【Leica】ぼくらのズミクロン日記Vol.2 ~Apochromat~
We are summicron!!
この連載は、マップカメラライカブティックのスタッフそれぞれがズミクロンへの愛を語るものです。
1954年に発売され、その性能の高さと描写力で世界のレンズ設計の基準を引き上げたとすら言われるLeicaレンズのレジェンド、ズミクロン。
今ではライカMマウント以外にも、Rマウント、Lマウント、Sマウント等様々なズミクロンが存在します。
十人十色ならぬ十本十個性の色々なズミクロンに対し、様々な角度でスポットを当てていきたいと思います。
Leica SL(Typ601) + APO-SUMMICRON SL 50mm F2.0 ASPH.
ss1/320 F2.0 ISO100
お届けします第2回は『Mマウントレンズの頂点』とも呼べるあの1本にしよう、と思っていたのですが…先日Leica SL用のアポズミクロン50mmを試す機会があり素晴らしい描写にすっかり虜になってしまいました。
というわけで第2回はKasyapa for Leicaでもお届けいたしました「アポズミクロン SL 50mm F2.0 ASPH.」でお送りします。
このレンズが気になっている皆様、きっと作例見足りないですよね???
まずはショーウインドウのマネキンを一枚パシャリ。
深緑のコートにカラフルなワンピースが印象的ですが、ガラスを一枚隔てた状態でも前後の関係性が見える分離の良さと色が濁ることなく描写するのはさすがの一言。
Leica SL(Typ601) + APO-SUMMICRON SL 50mm F2.0 ASPH.
ss1/6400 F2.0 ISO100
Leica SL(Typ601) + APO-SUMMICRON SL 50mm F2.0 ASPH.
ss1/250 F2.0 ISO100
通常のレンズであれば葉のエッジの部分に嫌な緑や紫が見えてきそうなものすが、全くその気配がありません。
白は白く、しかし色々な白が写ります。そして色滲みがない事で画としての立体感がより感じられるようになります。
Leica SL(Typ601) + APO-SUMMICRON SL 50mm F2.0 ASPH.
ss1/8000 F2.0 ISO100
Kasyapa for Leicaの方でも紹介されていた水辺の写真の別カット。
水底のタイルにも光が反射してかなりギラギラとしたハイライトが生まれていますが、こちらもなんのそのといった感じです。
被写界深度が欲しかったのでもう少し絞るべきだったか…と感じてはいますが、決して「もっとシャープネスが欲しいから」とか「色滲みが気になるから」といった理由ではありません。そう感じた事に後から気付いて、このレンズの根源的性能の高さに感嘆しました。
またボケ味もピント面を抜けた所から急激に崩れていくのではなく、ゆるやかに拡散していく滑らかさを持ち合わせています。
Leica SL(Typ601) + APO-SUMMICRON SL 50mm F2.0 ASPH.
ss1/320 F2.0 ISO100
ゴーストが綺麗だったり、フレアが綺麗だったり、ボケが独特だったりと光を捉える楽しみ方も様々ですが、ここまで懐が広くどんな光も気持ちよく掬い上げてしまうレンズはなかなか珍しいのではないかなと思います。
Leica SL(Typ601) + APO-SUMMICRON SL 50mm F2.0 ASPH.
ss1/640 F2.0 ISO100
光と影が織りなす世界を一粒残らず捉え、今そこに在るものを克明に描けるレンズ。
“レンズの味”が介在せず、心地よいLeicaのトーンと共に一枚ヴェールを取り払った純真無垢な写真を楽しめる一本。
シンプル故に奥が深い、これもまたLeicaレンズのレジェンドであると感じるのでした。