最近雑誌にてライカが大きく取り上げられた事もあり、
店頭に雑誌を見て興味を持ちご来店頂く方も多くなっております。
如何にライカというブランド、そして作られる製品の数々とその写真達が魅力溢れるものか
その大きさを実感します。
近年になりライカの”伝統”を強く感じさせたのはズマロン M28mm F5.6が発売された時です。
元々スクリューマウント時代に僅かに生産された通称「赤ズマロン」を現代に甦らせました。
そして第2弾として発売されたのが今回ご紹介する「タンバール M90mm F2.2」です。
少し前までは知る人ぞ知るレンズとして有名であったこのタンバール。
ライカレンズの中でも屈指の異色レンズとも呼び声が高い一本。
従来の90mmレンズとしても使用可能ですが、「センタースポットフィルター」と呼ばれる
フィルターを装着する事によりソフトフォーカスレンズとしても使用可能になります。
大きな特徴としては開放にすればするほどソフト効果が強くなります。
まるで白昼夢。従来のレンズには無い幻想的な描写を思いのままにお楽しみいただけます。
今回使用したボディはM Monochrom(typ246)。
組み合わせとしてはベストマッチとも言える仕上がりを見せてくれました。
センタースポットフィルターを使用すると先ほど述べたソフト効果の他に
バブルボケが発生します。点光源等が背景にあるとリング状のボケが騒がしくなり、
使用時には背景の処理をいつも以上に考えて撮影が必要になります。
オリジナルのスクリューマウントのタンバールは個体差も大きく、
実際に当時はどの様な写りであったのかは最早想像の域になってしまいます。
今回の復刻されたタンバールは製造としてはやはり新しいレンズである為、
筆者が思っていたよりもピントの芯がしっかり残ります。
此所は好みが分かれる部分。そしてオリジナルのレンズがどの様な写りなのか、
新たな誘惑が生まれます。そういった意味でも「魔性のレンズ」とも呼べます。
今回はスナップで使用してみました。
本来ならばポートレートに使うのが実感しやすいのですが、スナップに於いても
この復刻タンバールの魅力の片鱗が伺えます。
日が落ちてきたタイミングで使用する事と気分は最早クラシック映画。
ソフト効果を強調しても気品の高さがしっかり存在するのは「流石ライカ」と唸らせる。
ロケーションもクラシックな場面で使用すれば時を超えて1950年代に。
一度ハマると病みつきになる凄みがあります。
やはり使用する際にこのタンバールは撮影者の技量と感性が試されます。
しかし使いこなせば手放せなくなる「最高の一本」になってくれるのは間違いありません。
通常使用しているレンズとは違う「決めの一本」として2本目としても最適です。
貴方もこの魅惑の描写に酔いしれてみませんか?
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