毎年少しずつ早まっている様に感じる桜の開花。そして桜が終わるとチューリップや藤、ツツジと順に春の花が見頃を迎えます。
例年の感覚からツツジの見頃はゴールデンウィーク頃と予想していたらこちらの開花も早まっていたようで、名所である根津神社に足を運んだ時は既に花のピークは終わっていました。
一見綺麗に咲いているようにも見えますが、よく見てみると萎れている花も結構あります。
なるべく目立たないようにカメラの向きを調整するものの全てを排除することは困難でした。こういう時ばかりはよく写りすぎるカメラも困ったものです。
花の少なさを補うため、根津神社のもう一つの名物でもある千本鳥居を一緒に収めてみると大きなボケが鳥居にうまく視線を導いてくれ、綺麗どころだけが目立つようになりました。
大きな木の影でまだ綺麗に花が残っている株を発見。ここぞとばかりに新機能の近接撮影を楽しみます。
近接と開放による大きなボケには毎回驚かされます。
千本鳥居の途中で狛狐を発見。35mmという広い画角を活かして鳥居もツツジもまとめて詰め込んでみると、初夏を感じさせる暖かい日差しが木々の隙間で玉ボケとなって現れました。
玉ボケの輪郭が少々太いようにも感じますが、日陰と日向の温度差まで綺麗に描いています。
日陰に残る花と鳥居を撮影。ライカを使っていると少し影のある写真の方がしっくりくるから不思議です。
上野の科学博物館にも立ち寄ってみました。
と言っても私の目的は展示物ではなく建物の方。旧本館と呼ばれる建物は築90年の歴史を持ちその上部は吹き抜けドームとステンドグラスで装飾されています。
このステンドグラス越しに差し込む淡い光とそれを補うかのように吊るされた照明が白いドームに幻想的な影を落としている情景が好きで、気になるレンズを手にすると試し撮りによく訪れていました。
ズミルックスデビューから3回目の撮影にして今更感もありますが、どうしてもここでも試してみたくなったのです。
大口径レンズならではの周辺減光が目立ちますが、四隅までしっかり白壁の模様を描いているのが分かり、解像力は相当のものがあると再確認できました。
そして歪みを一切感じさせない綺麗な直線は気持ちよさも感じさせます。
花の時期を見誤ったため少々物足りなさが残った撮影でしたが、本レンズの凄さは十分伝わりました。
被写体までの距離次第で開放から隅々までシャープに捉えたり、大きなボケが楽しめたりと様々な表現が可能なズミルックス。近接が可能になったことでこの表現方法の幅がグッと広がりました。
フットワークも良く構図の自由度が高い35mmはまさに万能レンズで、万能すぎて逆にどう撮ってよいのか迷うことしばしば。難しいけど楽しいレンズです。