【Leica】利便性を兼ね備えた、強靭な限定モデル
前回絞り優先オートで撮影可能なレンジファインダーカメラを取り上げました。
そして今回はライカM型。そして唯一の電子シャッターを備えたM7のご紹介ですが…一味違ったモデルです。
以前も紹介があったと思います。このM7チタニウム。2004年にM型ライカ50周年を記念して発売されたこの限定モデル。
「M7ってどんなカメラ?」という部分を踏まえて、このカメラを今一度お考え頂けると幸いです。
そもそもM7は2002年に発売されたモデル、18年前…という部分を「新しい」と捉えるか「もうそこまで経ったのか」と思う人は様々。
但しやはりライカM型でも唯一無二。むしろハマる人はもうこれしか…!という人も多い魅惑のカメラなのも確かです。
実際に使ってみると余りの手軽さに、ついつい持ち出したくなる愛らしさを感じます。
よく見るとあります、”AUTO”の文字。絞り優先オート使用時に合わせて、あとは絞りを変えればカメラがやってくれる。
ライカといえばマニュアル露出で基本撮影する事が鉄則ですが、このM7はライカでありながら利便性を兼ね備えた1台。
ライカならではの巻き上げフィーリングや「コツッ!」というやや硬いけど、ちょっと可愛いシャッター音は筆者もお気に入りのポイント。
実は他社の同様モデルと大きく異なる部分として、1/125と1/60は機械式シャッターでの動作になります。
つまり電池が切れてもこの2つの速度でなら撮影可能な所は非常にありがたい所。特にこの2つはスナップ写真では意外と使う速度。
伝統的なノウハウがここにも活かされていると思うと、「流石はライカ」と想いを馳せてしまいます。
MADE IN GERMANYという誇らしい刻印に目が行ってしまいがち。ですが下のダイヤル部分をご覧ください。
ISO設定に加えて露出補正も可能です。実はDXコードというフィルムにある黒と銀の部分を読み取ってISOを自動で設定してくれたり。
なんとも便利。他のカメラでは当たり前…と言われてしまうと返す言葉がありませんが、ライカのM型でここまでできる事は当時大きな衝撃を
もたらしました。同時にやはり電子制御という部分は非常に賛否が分かれていたのも事実。そしてKonicaやVoigtlander、Zeiss等からも同様の
機種が発売された事もあり、使用感の好みなどで幅広い選択肢がありました。
話を戻してこのチタニウム、50台限定のレンズ3本+ボディのセットと今回ご紹介している500台限定のレンズ1本のセットが存在します。
3本セットはこのチタニウムボディにSummicron M28mm F2.0 ASPH.とSummilux M50mm F1.4 ASPH.
そしてAPO Summicron M90mm F2.0ASPH.を揃えたセットと非常に豪華な組み合わせ。
そして今回のボディとレンズ1本のセットに採用されたのはSummilux M50mm F1.4 ASPH.
現在でも生産され続けているライカの50mmの主軸となっているレンズ。ズミクロンとは違う繊細でしなやかな描写は説明不要な程に
「ズミクロンか、ズミルックスか」という位初めてライカを手にする時は1か月は悩んでしまう中、このセットはズミルックスが選ばれました。
つまり悩む必要もなく、まずはズミルックス、とりあえずズミルックス…と言えてしまうのも贅沢。
鈍色のチタンカラーは、その質感と堅牢さを象徴するものとして持つだけでも頼もしさと好奇心をくすぐられる。
ライカとなればその実感は一層強いものになるに違いない。値段は勿論高価とはいえ、この実感は持つ人のみに与えられた特権と
言っても良いでしょう。
このM7、長い間生産されていたロングセラーモデルでしたが、2018年に生産完了。
実は生産完了のアナウンス後、M7の人気が再燃し最近では在庫数も少なくなりました。
理由としてはやはり「気兼ねなく使える手軽」なライカとしてフィルムカメラを新たに始めたい方に最適な1台なのが大きい印象です。
その中でもこのチタニウム、ライカ50年の歴史を背負ったモデルとして特別な1台。是非ご検討下さい。