【Leica】 魅惑のフレームファインダー
光学系を含まないフレームのみで構成された、動体撮影用の簡素なファインダー。
『RASAL』
1930年代、バルナック型ライカ用に供給された、所謂スポーツファインダーです。
今となっては、実用というよりは、コレクターズアイテム。
バルナックライカに長玉を付けて動きモノを撮る方はなかなかいらっしゃらないでしょうから・・・。
中古カメラ屋さんの片隅に、ぽつんと佇んでいるのが常です。
しかし、こういったアイテムにこそ機能美が凝縮されるというもの。
折りたたんだ状態は携帯性に優れます。
展開するとファインダーらしく。
奥に見えている覗き穴に接眼して、フレーミングを行います。
凄いのが、フレーム部分を回転させることにより、対応する焦点距離の切り替えを可能にしている点。
例えば、接眼部との距離が遠い(6.4cm)時に50mmに相当する外側の枠にご注目下さい。
半回転させて接眼部から近く(約4.5cm)なると、35mm相当の枠に見えるようになっています。
上から見ると判りやすいですね。
接眼部との距離が遠い状態。
ぐるっとフレーム部を回転させます。
そしてこれが、近い状態です。
アクセサリーシューに取り付ける“足”の部分がニッケルなのもたまりません。
これは初期のブラックペイントだけの特徴ですね。
フレーム下部、同じくニッケル・・・鈍い輝きの板バネが、フレーム部切り替えのストッパー。
このストッパーの突起がはまる時の感触が、なんとも絶妙なんです。
被写体との距離によるパララックス補正もちゃんと備えています。
35/50/73/90のフレームを含んだ本体『RASUK』と105/135の差し込み式フレーム『RAMET』
上記の2つを組み合わせた状態を『RASAL』と呼びます。
1933年当初は別々に販売されていたようですが、途中からセット販売に切り替わった為、
新たな製品コードが割り振られたのでしょう。
銀象嵌を見ながら、当時のレンズに思いを馳せるのもなかなかにロマンがあるもの。
Elmar Summar Hektor Mountain-Elmar…
象嵌はライカのロゴにいたるまで、綺麗な状態で残っていますね。
2度の大戦を乗り越えた、82年前の品物。
なかなかこの状態は出会えませんよ。
皆様のお問い合わせ・ご注文、心よりお待ちしております。