昨年の12月某日、長野県の北部、横湯川の渓谷に位置する地獄谷野猿公苑に行ってまいりました。
ここは温泉に浸かる猿を観察できる自然のスポット。1年のほぼ三分の一が雪に覆われる厳しい環境の中、至るところに温泉の湯気が立ち昇ります。そのような光景から地獄谷という名が付けられたそうです。
そしてこの場所は、降雪の時期になると温泉に浸かる野生のニホンザルの姿を観察することができます。世界中の人々からは“スノーモンキー”という名で愛されています。
地獄谷野猿公苑は最寄りの「スノーモンキーパーク」から約30分ほど山道を歩いた先にあります。前日から晩にかけて雪が降っていた影響で、訪れた当日は見事な雪道となっておりました。
息をする度に白い煙が空を舞うくらいに低い気温の中、普段歩き慣れない雪道を歩いていると次第に汗が滲んできます。地面が氷づいている箇所もあり、想定よりも時間をかけ、ようやく目的地へ到着しました。
期待に胸を弾ませ敷地内に足を踏み入れると、たくさんの猿が視界の至るところで雪かきをしたり、座ったり、歩き回ったりしていました。
FUJIFILM X-T4 × XF 70-300mm F4-5.6 R LM OIS WR
カメラを構えながら猿をじっくりと観察してみると、キョロキョロとよく首が動き、突然その場から走り去ったり、とてもすばしっこい動きをしておりました。今回持ち出したX-T4の高速連写とXF 70-300mm F4-5.6 R LM OIS WRの高速なAF性能が非常に役立ちました。
望遠端の撮影でも、その解像力の高さを実感させられます。細やかな生え際から産毛まで1本1本の毛並みがしっかりと描写され、思わず感動いたしました。
この日、温泉に浸かる猿の様子を目にすることは叶いませんでしたが、猿たちは温かな湯気を囲い暖をとっていました。
温泉の近くまで近寄ってみると、もくもくとしたたくさんの湯気が立ち昇り、猿たちの体を覆っていました。
しばらく撮影を続けていると、ボス猿らしき風格の猿が登場。わたしも周りにいた観光客も思わず道を空けてしまうほどに、威圧感のようなものを肌で感じました。
別の場所ではまるでサムズアップをしているかのような子猿がいました。とても小さく丸くて可愛らしい背中をしていました。
撮影をしている最中、温泉の湯が沸き上がり、川のように流れる自然の水流音が耳に心地よかったことを、この動画を見返して思い出しました。動画ではカットさせていただきましたが、ときどきこの水流音に紛れて猿たちのキーキーという鳴き声も聞こえてくるのです。その声につられて振り返ると、厳しい猿の社会を目の当たりにすることも。
使用機材のX-T4とXF 70-300mm F4-5.6 R LM OIS WRの組み合わせは、5軸5.5段分の手振れ補正効果が得られるため、スチル撮影だけではなく手持ちの動画撮影時にもブレを抑えて撮影に挑むことができます。また動作環境が-10℃まで耐えられる耐寒性能と、防塵・防滴仕様により降雪の環境下でも安心して撮影に挑むことができました。
XF 70-300mm F4-5.6 R LM OIS WRのAFが非常に高速で、早く動き回る被写体に対しても瞬時にピント合わせをしてくれます。そのおかげでさまざまな猿の表情を捉えることができました。
またテレコンバーターXF1.4X TC WR(1.4倍)とXF2X TC WR(2倍)にも対応し、テレコン装着時の像面位相差AFにも対応しております。今回は猿との距離感も近くテレコンバーターを使用する機会はありませんでしたが、テレコン使用で最大914mmまでカバーしてくれるので、鳥や動物、飛行機や車、スポーツなど、望遠レンズを多用される方には小型かつ軽量に機材を持ち歩き、手持ち撮影が楽になるため非常におすすめです。
みなさまもぜひ、快適な望遠レンズを使った動体撮影をお楽しみください。
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