【Hassel blad】フィルム紀行(ときどき、奇行)①ぷらっと、ハッセル
妻が実家に帰ってしまった…
…なんて書くと、「すわ一大事!」となりそうですが、さにあらず。
今の住まいは、実家まで自転車で10分ほどのところにあり、洋裁の請負仕事を生業としている妻は、仕事用のミシンがある実家に毎日通っているのです。
まぁ、私が休みの日は家にいることが多いのですが、今回は期日が迫っているとかで、朝からご出勤…
そんな妻を見送った後は、仕方なくゴロゴロと惰眠をむさぼり、仕方なく朝湯につかり、仕方なく「昼間っからビール!」
(上の写真は、イメージです。 妻がちゃんと食事を用意していてくれたのですが、撮り忘れました。)
……典型的な「休日のお父さん(ダメな方)」を体現してみたりしました。
それでも時間を持てあましてしまい、「まぁ、天気もいいし…」と、愛機(言ってみたかった…)のハッセルを持ち出し、地元をぷらっと散策。
ハッセルブラッド 500C/M
言わずと知れた中判カメラの雄です。
初代 500C(1957年)の改良版として1970年に登場して以来、あまたのプロカメラマンにも愛用されてきた銘機です。
その後、503CX(1988年)、503CXi(1994年)、503CW(1996年)とモデルチェンジされてきましたが、500C から基本的なコンセプトは変わらず、最も長い期間生産された 500C/M は、ハッセルブラッド 500シリーズを代表する機種としてカメラ史に名を残しています。
今回は、その 500C/M に標準レンズのプラナー C80㎜ F2.8 を装着して出掛けることにしました。
交換レンズも、と思ったのですが、……まぁ、重いし… ぷらっとだし…
代わりに、接写用アクセサリーである「プロクサー」フィルターを持っていくことにしました。
「プロクサー」は、ハッセルで気軽に近接撮影を楽しむことが出来る、是非とも揃えておきたいアイテム。
「2m」「1m」「0.5m」の3種類があります。
これは 80㎜に装着した時、無限遠の位置が 約2m、1m、0.5m の撮影距離になることを表します。
上の写真は、自前のプロクサー 1m と 0.5m。
最短でどのくらいまで寄れるのかというと、こんな感じ。
(ちなみに、この検証は、ずっと以前のハッセルブログでも行ったのですが、結婚前のその時は、プレミアムモルツで行っていました…)
C80㎜ 近接アクセサリーなし(約90㎝)
C80㎜ + プロクサー1m(約56㎝)
C80㎜ + プロクサー0.5m(約44㎝)
やっぱり、念のためにプレミアムモルツでも…
C80mm + プロクサー1m
C80mm + プロクサー0.5m
何か、よく分かんなくなってきた…
……いい加減、出掛けましょう…
撮影時期は、6月上旬。
…えぇ、少し前です。 すみません、現像とスキャン、上の検証でちょっと時間が経ってしまいました。
今年は、ご存知のように花の時期が早く、この時期すでに街頭のアジサイが満開になっていました。
撮影地は、地元の大田区蒲田。
住宅地の間を細い路地が複雑に行き交っていて、10分も歩くと自分がどこにいるのか分からなくなります。
スマホの地図アプリで確認もできますが、せっかくなので迷子を楽しみます。
撮影は、前述の 500C/M + C80mmF2.8(フジフィルム プロビア100F・アクロス100)
近接アクセサリー なし
プロクサー1m 使用
「プロクサー」は、普通のクローズアップフィルターと違い、装着しても画質の劣化が少ないことが特徴です。
プロクサー0.5m 使用
前後のボケなども自然な感じに…
プロクサー0.5m 使用
最近、街中でもよく見かける「アナベル」という品種。 純白がきれいです。
プロクサー1m 使用
ここで、モノクロの「アクロス100」を装填したフィルムマガジンに交換。
ハッセルは、マガジンの途中交換ができるのがうれしいです。
プロクサー1m 使用
葉っぱの艶っぽい質感などは、モノクロのほうがよく出ます。
地元の氏神様。 「おなづか」と読みます。
標準レンズの画角では入り切りませんでしたが、5差路です。
このあたり、こういう入り組んだ道がいっぱいあります。
歩き回っているうちに、JR蒲田駅に到着。 駅ビルに入り、ちょっと寄り道してから屋上へ。
ここには、今ではあまり見かけなくなってしまった屋上遊園地があり、そして都内で唯一となった屋上観覧車があります。
平日の昼間、小さな子を連れたお母さんが何組かいるくらい。
その中に、ハッセルを持ったおじさんが1人… 気を付けないと不審者です…
「ツァイスブルー」の空に、カラフルなゴンドラが映えます。 そう、観覧車にしかカメラ向けてませんよぉ…
本当に良い天気。 日差しも6月上旬にしては強めでしたので、歩き回ってすっかり喉が渇いてしまいました。
そこで…
屋上に上がる前に、地下の食品街で調達してきました。 …やっぱり、不審者でした…
のんびりしていると、陽が傾いてきました。 吹く風も少し涼しく…
家に戻る道すがら、見事に手入れの行き届いた「アナベル」を…
プロクサー1m 使用
近接アクセサリー なし
家に着くと、妻が「ちゃんと」帰っていました。
「どこに行ってたの?」
「うん、ちょっと、ぷらっとね…」
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