【HASSELBLAD】X2Dは言葉を軽いものにする。
「HASSELBLAD X2D 100C」
1億画素の壁にまた一回り大きな風穴を開けたカメラです。もうそろそろ壁の外の空気すら感じられるほどに。
“ハッセルの1億画素”はどんな感じになるのかしらと、楽しみにしていたのも束の間で、
写真を一瞥して語彙が追い付かなかったことにじわり、冷や汗が滲みます。
いままでの機材も「圧倒的描写の」であるとか、「空気まで写る」などの表現で何とか伝えようと努力してきましたが、
今度ばかりはどうも一言で片づけられるほどのものではないようです。
ただ写るだけではない、当たり前のように写るうえに芸術的で、それでいて軽やか。
なんとか伝えねば… ではなく伝えます。ぜひ読み進めてください。
【HASSELBLAD X2D 100C + XCD 80mm F1.9】
1枚200MBのRAWデータは、ただ現像ソフトで開くのでさえ時間がかかります。
ある一枚の、通行人を写した写真、高精細に表示するには当然のように2,3秒のタイムラグ。
ふとパソコンから目を逸らす隙にパッと切り替わる画面、「ぞっ」と鳥肌が立ったのを覚えています。
視界の端の編集画面、そこに写った人が放つ「気配」によるものです。
いよいよ直感が写真を写真だと認識できなくなる領域に踏み込んだ気がします。
今までの言葉はもはや役に立ちません、大げさに言うつもりはないのでその目でお確かめください。
さて、最後にお話ししておかなければならないレンズがあります。
この度X2Dと一緒に発表されたXCD55mm、そしてXCD38mmについてです。
これまでに販売されているXCDレンズは問題なくX2Dで使用ができ、
またそれらレンズの描写力が目を見張るクオリティであることは間違いないありません。
ですが、新型のレンズは描写性能もさることながら、静音性も格段に向上しました。
試しに今回撮影に使用した80mmと、新型の55mmで比較をしてみました。
参考になれば幸いです。
比較すると80mmの音が大きく聞こえますが、これは静か過ぎる55mmの駆動音を聞こえるようになるまで
音量レベルを底上げしたからに他なりません。
一般的なフォーカルプレーンシャッターと比べると少し聞き馴染みがないのは仕方のないこと。
音の大きさだけで言えば通常のシャッター音と何ら変わりないのでご安心ください。
1億画素の到来。
素敵な布陣でお迎えします。