【HASSELBLAD】『逍遥』503CXとPORTRA400
『逍遥(しょうよう)』とは、気ままにぶらぶら歩くこと、
いわゆる散歩です。
たとえば、天気の良い日に洗濯物を干していて、ふと出かけたくなり、ちょっとそこまで散歩をする。
こういったことを『逍遥』と呼ぶのだと個人的に解釈しています。
散歩よりも、ちょっとかっこいい存在です。
今回はHASSELBLAD 503CXを持ち出してみました。
レンズはCF80mm F2.8、フィルムはPORTRA400をチョイス。
晴れた海にはPORTRAが良く映えます。夏におすすめのフィルムです。
500シリーズの特徴は何といってもこのかわいらしい姿。
コロコロとしていながらもずっしりと金属の重みを感じるボディが手に馴染みます。
HASSELBLADのフィルムカメラを使うのが初めてだったため、レンズの取り外しの際やフィルム装填の「作法」に緊張しつつも楽しく撮影することができました。詳しい使い方は以下のページでご覧いただくことができます。
撮影に臨むときには必ずシャッターチャージを行ってからフィルムバックを取りつけましょう!
チャージ前に装填したフィルムバックを取り付けてしまうと、チャージ時にフィルムの巻き上げも連動してしまい最初の一枚が未露光のまま吸い込まれてしまうのです。
撮影できる枚数の少ないブローニーフィルムにとっての一枚は大変貴重ですのでご注意あれ…!
はじめは慣れない操作に恐怖心がありましたが、ウエストレベルのファインダーを覗き込むとそんなことは忘れてしまいました。
目の前の景色が凝縮されたような明るく見やすいファインダーのおかげで
つい夢中でシャッターを切ってしまう魔法のようなカメラです。
それでは写真をご紹介します。
今回は小田原 御幸の浜へ。
バイパスの下をくぐると海というすてきなロケーションです。
ぼーっと波を見ていると心が癒されます。
波のやわらかな泡がきれいに表現されています。
つい楽しくなりピントが…。
奥の山々にかかるかすみがきれいです。
海を歩くとき、漂流物を眺めるのも楽しみのひとつです。
碁石のようにつるっとした真っ白な石、変わった形の流木、ワカメ、シーグラスなど見ているだけでも海に来た価値があります。
防波堤へ打ち付けられる波を一枚。
手前の岩のシャープな質感、波の描写に目を惹かれます。
付近の案内版でテトラポットの周りは流れが不規則になるため危ないということを知りました。
撮影に夢中になり過ぎないよう注意を払うことが大切ですね。
突き出した防波堤から撮影。
たぷたぷと音が聞こえそうな雰囲気の一枚です。
ざぶんと飛び込みたい気持ちを抑えつつ
夢中になって海で泳いでいた幼少期を懐かしみながらシャッターを切ります。
日もそろそろ落ちてきそうな時間、名残惜しいですが撤収とします。
今回、6×6のフォーマットのなかでいかに景色を収めるかというのを考えながらの撮影はとても新鮮でした。
2本しか持っていかなかったフィルムに後悔を寄せつつ、また『逍遥』したいと思います。
今回使用したフィルムはPORTRA 400! 日差しの強い日には160もおすすめです。