【Leica】240と歩む 1
これはM(Typ240)を購入し、のんびりと歩いていくお話です。
カラー写真用として新しくLeica M(Typ240)を迎え、初めての遠出です。
レンズは手持ちの物を使おうかとも思いましたが、迷った末にLight lens lab M35mm F2、通称周八枚をチョイス。
50mmはM3に任せ、0.68倍という少しゆとりのあるファインダーで世界を広く写していきたいと思います。
以前使った際にレンズの特徴は把握したので、その魅力をライカボディでも引き出せるよう頑張ります。
夜明け前のごく短い時間をブルーアワーというようです。夕暮れ時のマジックアワーは知っていましたが、知らないだけで何にでも名前がついているのだなぁという思いを強めました。
潤んだような滲みとその中に隠されたシャープなピントが非常に好印象です。
35mmというフレームに慣れず、きょろきょろと辺りを見回してはシャッターを切ってみることの繰り返し。
レンタカーに乗った時にミラーの位置を調整するような、新しい靴を履いた時にソールの硬さを確かめるような、そんな手探りの感覚も楽しみの一つです。
開放で撮影しましたが、被写体から背景まで全体的に被写界深度内に収まってくれています。
無意識にアンダーに振る癖がありますが、たまに気がついたようにオーバーに振ることもあります。
適正露出での撮影はほとんどしていないかもしれません。
筆者が純粋にアンダー気味の写真が好きだというのもありますが、M型デジタルはオーバーが飛びやすいというのも理由の一つです。
白飛びされると後編集で戻すのが非常に手間なので、可能な限りハイライトを飛ばさぬよう普段は暗め暗めに撮っています。
オーバーに振った事で差し込む光が木の優しい色味を強調してくれています。
何気なしに撮った一枚。
後から見返すと柔らかい光の中にほんの少しだけ虹色が混じっています。
手すりは光を受けて淡く滲み、上部は収差で崩れかけています。
いかにも古いレンズで撮りましたと言わんばかりの一枚。周八枚の実力です。
少し絞ってあげればキリッとした表情を見せてくれます。
空の色はパステルさが岩肌の荒々しい雰囲気との良い対比になってくれています。
ブルーアワーから始まり、最後はマジックアワーでお別れです。
雲の立体感、空のグラデーション、小波の輪郭。どれもが素晴らしいです。
35mmという画角を通して見る東北は、今まで見てきた50mmのそれとはまるで違うように見えました。
広いものをより広く写し、家で現像しているとその場の全てを持って帰ることが出来たような感覚になります。
しかし、広いだけにフレームに不必要な物が写っていることも多く、自分の至らなさも痛感しました。
50mmはM3に任せ、暫く35mmをつけて楽しんでみようと思います。