【FUJIFILM】FUJIKINA 2019 東京 レポート
2019年5月25-26日、東京・晴海のイベントスペース「CROSS DOCK HARUMI」にて開催されたFUJIFILMの新製品イベント『FUJIKINA 2019 東京』のイベントをレポートいたします。
入り口で迎えてくれたのは筆で大きく書かれた“壱”と“億”の文字!今回のイベントは『GFX 100』の発表・発売を記念するイベントで、この文字は最も特徴的な性能である1億画素を表しています。
事前にWebにて来場宣言を行なっていれば、豪華景品が当たる抽選会に参加することができました。筆者はというと、プレス枠で入場したため抽選会に参加できず。プライベートで『X100F』を使用するXユーザーなのですが…。トートバッグが欲しかったなぁと悔やまれます。
受付を済ませると広々とした真っ暗なフロアに通されます。ここはムービー・スチルの公開撮影が行われており、フロア一つが巨大な撮影スタジオになっていました。大音量で音楽が鳴り響く中、海外のプロカメラマンが『GFX 100』を使用して踊るモデルをムービー撮影しています。臨場感たっぷりの現場の雰囲気にドキドキしてしまいます。
エレベーターで3Fへ上がると、フロア全体が『GFX 100』で撮影された写真が並ぶギャラリーになっていました。そこに置いてあったのはプロモーションムービーで使用された大型ドローンが!1億画素の中判デジタル機を空へ飛ばし、ムービーを撮る。すごい時代になりました。
開放感があって自由に観れるギャラリーは素晴らしい空間でした。
奥に展示してあった都市夜景のムービーは圧巻の迫力と美しさ。何周か見入ってしまいました。『GFX 100』のムービーは今までとは一線を画す画質表現です。
4Fへ到着すると正面にタッチ&トライコーナーがあります。そこに並ぶのは全て『GFX 100』!20台ほどデモ機があったので、その総額を想像するともの凄いことになりそうです。
早い時間帯に入場したため、待ち時間0分で『GFX 100』とご対面です!手に持った瞬間に感じるボディの剛性感がフラッグシップ機を思わせます。肌感ではありますが、使用されているマグネシウムの厚みが今までのXシリーズやGFXとは違う気がしました。わかりやすく例えるなら『Nikon D5』や『Canon EOS 1D X Mark II』に通ずる堅牢性の高さ。
右肩の液晶がより大きくなり、設定が一目でわかるようになっています。そして左肩にはムービーとスチルを切り替えられるスイッチが。従来のGFXシリーズと操作系が若干変更していますが、操作感は良好です。そしてムービーの切り替えをわかりやすくした点に『GFX 100』の新たな戦略が見えた気がしました。
背面下の細長い液晶など、まさにフラッグシップ機の証。それでいてボタン類はシンプルかつミニマルに抑えられています。ファインダーは現在最高峰の576万ドットEVF。背面液晶はタッチパネル対応の3.2インチ236万ドット液晶モニターです。
気になるバッテリーはGFXシリーズ互換のNP-T125を2個搭載。他のGFXと共有して使用できます。1個単位で予備バッテリーを揃えられるのもポイントが高いです。
使用機材:FUJIFILM GFX 100 + フジノン GF32-64mm F4 R LM WR
絞り:F4 | シャッタースピード:1/40秒 | ISO:400
室内のため感度を上げるのがセオリーですが、ノイズが乗るのも嫌だったためISO400に。手持ちギリギリと感じた1/40秒で息を止めてシャッターを切ります。その時驚いたのが5.5段分の手ブレ補正とフェザータッチシャッターです。
体感的にかなり強力な手ぶれ補正に加え、カシュッと軽く切れるシャッターは今までの中判デジタル機には無い感覚です。中判カメラはシャッターも大きくなるため、フルサイズ以上のシャッターショックが発生するのですが、『GFX 100』は『X-H1』の大型版といえばいいでしょうか、ほとんどショックを感じずに撮影することができました。
「1億画素をフルに生かすためには重量級の大型三脚でしっかり固定して…」というのはごもっともですが、『GFX 100』手持ちでもブレを最小限に抑える配慮がされているカメラです。
他にも会場ではメンテナンスサービスのブースがあったり。
ストロボ、マウントアダプターを扱う用品メーカーのブースがあったり。
実際にプロカメラマンが撮影テクニックを実演するプログラムが用意されていたりと、盛りだくさんの内容でした。
最後にこちらはトークイベントが行われていたブースから。内田ユキオ氏のイベントの一コマです。うーん、『X-S1』なぜなのでしょう??
正解は「そんなに先のことまで考えてなかったから」。
これだけ見ると「そんなオチかっ!」と思うのですが、よくよく考えるとその通りだったのだろうと思いました。
ここ10年で市場が大幅に拡大したミラーレスカメラ。ソニーがフルサイズミラーレス界を牽引し、ニコンやキヤノンがそれを追従する現状を10年前は誰も想像できなかったでしょう。フジフイルムもしかり、当初はFinePixシリーズで登場したX100を祖とし、レンズ交換式のX-Pro1の登場で大きく舵を切ったXシリーズは、今や他メーカーとは違う立ち位置で絶大な支持を得ています。そこから生まれたGFXシリーズ、そして『GFX 100』。今回のFUJIKINA 2019 東京を見て、フジフイルムが示すデジタルカメラの新たな指標が見えた気がしました。