『逍遥(しょうよう)』とは、気ままにぶらぶら歩くこと、
つまりは散歩です。
たとえば、天気の良い日に洗濯物を干していて、ふと出かけたくなり、ちょっとそこまで散歩をする。
こういったことを『逍遥』と呼ぶのだと個人的に解釈しています。
散歩よりも、ちょっとかっこいい存在です。
今回は Leica M4とズミルックス M35mm F1.4 2ndを『逍遙』に持ち出しました。
フィルムは最近まとめ買いをしたFUJIFILM PRO400H。独特の青みが特徴です。
揺れるバスの中、友人の側頭部を前ボケに拝借しました。
絞り開放では独特の滲みが楽しめるレンズです。透明感を残しつつもふんわりとした描写が楽しめます。
押しボタンの赤い光が滲んで幻想的な雰囲気を醸し出しています。前ボケの中にもディテールが残り、画角の隅々まで楽しめるレンズであると感じました。
バスを降り外へ、今度はF8程度まで絞って使ってみます。
開放の描写とは違ったパキッとした印象です。開放でも絞っても違った良さを味わえるレンズであると言えます。
飛行機を見つけると嬉しくなります。フレーミングも忘れてとっさに撮影した一枚。ギリギリ35mmに収まりました。
このレンズには無限遠のロック機構がついているものとついていないものがあります。筆者は断然無限遠ロック機構搭載派です。
F8で無限遠にロックをすると約5mより遠くであれば全てにピントが合います。昼間のスナップで近くの物を撮影するつもりでなければ、ひとまずロックをかけておくことが多いです。シャッタースピードを気にしつつ35mmのフレームを予測すれば後はシャッターを押すだけ。スナップ撮影が捗ります。また、パチパチとロックを操作するのも心地よく気に入っています。
高速道路を上から見るのは新鮮です。夕暮れ時、息をぐっとこらえて撮影しました。
かなりアンダーになってしまいましたが、フィルムならではのざらつきが素敵です。
暗所から光源にかけてのなだらかなグラデーション、今回使ったPRO400Hとの兼ね合いもあり淡く透き通るような青い描写に心打たれます。
フィルム時代のレンズをフィルムカメラで使うという事は、今ではとても贅沢な事かもしれません。
撮影に手間がかかり、ランニングコストもデジタルカメラと比べると高くなってしまいます。
しかしフィルムでしか味わえない面白さがあり、筆者は止められません。
日常を記録する媒体として、これからもフィルムカメラと逍遙をしたいと思います。