【Leica】私のライカライフ ~focus!~
2月20日にライカブティックMapCamera Shinjukuはオープン6周年目を迎えます。
今年も多くのお客様に一緒に6周年をお祝いいただけるよう、様々なイベントを企画しておりますのでどうぞお楽しみください。
さて、その一環で始まりましたライカユーザーによる「私のカメラライフ」ですが
第2回目は本館地下スタッフAがお届けいたします。よろしければ最後までお付き合いください。
私は日ごろ、佳い光だと感じた物やシーンをより印象的に記録していく事に楽しみを見出しています。ではそんな楽しみの中にライカはどう溶け込むのか、今回改めて思い返した時に他の形式のカメラには無い要素がひとつあります。
それは「ピントなんて合ってなくても良いんだ」と思わせてくれるところです。
一眼レフでオートフォーカスに頼っている時や、ミラーレス一眼で拡大表示まで使ってピントを追い込んでいると、ちょっとしたピント抜けで「ああ、失敗作品だ」と感じてしまう事が少なくありません。もっと言うとピントが合っていると確信するまでシャッターを切る事すら出来なくなってしまうことがあります。これが「ピントの呪縛」です。
これが不思議な事にライカだとこの呪縛から解き放たれるのです。レンジファインダーというピント合わせ方では己の鍛錬で精度を高める事は出来ても、メカニクスの構造上2重像を見ながら百発百中を決めるのはそう容易ではありません。
しかし、ピントとはそういうモノだと思えてしまう事で、何が何でも合わせなければという呪縛から解放されます。ファインダーで構図を切り、その向こうに流れる時間を見ながら「撮りたい」と感じたタイミングでレリーズ出来るのです。
実は早速ですが、この写真ピントが合っていません。奥へ歩き行く女性に合わせたつもりだったのですが、それよりも手前に合焦してしまっていますが、絵全体の纏まりが良いなと感じたのでご紹介いたしました。
ところで今回はLeica M Monochrome(Typ246)と宮崎光学から新たに発売されるSonnetar 73mm F1.5で撮影した写真と共にお届けしています。
先代Sonnetar 50mm F1.1同様にSonnarタイプを採用した大口径レンズでありながら、超軽量コンパクトかつシンプルなレンズ構成を採用した中望遠単焦点で、なんとその重量197g!
1枚目にあるように絞りを開けた状態での描写は滲みを伴ってシルキー、そしてうっすらとフレアのヴェールを纏いながらも像がぐしゃりと乱れることはありません。残存している収差のコントロールが上手なのでしょう。ボケ味も大変スムースです。
敢えて無限遠で絞りを開けてみましたが如何でしょう。M Monochromeの豊富な階調表現が助けている部分もあるとは思うのですが、同様にフレアを伴いミッドからシャドウにかけての美しくなだらかなトーンを描き出します。程良いヴィネットも作画の良いスパイスに。
最後にもう一枚。筆者は撮影した写真を家に帰ってからPCに取り込み、セレクトを行うのですが、今までの撮影であれば「ピントが合っていないから」という理由で間違いなくセレクトから弾かれていた写真です。ライカを使い始めるまで、写真を撮るという行為においてどこか息苦しさを感じることが少なからずあったのですが、きっとピントを合わせることに対しての苦しさだったのだろうなと今振り返ると感じます。
その呪縛から解放されてより純粋に「写真を撮る」という行為に臨めるようになった事が、ライカで撮る事の一つの醍醐味であり魅力なのだなと思います。
あなたもライカ使ってみませんか。
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