夢中で写真を撮っていた学生の頃は有り余る時間のなかでたくさんの写真を撮っていましたが、
今ではフィルムカメラでじっくり写真を撮ることの方が多くなってきました。
自分の中での写真一枚の重みが変わったように思います。
そのなかでよく使っているLeica M4で生活を切り取るおもしろさについてしたためたいと思います。
少し前から『逍遥』と称してカメラを持ち歩きながらの散歩が趣味となりつつあるのですが、
何枚撮ったかによってどれだけの時間散歩したかがわかるため万歩計のようで便利です。
Leica M4 + ズマロンM 35mm F2.8 + Kodak PORTRA400
かわいらしい団地を発見、畑の柵越しに撮影しました。
フィルムカメラを使用していて感じることは、やわらかな光が当たった時の白の階調の豊かさです。
透き通るような色から少し濁ったクリーム色まで、現在のデジタル機とは違ったフィルム独特の色再現力がとても魅力的です。
Leica M4 + ズマロンM 35mm F2.8 + Kodak PORTRA400
首都高の下を通る国道246号線、物流のトラックやバスなど人々の暮らしに無くてはならない車が通ります。
車種は、眺めているだけで一日が終わってしまうほど豊富です。
あいにくの雨でしたが心折れずにこの日も散歩をしていました。
撮影に使っているKodak PORTRA400は晴れでも曇りでもお気に入りのフィルムです。
Leica M4 + ズマロンM 35mm F2.8 + Kodak PORTRA400
ふとした時に撮影した写真が思いのほか良かったりするものです。
「カメラを持ち歩き、いい場面に出くわし、それを撮影できる状況にある」というのは奇跡に近い事ではないでしょうか。
Leica M4は電池要らず、フィルムさえあれば写真を撮ることができます。
慣れればだいたい見えてくる絞りとシャッタースピード、
そしてこれまた慣れてしまえば簡単なレンジファインダーと使い込むたびに操作が簡単になっていきます。
どんな時でも自分の気持ちさえあれば撮影することができる素敵なカメラです。
Leica M4 + ズマロンM 35mm F2.8 + Kodak PORTRA400
すっと伸びた道の先に黄色い花が枝いっぱいに咲いていました。
後光が射すようにちょうど光が当たっていて目を奪われました。
前述のように、このような出会いの時にカメラを持っていないと非常に悔しいので荷物が増えることになっても極力カメラを持ち歩いています。
Leica M4 + ジュピター8 50mm F2 + Kodak PORTRA400
ざわざわとしている木
この日は風が強く、ゆれた木がとてもいい雰囲気のざわざわ感を出してくれました。
ざわざわ感を出すコツは1/60くらいのシャッタースピードで切ること。
脇を締めて撮れば手ブレは抑えられ、強い風が吹けば自然と被写体がブレてざわざわしてくれます。
ジュピター8 50mm F2は先輩社員にいただいた大切なレンズ、柔らかくも芯のある描写
Leica M4 + ズマロンM 35mm F2.8 + Kodak PORTRA400
また別日にすこし足を伸ばして小田原城の周りを散策。
小田原城といえば伊勢宗瑞(後の北条早雲)が小田原に進出し、
後の100年ほど北条氏の拠点として活躍したことで有名ですが、
小田原城の前身は室町時代に西相模一帯を支配していた大森氏が築いた山城でした。
現在の小田原城は天守閣などが再建されたものになりますが十分に歴史のロマンを感じる事ができます。
オーナーが変わるという意味では城郭も中古カメラと近いもの感じます。
Leica M4 + ズマロンM 35mm F2.8 + PERUTZ PRIMERA 100
日暮れ前に海も見ておこうと御幸の浜へ
夕日にかすむ山々がきれいです。
Leica M4 + ズマロンM 35mm F2.8 + PERUTZ PRIMERA 100
足元の砂利を一枚。
差し込んだ光が大変きれいだったということもありますが、お気に入りの一枚です。
石一つ一つの個性が際立つ感じがします。
感度100のフィルムの細やかな描写、そしてレンズの豊かな階調があってこその写りだと思います。
Leica M4 + ズマロンM 35mm F2.8 + Kodak PORTRA400
陽のあるうちにフィルムを使い切りたいですが、
あと数枚というところで残ってしまった時には己の不動力を信じてその日の夜に撮りきってしまうこともあります。
こちらはぎりぎり許容範囲というところ、脇を締めて足から根をはるようにエイヤーと撮りました。
Leica M4 + ズマロンM 35mm F2.8 + Kodak PORTRA400
スナップ写真での個人的なこだわりは「花のようなもの」を見つけることです。
きれいな花を見つけた時のような「ときめき」を大切に写真を撮っています。
そうしてできあがった写真を見ると心が癒されます。至福のひと時です。
フィルムカメラユーザーの方もそうでない方も、
気分が晴れない時、気分転換にカメラを持って散歩してみると面白い出会いがあるかもしれません。