本日ご紹介するMapTimesで使用した機材こちら。
Leica (ライカ) SL(Typ601)
SIGMA (シグマ) Art 24-70mm F2.8 DG DN(ライカSL/TL用)
普段はM型デジタルライカ、Leica (ライカ) M10-Dを愛用する筆者ですが
オートフォーカスの使える、レンズ交換式「フルサイズ」デジタルライカを使用したら
いったい何を感じて何が変わるのか、そんなことをお伝えしたいと今回は臨んでおります。
どうかお付き合いください。
過去にLeica (ライカ) M10-Dで撮った写真はこちら。
Leica (ライカ) SL(Typ601)は2015年11月28日に発売され、まもなく6年が経とうとしていますが
2400万画素CMOSセンサー、ローパスフィルターレス機構を備えたカメラで
440万ドットのEVFを搭載。この辺りは今でも見劣りしないスペックに驚かされます。
どんな世界を見せてくれるのでしょうか。早速写真を見ていきましょう。
※写真は全てRAW現像を行なっています。
ISO1250 70mm F5.0 1/60秒
ISO500 54mm F5.0 1/50秒
室内でテーブルフォト。なんとなしに撮ったのですがこの時点で既に良い雰囲気があります。
窓から入りこむ光と湯気が嫌みなく写し出されています。
健康的な発色も好印象です。
Leica (ライカ) M10-Dにはご存知の通り背面液晶が付いていないので、ライブビューでの撮影ができません。(スマートフォンアプリやビゾフレックスを活用すれば可)
どちらの写真もレンジファインダーでは比較的苦労する被写体なのですが、EVFにオートフォーカス、しっかり活躍してくれています。
ISO50 24mm F4.0 1/40秒
ボートの底、差し込む光とその曲面の美しさにため息が漏れてしまいそうです。
レンズのポテンシャルの高さも然り、センサーとの相性も良いのかもしれません。
今回、撮りはじめはほとんどが絞り優先モードでしたが、夕刻以降薄暗くなってくる頃から
ISO感度とシャッタースピードのバランスに余裕がない印象を受けました。
この場面ではもう少しISO感度を上げても良いので、シャッタースピードを早めてくれると安心できるなと感じました。
そのあたり、筆者にとってはカメラの考え方と向き合って使用していくというのも楽しみの1つです。
マニュアル露出も使用しますが、気軽に撮りたい時にダイアルを都度回すのはできるだけ避けたいものです。
ISO500 32mm F2.8 1/60秒
HDR調なRAW現像にも耐えられました。
この環境下でこの水面の描写、とても心強いです。
ISO400 70mm F5.0 1/2000秒
ISO400 63mm F2.8 1/5000秒
ISO400 66mm F3.2 1/400秒
ここからISO400に固定、シャッタースピードだけオートで撮りました。
つぼみや花びら、葉脈まで安心して見ていられるほどの安定感があります。
逆光に弱いという印象はありませんが、変な光が入ってこない様に撮影時点で気をつけています。
前ボケはふんわり可愛らしく好印象です。
後ろボケ、遠景は比較的違和感ないですが、背景が近いとすこしざわついた印象があるので
背景とボケの処理には気を使った方が良さそうです。
それにしてもピント面の解像感が明快で気持ちが良いです。
風に揺られる被写体をM型ライカ、レンジファインダーで撮るのにどれだけ骨がれることか…
ISO400 70mm F5.0 1/1000秒
ISO400 43mm F8.0 1/320秒
ISO400 46mm F7.1 1/640秒
ズームレンズは画角を微調整出来るのが嬉しいです。
意識していないとどうしても望遠端、広角端の2択になってしまいがちなので
中間の画角を活かせるように日々勉強、日々精進しています。
ISO400 55mm F7.1 1/1600秒
筆者個人の感想としてはこういったコンクリートや金属などの質感を撮るのに非常に向いている様な気がします。このレンズ。
前半の写真と比べても明らかに押しのパワーに違いを感じられます。
丸みのある金属の表面、クラデーションやテカリ具合などとてもかっこよく描写できていると感じます。
撮っている被写体はM型ライカを使っている時とさほど違いはないものだなと、
振り返ってみてとてもよくわかりました。
ただその中でも撮りやすさ、撮りにくさというものはどちらにもあり、
絞り開放で撮らない場合、慣れてしまえばレンジファインダーの方が早いかもしれません。
撮影環境によってはどうしてもオートフォーカスが迷ってしまう場面もありますから
そういった場面でもレンジファイダー(マニュアルフォーカス)は安定感があります。
一方オートフォーカスという強力なアシストとEVF、背面モニターですぐさま確認しながら
楽しめるというのは本当に大きなメリットだなと、改めて心が揺らぎました。
ISO400 54mm F4.0 1/125秒
最後に人物、人肌の作例写真も入れておきます。
とても扱いやすいRAWデータで、それが1番印象的でした。
カラーバランス、肌のつや、質感。凝ったRAW現像は必要ありませんでした。
ピント面は非常にシャープで、瞳やまつ毛の存在感がそれを物語っています。
ライカSLを使って感じたこと、変わったこと
オートフォーカスは便利であるということ。
明らかにシャッターを切るペースが早くなりました。
じっくり被写体と向き合いゆったり撮っていく、M型ライカから教えてもらった楽しみ方の1つですが
利便性を活かしシャッターチャンスを増やしていくというのもまた楽しみ方の1つだと再認識しました。
撮れるもののバリエーションが増えるというのは非常に強く感じました。
それはレンズとの組み合わせも含めてのことです。
M型ライカ(レンジファインダー機)にはその機構の性質上
ズームレンズがありませんから、今回はズームレンズの楽しさやありがたみを感じる場面が多かったです。
そして何か変わったのか、いいえ特に変わることはありませんでした。
少なくとも選ぶ被写体は滅多なことがなければ機材基準ではなく本人の感性の部分が大きいようです。
故に普段との比較ができ、機材や写真、自分と向き合う良い機会になりました。
今回も最後までお付き合いいただきありがとうございました。
それでは本日も素敵なカメラライフをお送り下さい。
ISO400 33mm F2.8 1/1250秒