【Kodak】自分より年上カメラで撮ってみる
私の手元に来てから10年ぐらいになるカメラがあります。
どんなカメラかといいますと、
「コダック レチナⅠa」
1951年発売で、ボディ前面のレンズを繰り出して撮影する蛇腹カメラです。搭載されているレンズはシュナイダー製クセナー50 mm F3.5です。
レチナのシリーズは複数発売されていて、年代・型によって搭載レンズや細かい作りに変化があります。
手元に来てから10年とお伝えしましたが、たったの一度も撮影に使ったことがありません。ごめんなさい。
今まで、撮影に持ち出さなかった理由は目測カメラであることと、レンズが見事に曇っていたからです。
写真はピントをバッチリ決めたいので、被写界深度を使って遠景撮影する機会が来るのを待っていました。
さて撮影前、フィルムを詰める前にレンズを覗いてみます。
見事に真っ白ですね。
蛇腹の部分にも光を当てて、破れている箇所がないか確認します。
コンパクトになる反面、この蛇腹部分に穴が開いてしまっていると
詰めたフィルムが感光してしまいます。
二月のまだ空気が澄んでいる晴れの日と、三月の曇りの日に撮影しました。
ピントがバッチリ来た時の色の乗ってるこってりとした写りには驚きました。
日陰の撮影ではコントラストの高い写真が撮影できました。
日差しの強いシーンではやはりレンズの濃い曇りが影響して低コントラストで
いわゆる眠い写真になりました。
白黒フィルムの撮影だとまた違った印象になったと想像できます。
撮影してみて、やはり目測カメラの難しさはありますが、
場の光に合わせて絞り・シャッタースピードを都度考え、距離を設定してシャッターを切る一連のルーチンは
時間をかけても写真一枚に対する撮影者の考えが反映されている気がしてきます。
それにしても製造からの長い年月を考えると、十分すぎるほどの写りだと感じます。
クラシックな外観に写りも古風ですが、10年寝かしていても撮影できてしまうのは
カメラの作りとバッテリー不要の完全マニュアル機だからですね。
今回撮影に使用したフィルムはコチラ
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