フィルムで撮る写真にはデジタルには出せない空気感があります。
写真を見ていると、今まさに目の前に広がっているというよりも過去の情景を見ているという感覚が強く出て、見ていて懐かしい気持ちになるんです。
そんなフィルムで残したいのが日常の何気ないシーンなんですが、昨今フィルムの値段が高いだけでなく手に入りづらく、現像とデータ化の費用も高いことから気軽にシャッターを押すことができません。
フィルムカメラを使っていると良いシーンに出会っても後先のことを考えてしまい、そうしているうちにシャッターチャンスを逃してしまいます。
もっと気軽に使うことができないかと考え一時期はスマホのフィルムカメラアプリも試しましたが、やはりフィルムカメラで撮った写真には敵いませんでした。
そんな中ハーフサイズのフィルムカメラを探し始めてついに理想のカメラに出会ったのです。
その理想のカメラというのがKodak EKTAR H35です。
ハーフサイズのフィルムカメラなので、36枚のフィルムを使用すると72枚撮影できることになります。
ピント調節できるような機構は無く、F値9.5固定のレンズで1.5mより離れた位置にピントが合うようになっています。
ピント合わせをせずに、撮りたいと思ったものにこのカメラを向けてシャッターを押すだけ。
なんと気軽なカメラなのでしょう。
このカメラで撮影した写真がこちらです。
この2枚はミモザと河津桜が同時に咲いている場所で撮影しました。
このカメラはカメラを横に構えると縦構図で写真が撮れるので、自然と縦構図の写真が増えていきます。
ピントが甘い感じもまた良い雰囲気を出してくれています。
筆者は物体が規則的な影を落としているシーンを見ると写真を撮らずにはいられません。
影の濃さの具合もたまりません。
海の波紋が淡く写りました。
プラスチック製のレンズなので解像感は高くありません。
だからこそ記憶の中にある景色を見ているかのような表現になります。
改めて高解像度のカメラとレンズで写すことが私たちにとって重要か否か、再考するきっかけとなりました。
思いっ切り逆光で撮影すると特徴的なフレアが出ます。
写ルンですと似たフレアなので、写ルンですの描写が好きな方にはもってこいなカメラと言えそうです。
他にも撮影してきた写真がありますのでご覧ください。
いかがでしたでしょうか。
機能面でも経済面でも気軽に撮影できるフィルムカメラ、Kodak EKTAR H35の紹介でした。