オペレーション・ノクト!
今回、光栄にもライカM(Typ240)にノクティルックスM50mm F1.0(フード組み込み)のセットで撮影する機会を得ましたので、そちらのレポートを綴ってみようと思います。
巷で言われているように、レンジファインダーだとノクティルックスのピント合わせは難しいのか。ずっと気になっていた疑問に真正面から挑む良い機会です。
なお、全ての写真は一切の編集を加えていないjpegとなります。
それではどうぞ。
まずはピント合わせが難しいと言われているファインダー像を見てみましょう。
このレンズ、かなり大柄ですのでご覧の様にケラレが発生します。ですがこれはこれで、「撮るぞ!」と気合が入る出で立ちです。
さて、簡単にレンズの紹介を。
ノクティルックス(Noctilux)の「NOCT」とは、‘夜’を意味し、圧倒的な明るさを誇るレンズであり、従来は不可能であった夜間の撮影を可能にした偉大なるレンズです。
そんなレンズですので、ファーストショットは夜の写真と決めておりました。
素通しのファインダーは非常に明るく、ピント合わせも容易に行うことが出来ました。
このレンズと、M(Typ240)の高感度性能があればもう夜など敵ではありません。
ここからは日を変えて街中スナップを。
以降のカットは全て絞り開放、つまりF1.0です。
今回初めて気が付いたのですが、スナップ撮影では開放を使用できる機会が意外と多いのです。
暗い日陰や路地裏はもちろん、ちょっとした日陰と明るいところが混じったようなシーンでも案外普通に撮れてしまうなと感じました。
しかし当日は晴天下でしたので、ISOを100にしても露出オーバーになることがままあります。
そういった場合でも独特の艶やかな描写とドリーミーさが相まって雰囲気は上々。収差の残し方が佳く、良い方向に働いているようです。
M型のデジタルライカは、基本的に1/4000秒までしかシャッタースピードを選択できないのですが、これならば全く問題ありません。
筆者は今まで色々なレンズを使用してきましたが、50㎜で開放f値1.0というスペックは初めて。
ボケ量やピント面の解像なども含め、全く未知の領域でした。
「知らないもの」は「たのしいもの」。
シャッターを切るたびにドキドキできたのは久しぶりで、カメラを始めたばかりの頃こんな風にワクワクしながら撮っていたっけなあ…。
と懐かしくなってしまいました。どうやら少し歳をとったようです。
撮影日は猛暑だったので、首の後ろとおでこに冷却シートを張り付けて撮影しました。いやあ、本当に暑かった・・・。
そんな中で気がついたのですがこのレンズ、空気の「ヌメリ」を表現するのが大変上手いように感じるのです。
むっとする暑さと、真昼の重さ。
夏の白昼夢の様に曖昧になりがちな「世界と自分の境界線」に気付かせてくれる描写が、ノクティルックスの魅力なのかもしれません。
「何が何でも開放で撮影する」という意地を貫いた今回、そのせいで絞りリングの操作感をチェックするのを忘れてしまいました・・・。
このクラスのレンズは、フィーリングも重要なステータスですのでちょっと後悔。
高嶺の花ではありますが、いつかは手にしてみたいものです。
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