季節の花が美しい時期になりました。
私は鉄道が好きで、よく路線図を眺めているのですが、以前から東武野田線に気になる駅がありました。
「藤の牛島駅」です。牛島という地名の頭に「藤の」という冠が付いているわけですから、さぞかし有名な藤棚があるに違いないと思い足を運びました。
駅の改札口を抜けると「牛島の藤、駅より徒歩10分」の看板が。
予想どおりだったとは言え、駅名にもなる藤とはどれほど凄いのか? 自然と早足になり10分もかからず藤花園に到着です。
入園料と引き換えにもらったチケットの裏面の案内には樹齢は1200年余と記されています。今から1200年前となると平安時代と推測される訳で歴史は凄そうです。
園内には大きな藤棚が3つ。それぞれ古いものから樹齢1200年、800年、600年と記されており、気候変動が騒がれている昨今でも、これだけ見事な花を咲かせる生命力の強さに驚かされます。
樹齢1200年の古木の根本は枝が複雑に絡まっており、どの方向に伸びているのか追うのも難しい状態です。園内に置かれたパンフレットには、藤棚の面積が700平方メートルに及んでいると書かれており、成長の歴史を感じます。
花房も長く、丁度目線の高さにある花からは鮮やかな紫色に加え香りも楽しめます。
頭上からは初夏の強い日差しが差し込みますが、藤棚がそれを和らげとても過ごしやすく感じ、しばらく佇みたい気持ちになります。
樹齢800年の木も綺麗な花を咲かせていましたが、日当たりの差などもあるのでしょうか? 1200年の木と比べると気持ち花が少ないように感じます。年を重ねると徐々に弱ってしまうイメージがある生き物ですが、ここの藤は老いてなお盛んなようです。そもそも藤の木に寿命があるのかも知りませんが…
園内の一角に花房の短い花を見つけました。ダルマ藤というそうです。他の藤と比べると赤みも強く、ダルマという名がピッタリです。
撮影を終え帰路につきます。
藤の牛島駅の隣駅、春日部駅で乗り換えの際、急行列車の停車駅を確認しようと案内板に目をやると有名なアニメキャラクターが。
春日部が舞台だったのは知っていましたが、駅構内まで進出しているとは知りませんでした。アニメの世界と歴史ある藤の花。驚きだらけの休日となりました。