【Leica】雰囲気のあるヴェールが魅力の銘玉をご紹介
ライカスクリューマウント(Lマウント)で初めの1本におすすめのレンズをご紹介致します。
『ズマール L50mm F2 クローム』。
ズミクロンやズミターの前身となるレンズで鏡胴のビルドクオリティが高く普段使いにも最適なコンパクトなレンズです。
順光でも逆光でもオールドレンズならではの雰囲気が楽しめ愛用したくなるレンズになると思います。
撮影した写真は全てLeica M11と、このレンズで絞り開放、JPEG撮って出しになります。
午後2時ぐらいに撮影した1枚。画面左手側から光が差し込み水が落ちた場所を優しく写します。
ありふれた景色ですがレンズの力でどことなく神秘的な雰囲気がただよってきます。
布の生地の細かい部分や松の1本1本も繊細な描写で解像しています。
非球面レンズを使用した現代的なレンズほどバキバキにならずLeica M11の解像力と上手く相乗効果が出ていると思います。
前ボケと後ボケの描写です。花にピントを合わせ画面奥側の後ボケを見てみました。
オールドレンズらしいうずまき状のボケが楽しめます。
Leica M11のカラー設定(フィルムモード)は全てスタンダードで撮影していますが
JPEG撮って出しでも目でみたままの自然な色合いが出てくるのでレタッチいらずです。
モノクロのスタンダードモードで撮影。画面左手側の駅の描写にご注目下さい。
筆者がズマールの描写で一番気に入っている写りになります。デジタルでここまで雰囲気のある写りをするのかと驚きました。
Leica M11モノクロームと組み合わせたら更に階調豊かな写りをするのではと期待してしまいます。
正面に太陽や人工的な光源などがない順光のシーンでは色乗りが良く適度にコントラストのある写りをします。
ピントは画面中央で絞り開放なので周辺光量落ちはありますがそれもまた味になっています。
1枚目は真正面からあえて太陽に向かって撮影した写真です。気持ちがいいくらい盛大にフレアとゴーストが出ています。
ズマールは6枚の絞り羽根のため絞り込むと六角形のゴーストが写りこみますが開放の場合、虹色に縁取られたきれいな円形になります。
2枚目は半逆光のシーン。フレアが画面にアクセントをつけ急激に細くなる道に人が吸い寄せられるようなイメージを狙いました。
戦前に作られたレンズながら現代のカメラで使用しても十分にその写りを楽しめるズマール。
魅惑のヴェールに包まれる時間はまだまだ続きそうです。