のぼる朝日は靄を帯びて、
窓からのぞく歩道は白く歪んでみえます。
鼻をすする声と軽快な足音が入り混じる街は
少し早めの春の訪れを感じさせます。
皆様いかがお過ごしでしょうか。
この度はライカブティック
7周年にあやかりまして
7枚の御手と少しのおまけを
撮ってまいりました。
またお付き合いいただけると幸いです。
さて、いきなりで大変恐縮ですが
皆様はなぜ、何の為にカメラを持ち
写真を撮るのでしょうか。
日々の記録として。証拠として。
或いは仕事や趣味。芸術、所有感。
答はひとつとは限りません。
それは理想であり、自らの表現であり、
撮る手持つものによって
まったく別の世界を描くものです。
私の根本は自身も含め
誰かの”記憶”として残りたい。
それを望むのは簡単で、
またいざ撮るとなると話は別で。
しかしそれはひとえに誰かにみて欲しい、
感じて欲しいというある種の声なのでは
ないでしょうか。
この両の手でどれだけを掬えて、
どれほどが零れてしまうのでしょう。
それでも。そうだとしても。
私はここにいる。
どうかあなたの目にも焼き付いて。
私はそう、願うように巻き上げて
詠うようにシャッターを切る。
今日も相棒である暗箱に36枚の実弾を詰めて。
7枚目。実は用意しておりません。
この記事を読んでくださっているあなたに
ぜひ撮っていただきたいと存じます。
どうかあなたの声を。あなたの詠を。
さて、この度はここまで。
短く永いお付き合い、
誠にありがとうございました。
ここらで筆を置かせていただきます。
どうかお達者でありますよう。
では御手を拝借。
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