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【Leica】散歩するライカ ② M11にズミルックス M35mm F1.4 ASPH.とノクトン 75mm F1.5 VMを添えて

【Leica】散歩するライカ ② M11にズミルックス M35mm F1.4 ASPH.とノクトン 75mm F1.5 VMを添えて

ある日、ひとり留守番…
普段は家で仕事をする妻だが、時々打ち合わせのため出かける。今回それが私の休日と重なった。

そして、ひとり留守番。
外は爽やかな秋晴れ、絵に描いたような青空が広がる…
…仕事の妻には悪いが、やはり出かけるとしよう。

軽く近所を巡る程度だから… その場にいない妻に心の中で言い訳をしながら家を出る。
いや、違うな。カメラバッグの中身を見れば、撮影への本気度がうかがえるというもの。

今回のお供は、Leica M11にSummilux M35mm F1.4 ASPH.とVoigtlander NOKTON 75mm F1.5 Vintage Line Aspherical VMという組み合わせ。
ズミルックス 35mmは9月30日に新モデルが発売になり、今回のレンズは生産完了がメーカーから告げられている。とはいえ、ついこの前まで現行だったモデル、写りの良さは折り紙付き。
ノクトン 75mmはF1.5という大口径ながらコンパクトにまとまっていて、取り回しの良さに定評のあるレンズ。
レンジファインダー機を持ち出す時は、標準50mmと広角28mmという組み合わせが多いのだが、今回は自分にとって珍しいセットになった。さて何を撮るか?

気がつくと電車に乗っていた。
東京の南、神奈川に接するあたりに住んでいるが、ほぼ23区を縦断。JR駒込駅に降り立った。
そこから歩くことしばし…、しばし…、あれこんなに遠かったっけ? と思いながら辿り着いたのは「旧古河庭園」、何かのニュースで秋バラが見頃と出ていた。

園に入るとすぐ、有名な洋館が出迎えてくれる。そこが丘の上となっていて、その前の斜面に広がる洋風庭園。ニュースの通り、見頃を迎えたバラが咲き誇っていた。

さっそくカメラを取り出し、まずは洋館の周囲から。

Leica M11 + Summilux M35mm F1.4 ASPH.

大口径ゆえ、絞り開放にすると背景がボケ過ぎてしまう恐れもあり、F4まで絞って撮影。
日差しが強かったので、花が白飛びしないように1/3段ほどマイナス補正も。
合焦面の緻密な描写はさすが、色乗りは少しコッテリ気味。いや、実際の色もこれくらい濃かったのだろうか。私の眼の方が強い日差しの影響を受けてしまったような気がする。

 Leica Summilux M35mm F1.4 ASPH.

さらにもう1/3段マイナス補正をかけて。
合焦面の浮き上がり方がすごい。人の眼以上に風景を劇的に捉えてくれる印象。
古いズミルックス 35mmは、背景が流れるようなボケになることで有名だったが、現代のレンズはちゃんと形を残してくれる。とはいえ、ちょっと油絵を思わせるような独特なボケ感、それが一層合焦点にスポットを当てたような効果を生み出している。

同じところをノクトン 75mmでも。

 Voigtlander NOKTON 75mm F1.5 Vintage Line Asherical VM

こちらは露出補正なしだが、より色乗りが濃く出た。やはりF4まで絞っての撮影。
望遠レンズの圧縮効果により背景が迫って見える。ノクトンの方がざわつきの少ない自然なボケ味になった。

Voigtlander NOKTON 75mm F1.5 Vintage Line Asherical VM

ピント合焦面の浮き上がりは感じられるが、背景のボケがズミルックスより自然なためか、そこまで劇的な印象ではない。緻密でありながら描き込まれ過ぎていないといった感じ。

周囲の人は皆ひとつひとつ品種名をチェックしながら鑑賞しているようだ。特に「プリンセス・ミチコ」は大人気。
夢中で撮影している私のそばを、皆口々に「ああ、これがプリンセス・ミチコ」「ほらプリンセス・ミチコだよ」と唱えながら過ぎていく。妻と一緒だったらきっと私達もその仲間入りをしていただろうと思うが、ひとりだと… うん、全くと言っていいほど名前が入ってこない。ただ写すのみ…

Voigtlander NOKTON 75mm F1.5 Vintage Line Asherical VM

これだったと思う…

洋館前でひとしきり撮影を愉しんだ後、ようやく階段を下り庭園に。
庭園から見ると、やはり洋館の美しい佇まいに目を引かれる。

Leica Summilux M35mm F1.4 ASPH.

大口径レンズをつけるとついついボケ味を意識するような撮影ばかりしてしまうが、こんな風景撮影でもズミルックスの緻密な描写は堪能できる。
バラの撮影からそのまま上にカメラを向けたので、絞りはF4かF5.6だったと思うが、それでも奥の樹々まで乱れなく精緻に描写。
そして何よりクリアな発色。洋館の壁や屋根、木々の葉の細かな色の違いもひとつひとつ判別できる。
6000万画素のカメラとの相性の良さを感じさせてくれる。

さらに撮影を続けていると、白いバラの上に何やら緑色の物体が…、カマキリのような虫発見!

Leica Summilux M35mm F1.4 ASPH.

今回お供のズミルックス35mmは最短撮影距離70cm(新モデルはなんと40cm!)、やはりアップは難しい。アップ目で撮りたい時はノクトン75mmということに。

Voigtlander NOKTON 75mm F1.5 Vintage Line Asherical VM

最初ファインダーを覗いてピント合わせをしていたが、上手く眼に合わせることが出来ず… 背面液晶画面でのライブビュー撮影に切り換え。それでもレリーズの瞬間にずれてしまったりで、結局8枚くらいシャッターを切ったうち成功は3枚… この手の撮影の時は外付けファインダーのビゾフレックスが必要かと。

Voigtlander NOKTON 75mm F1.5 Vintage Line Asherical VM

タイトルの写真はズミルックス 35mm、こちらはノクトン 75mmで。どちらにもひとりバラの撮影を愉しむオジサンの影が…

Leica Summilux M35mm F1.4 ASPH.

爽やかな秋晴れと言ったけれど、午後の日差しはかなり強く暑いくらい。
現代のレンズでも、光線が入るとフレアやゴーストは致し方なし。光源の玉ボケも盛大に出た1枚。

Leica Summilux M35mm F1.4 ASPH.

逆にそれを活かして(?)、こんな写真も。
好天の中、満開のバラに囲まれ浮かれちゃうのもしょうがないか。

洋風庭園脇の坂道を下ると、今度は立派な日本庭園が広がる空間に。

Leica Summilux M35mm F1.4 ASPH.

中央部の葉の輝きを強調したくて、1/3段マイナス補正を。
肉眼では眩しくて暗部に何があるのか判別できない状況だったが、カメラは細部まできちんと再現してくれた。よく見ると池の向こうに人影と水面に映るその姿まで。

Leica Summilux M35mm F1.4 ASPH.

Voigtlander NOKTON 75mm F1.5 Vintage Line Asherical VM

Voigtlander NOKTON 75mm F1.5 Vintage Line Asherical VM

75mmだとファインダー内のフレーム枠は結構小さいが、その分風景を切り取っている感が強まる気がする。

Leica Summilux M35mm F1.4 ASPH.

戻るため坂道を上がる途中、さっきは気がつかなかった茶室を発見、草の合間から。
ファインダーを覗いている時は、遠いし何が写っているか分からなくなってしまうと思ったが、撮れた写真はこんな感じに。
前ボケの乱れがうるさくなりすぎず、むしろ程良く中央部を強調する形に。

洋風庭園から日本庭園まで、趣の異なる空間を存分に堪能。旧古河庭園だけでかなりの時間を費やしてしまった。
そろそろ引き上げようかと洋館脇を通ると、さっきより赤みを帯びた陽光がバラを照らしている。
まだカメラは仕舞えないようだ…

Voigtlander NOKTON 75mm F1.5 Vintage Line Asherical VM







気になる新モデル・復刻版は、こちら。





[ Category:Carl Zeiss & Voigtlander etc. Leica | 掲載日時:22年11月20日 18時30分 ]

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