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【FUJIFILM】X-T4とX-T3の“違い”

2020年4月に発売され、その高い基本性能でカメラマンを魅了しているX-T4。

あらゆる面で前機種X-T3からの進化が期待できますが、その実力は如何程のものなのでしょうか。

X-T3とX-T4の両方にフジノン XF16-80mm F4 R OIS WR をマウントし、撮り比べしてまいりました。

是非お付き合いくださいませ。

 

~使い勝手について~

両方を交互に使って感じるのが、EVFの見やすさの違いです。

X-T3のファインダーも十分以上にクリアですが、同条件でもX-T4の方がより「生っぽく」見えます。

スペック的には両者とも全く同じはずですが、カメラを振った時の残像の出方(X-T3は残像が尾を引く感じ、X-T4は残像がすぐに収まる感じ)や、コントラストの違い(X-T3の方がCGっぽいコントラストのつき方をする)による差は比べれば判ります。

しかしながらX-T4のファインダーは彩度がかなり高く、設定で鮮やかさを最小値にしてもディスプレイとの色の差は相当なものです。PCやipadで鑑賞した時の色に近いのはディスプレイの方ですので、ファインダー撮影時の色味は参考程度にするのがお勧め。(因みに色相はそんなにずれていないと感じました。あくまで彩度が高いだけかもしれません)

 

機械式シャッターのシャッターショックについては軽減されました。

とても静かかつ品もよく、切っていて気持ちの良いものです。

しかしながらX-T3も素晴らしいシャッターフィーリングですし、単体で見ると凄まじい制振性能なので両者の差が実写でブレとして現れるほどのものではなさそうな気がします。

 

そして今回一番の目玉はやはりバリアングル液晶。ローアングルの縦位置撮影にはもはや必須です。

それ以外にも様々なアングルで大活躍!

軽い力で動かせるので微調整もしやすく、中途半端な姿勢で撮影するときの体の負担はかなり違います。

それに対してX-T3のチルト液晶は剛性感たっぷりで安心できますが、どうしても微調整がやりづらい。

一度体験してしまうとバリアングルなしではいられないほど便利です。

よく言われる光軸からのずれは全く気になりません。そういえば普段スマホで写真を撮る時もレンズの光軸とディスプレイはずれています。

 

 

~実写について~

まずは色味のチェックです。

どちらもPROVIAモードのAWBかつ、ISO、絞り、SSすべてA(オート)にしています(X-T4は3種類あるAWBのAUTOを使用)。

測光モードをどちらもマルチにしプログラムオートで撮っていると、どうやらX-T4の方がシャッタースピードが1/3段ほど早くなるようです。とは言えそう気になるようなポイントでは無いでしょう。

むしろ大きく違うのは色味です。

カメラ本体のディスプレイで見てる分には、X-T3は大分青く見えます。更にX-T4は黄緑が鮮やかかつ温かみがあるように見えましたが…。PCで見ても、ほぼ同じ結果になりました。

 

日陰で撮ってもやはりX-T4の方が温かみがあります。

 

画面内の大半を白と青が占めるようなシーンでは、大きな差となります。

 

一見同じような絵に見えますが、赤で囲んだ部分を交互にご覧ください。

風景撮影では青空と緑が重要なファクターとなりますが、X-T4は撮って出しで十分なカラーバランスと言えます。これはうれしい進化点です。

 

次はこちら。X-T4で新たに搭載されたフィルムシミュレーション「ETERNAブリーチバイパス」と、通常の「ETERNA」を比較したものです。

ブリーチバイパスはシネマルックな仕上がりが素敵です。

このフィルムシミュレーションは逆光で撮影するとモノクロと見紛う程渋い色になりますが、よく見るとカラー写真ということが解る。通好みのフィルムシミュレーションとなっております。

 

 

 

~AFについて~

空を滑空するトンビを、X-T3とX-T4を交互に使用し撮影しました。

AFは両機ともAF-Cの「ワイド/トラッキングAF」。レンズはフジノン XF16-80mm F4 R OIS WRの80ミリ限定です。

結論から申しますと、両者のAF性能はほぼ拮抗していました。

トンビを中央に捉えるようにカメラを振るとしっかりと追尾しますが、「カメラをあまり振らず画面内にトンビが収まるようにする程度」で測距点乗り移りに任せると途端にAFが見失ってしまいます。

近距離であれば左捻りこみのような複雑な動きや急旋回にもしっかりと追従するのですが、単純な横移動や前後方向の動きには弱いようです。被写体検出が終了してしまうことが多々ありました。

このくらいの距離であれば、ギリギリ追尾しますが…。

 

この距離では、ほぼ追えなくなります。

また、AFのケース設定もいろいろ試しました。

「急加速・急減速する被写体向け」を試すと敏感になりすぎてあらぬ方向へ…。

「障害物があるときや、フレームアウトしやすいとき」を使用すると、追尾中に木の枝や葉にAFが引っ張られることはなくなりますが、木のゾーンを通り過ぎて画面内が空とトンビだけになっても測距しなおしてくれず、AFが被写体を見失いました。

 

 

~高感度性能・タフネス性能について~

 

ドシャドシャと雨の降る夜、都内を撮影してまいりました。

カメラはかなりずぶぬれになりましたが、操作系には全く問題なく安心して使用できました。

(アフターケアが大変ですので、濡らすことはあまりしない方がよいかもしれません。)

 

暗所でのAFは中々具合がよく、よほどのことがない限り外しません。合焦速度もなかなかのものです。

悪条件にするために、ISO51200、f9、1/56という普通は使用しない露出設定をしています。

しかしながら素晴らしい高画質!ディテールも残っていますし、ネオンの色も狂っていません。

レンズに装着したフィルターに水滴が付いていても、AFはしっかりと決まります。

31ミリ(35ミリ換算46.5ミリ)でシャッタースピードは1/3秒です。それ自体はそこまでの物ではないかもしれませんが、このカットは傘を持った手でカメラも構えています。

恥ずかしい話ですが、「これならブレるだろう」と思ってわざと適当に撮影をしたのです…。

中央部を等倍でご覧ください。

 

全くブレていません。驚異的です。

こちらはISO4000でのカット。昨今のAPS-Cはこのくらいであればもはや常用ではないかと思えます。

右上部のモノレールレールに取り付けられたパイプの取付具まではっきり見えます。

肉眼ではほぼ真っ暗の木にフォーカスしましたが、AFも一発で決まっています。

嬉しくなったのでISO4000で撮影を続行しました。

少しでも光があれば、微細なディテールを描き切ってくれる。

夜撮りの心強い味方になれるカメラです。

 

 

 

せっかくなので、カメラ内多重露光も試してみました。どちらも加算平均で2枚撮影です。

 

 

合成で待たされるようなことはなく、サクサク撮影できストレスがかかりません。

プレビュー画面の見やすさも特筆もので、細かいところまで煮詰められたカメラだと感じました。

 

~高感度画質比較~

最後は室内での高感度画質比較です。

この構図で撮影したものを、等倍に拡大してみましょう。

まずはISO3200から。

 

どちらも十分な低ノイズです。

基本的にはX-T4の方がシャープネスの低下が少ないように見えますが、見るディスプレイによってはほとんど差が解りません。

あえて言うなら、デニム調の壁紙部分のディテールはX-T4が有利です。

次はISO6400です。

このあたりから決して少なくない差が出てきます。

最後はISO12800です。

6400の時よりは差が縮まり、誤差の範囲内に収まっているようにも見えます。

いずれにせよ十分な低ノイズ。「高感度は非常用」と割り切っていた頃から比べると、凄まじい進化です。

 

 

~最後に~

今回の撮り比べの感想は、「どちらも名機」。この一言に尽きます。

X-T4はT3より全方位で進化していますが、それによってT3が「時代遅れ」になった感じが一切しないのは驚きでした。

バリアングルが欲しい方はT4、チルトが欲しい方はT3という選び方もありでしょう。

これからもFUJI FILMのカメラから目が離せません。

[ Category:FUJIFILM | 掲載日時:20年06月17日 18時53分 ]

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