのっぺりとしているのではなく立体感があり富士山の雄大さが見てとれます。そして手前に目をやると、朝日に照らされて色づいた木々が見えます。是非拡大してみてください。写真端の描写はもちろんですが、特に尾根に生える木をご覧いただきたいです。細かい枝まで隅々見ることができます。

気軽に持ち出しにくいかもしれませんが、この描写を知ってしまうと何でもこの組み合わせで撮影してみたくなります。そして次第に他のカメラでは満足できなくなってしまうかもしれません。このレンズはズームレンズからの初めての単焦点レンズとしても、一番初めのレンズとしても使いやすいレンズです。この一本があれば、というレンズとなっています。この描写をぜひお楽しみいただければと思います。

いかがでしたでしょうか。
皆様のレンズ選びの一助となれば幸いです。




[ Category:FUJIFILM | 掲載日時:23年09月13日 17時00分 ]

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