これはM(Typ240)を購入し、のんびりと歩いていくお話です。
今回はまたも京都へ。
京都といえば歴史ある街並みや荘厳な寺社ですが、水の街という印象が強いです。
琵琶湖疎水、鴨川、宇治川、桂川。かつて都として栄えたのは水道が整っていたという要素もあるのでしょう。
今回はLeica M(Typ240)にNikon Nikkor-S.C 50mm F1.4の組み合わせ。
Nikon Nikkor-S.C 50mm F1.4、ご存知でしょうか。あまり有名なレンズではありませんが、アポ・ズミクロンM35mmや新型ズミルックスM35・M50mmの70cm(距離計連動範囲)より寄れるレンズの先駆けと言っても過言ではないシステムを組み込んだレンズです。
開放ではふんわり、一段絞ればかっちり。1本で2度おいしいレンズでもあります。
詳しくはこちらからどうぞ。
今回は全ての行程をランニングで行おうと思っていたのですが生憎の雨。おとなしく公共交通機関に頼ります。
盆地らしく雨が降る前にじっとりとした空気が辺りに漂います。
その空気感をしっかり写しとってくれるのが本レンズ。
敢えての開放でふんわり感を。
貴船に来るのは数年ぶりです。
雪の貴船に遊びに行きたいと思ってはいるのですが、冬の間は休みの度に新潟で登山とスキーをしているのでなかなか京都へは足が向かず…。
苔は経てきた年月を表すような気がして階段の端々で背筋を正しています。
全体的に開放では甘さが目立つレンズですが、決して解像していない訳ではありません。
奥に見える門にピントを合わせましたが、にじみの中にしっかりとピントがきています。
F2.8まで絞ると一気にシャープに。
ボケ味は素直で、絞りによって様々な表情を見せてくれます。
このレンズをつけてから緑がかなり主張してくるように感じます。
ニコンの魂でしょうか・・・
F1.4とF2の比較です。
F1.4ではハイライトが飛んで全体的にやわらかな印象です。
対してF2では全体的にきりっと引き締まり、色ノリも良くなっています。
周辺減光もF2でかなり改善されます。F1.4とF2だけで十分に楽しいレンズです。
雨は降ったり止んだり。
盆地なので夏は暑く冬は寒い、梅雨や雨の日には湿った空気が充満しています。
そんな季節の空気感を強調したような土地が好きで、年に1度はどこかの季節で行くようにしています。
難しいレンズだなぁと独りこぼしながら市中を散歩。
デジタルライカに買い替えてから一気に編集頻度が下がり、基本的に撮って出しで運用しています。
色はカメラ様が判断した物をそのまま楽しみ、露出と水平出しだけたまに触るかな、という程度。
いつか露出も水平もばっちりと出せる日が来るのでしょうか。
気が付いたら雨が止み、夕日が顔を出していました。
鴨川沿いは新歓の学生、家族連れ、散歩中の方々で賑わっています。
よく河川敷沿いをサイクリングしますが、ここまで市民の憩いの場となっているのは鴨川だけではないでしょうか。
開放で撮ろうと思いましたが、少し迷ってF2で撮影。
逆光を入れたのでF2でも少しふんわりとした雰囲気が残っています。
それでいながら周辺部の松や男性はしっかりと写り、狙った通りの画になってくれました。
最後は盆地京都を囲む山々と、日暮れのグラデーションをM(Typ240)の繊細な諧調で。
最近はSummilux M35mm F1.4 2ndがお気に入りでしたが、久しぶりに50mmを使うと少しブライトフレームが小さいのが気にかかります。
次の散財はレンズになるのか、マグニファイヤーになるのか、はたまたボディになるのか。
旅路はまだ続きます。