【FUJIFILM】GFXシリーズヲ想フ
FUJIFILMFUJIFILM GFX seriesGFX100GFX100SGFX50S/50Rスナップ厳選アイテム
先日発売された「GFX100S」。「GFX100」に比べボディウェイトが約600gほど軽くなり、手ブレ補正機構は約6.0段分へと改良されるという魔法のようなカメラです。バッテリーは「X-T4」と同じバッテリー仕様になっているのですが、予備バッテリーがあれば少なくとも1日1000枚くらいのカットは撮れました。USB-C給電も可能なのでがっつりとした旅にも持ち歩けるようになっています。唯一といっていいほどのコストダウンとしてはファインダーが576万ドットから369万ドットに変更されています。付属のアイカップは「X-T4」と同じ仕様で、このアイカップは市販されているメーカー純正のアイカップより少し仕様が改良されているタイプです。もっと深めのアイカップが良い場合は変更するのもいいでしょう。
今回新製品に負けないカメラたち、というタグでご紹介させていただくのは1億画素の世界を切り拓いた『FUJIFILM GFX100』です。「中判にして小型」という謳い文句は「GFX100S」に譲る形になりましたが、フラッグシップ機にふさわしいグリップ感、堅牢性など最上位機種としての存在感は全く色褪せることはありません。今回は1枚1枚紹介するには少し地味だったり、自家現像したものなどをラージフォーマットセンサーの凄みを感じたカットのご紹介をさせていただきます。
1枚目はフィルムシミュレーション「クラシックネガ」と「フジノン GF110mm F2 R LM WR」のコラボ。前面にふんだんにコスモスを配置してボケを狙ってみました。「クラシックネガ」だけではこの淡い感じは出ないのでトーンカーブで暗部をやや持ち上げたり全体的に柔らかい雰囲気になるように現像しています。こうして自家現像をしている中で無茶な設定をかけようと思うこともあるのですが「GFX100」のデータ量のおかげか破綻してしまうようなことは滅多にありません。自分好みの世界を作り上げる方にとってもこの中判センサーは最高の組み合わせです。
日の入り方が綺麗だなぁと思って撮ったカット。
この斜めに切れ込んでいく影のトーンとタイルやカーペット、石造りの質感がそれぞれすごいよく伝わってくるなと感じました。
本当にそれだけで撮ったんですが、なんというか「自然美」「造形美」を見るとこのカメラは撮りたくなってしまうのです。
ちなみに、の話ではありますがRAWファイルのサイズ(非圧縮)が約200MB。JPEG(SUPERFINE)が約40MB。TIFF変換すると1枚のサイズが約600MBというとんでもない容量になります。ロスレス圧縮にすることでかなり容量は軽減されるのでストレージが不安という方にはそちらもおすすめです。スナップで使うならオススメのメモリーカード運用はRAW/JPEG分割です。2000万画素のRAWファイルでも約20MBほどなことを考えると中判のデータ量がどれほどすごいものなのかというのを改めて実感します。
雨の日のディスプレイ。雨の日は雨粒がアウトフォーカスになると大量の玉ボケになります。「フジノン GF110mm F2 R LM WR」の写りの良さが目を惹きます。これだけ前後に挟まれながらも被写体のピントもしっかり立っています。
「フジノン GF110mm F2 R LM WR」は本当に一切澱みがないボケ味です。Gレンズの中でも最も評価され愛されるレンズですが、写りを見れば納得の仕上がり。ポートレート撮影などでは被写体を引き立てる最高のレンズです。
この雨に濡れたじっとり感。個人的にはこの曇天の雨に濡れた葉っぱのリアリティがたまらないです。
ダークな世界観の中に僅かな光で鈍く光る葉っぱにこうも迫力があるのは中判センサーの懐の深さからきているのではないでしょうか。
新たに追加されて以来、多くの写真家達の心を掴んで離さないフィルムシミュレーション「クラシックネガ」。一言で言えば「ずるい」、ものすごく簡単に言うと「エモい」写真に仕上がります。面白いのはカメラがデジタル世代になり「高解像、高精細」な写りを求め続けてその理想を実現出来てきたからこそ、この古めかしく濁った雰囲気の写真がまた愛されるようになったのだということです。そういう意味では写真もファッションのように、流行りがあり周期があり、デジタルフィルムが混在する中で、多様な表現方法を個人個人が選ぶ時代がやっときたのではないかなと思っています。
フィルムシミュレーション「ETERNA ブリーチバイパス」を使用。実はあんまり使う機会のないフィルムシミュレーションなのですが、これ以外考えられない!と思うほどぴったりな画に出会う時もあります。いわゆる「銀残し」で個人的には渋くアダルトな仕上がりのフィルムシミュレーションです。蜘蛛の巣に見立てたきめ細かい綿の繊維まで見事に解像しています。
GFXシリーズだけが設定出来るマルチアスペクト「65:24」シネマ用のアスペクトをスチールでも活用出来るのはとても斬新で、画の作り方を一から考えなおす楽しさがあります。またこの縦の細さを活かした組写真なども面白そうですね、まさにシネマチックに物語性を含んだ作品が作れます。今回は詰め合わせ、という感じです。
これまでの写真は全て「GFX100」で撮影したものです。「GFX100」の長所は縦型グリップによるほぼ真四角な形状のボディ、堅牢性大型バッテリー2個によるロケ撮影時の強みではないでしょうか。小型であるという長所は「GFX100S」に譲りはしたものの、どうしても大きくなるレンズとのウエイトバランスはこの「GFX100」のほうが最適化されています。
これから載せる写真は「GFX50R」で撮影したカットです。
画素数は「GFX100」に比べると半分ほどの約5000万画素ですが画力に不足を感じたことはあまりありません。
長い期間1億画素に触れてしまい感覚が麻痺してしまっただけで約5000万画素というのはすごい画素数です。
「GFX50R」と「フジノン GF63mm F2.8 R WR」のコラボ。王道の標準レンズなのですが、中判の魅力を最も引き出せるレンズだと思います。
このレンズで数日本格的に撮ってみたいものです。
「フジノン GF23mm F4 R LM WR」35mm判換算約18mmというGマウントレンズの中でも最も広角なレンズで、広大な景色を撮るだけでなくスナップとしても面白いです。フィルムシミュレーションは「ACROS」。「ACROS」にはイエロー、グリーン、レッドのフィルター付きバージョンがあり、様々なシチュエーションにおいて好みのコントラストを選ぶことが出来ます。
「GFX50R」&「フジノン GF50mm F3.5 R LM WR」と「クラシックネガ」の旅情を感じる1枚。この組み合わせはマップカメラではオリジナルのセットも発売しているのですが、このセットは中判カメラを持っている感覚が全くありません。一人旅にふらっと出かけるのにぴったりな組み合わせです。撮れる画が変わる、楽しくなる、どこまでも行きたくなる、う〜ん好循環とはこのこと。画素数による圧倒的な解像感よりもセンサーが大きくなったことによる空間的な奥行きやボケ感の変わり様を楽しむのが中判カメラの何よりの楽しみ方かなとも思います。
「GFX100S」発売記念にと連載を始めた【FUJIFILM】Climb Mt.Fujifilm Day
全てをご紹介する前に発売日が来てしまいましたが、全てご紹介出来るまで続けますので良ければご覧ください。その頃には「ノスタルジックネガ」もご紹介できたらなと思います。
オンライン開催になった今年の「cp+」
マップカメラでも何か出来ないかなと、今回は「GFX100S」発売に伴い、旧機種のご紹介をさせていただきました。
次回はたっぷりと「GFX100S」について書きたいと思っておりますのでぜひご覧いただければと存じます。
【FUJIFILM】一億画素でクラシックネガが楽しめる!GFX100は最高の中判デジタルカメラ。
こちらも熱量たっぷりに「GFX100」のご紹介をしております。ぜひご覧ください!動画のクオリティが高いのでその内チャレンジする機会を狙っています。
「GFX100S」の小さなボディと機動性はとても魅力的で、スナップがメインの私にとっては最高の相棒ですが
「GFX50R」でも十分すぎる解像力をもっているので、「GFX100S」はまだ手が届かないということなら
まずは「GFX50R」で中判カメラを楽しんでみてはいかがでしょうか。
「GFX100」を選ぼうと思っている方は既にかなりの目的志向があると思うので改めて私がお薦めする必要もないのかなと思います。
もし、ハードな環境で撮影に臨むことが多いのならば、「GFX100」の堅牢性は必ずや信頼に応えてくれるでしょう。
それでは本日はこの辺で。
長文駄文、最後までお付き合いいただきありがとうございました。