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【Leica】A Piece of PREMIUM COLLECTION – MP 0.72 & Summicron 35mmSpecial Set –

【Leica】A Piece of PREMIUM COLLECTION – MP 0.72 & Summicron 35mmSpecial Set –

MapCameraで取り扱う中古品の中で、流通数や生産数が少ない希少品や限定モデルなどに与えられる名称、「PREMIUM COLLECTION」。

本シリーズでは、A Piece of PREMIUM COLLECTIONと称し、そんな製品たちを一つずつ紹介いたします。

第五弾は、Leica MP 0.72 広角セット シルバーをご紹介いたします。

よく知られた MP 0.72のアンスラサイトとよく似た構成の本セットは、いったいどのような製品でしょうか。

 


 

Leica MP 0.72 (2003年発売)を語る前に、MPについて詳しく説明しなければなりません。

MPという機種が最初に登場したのは、1956年のこと。いわゆるバルナックライカとM3初登場の間で揺れ動く時期の中、既にバルナック IIIf向けに存在した「ライカビット」を、M3の報道向けモデルをさらに公式改造し、取り付けられるようにしたものが、のちに細かい仕様変更を経て「Leica MP」として発売されました。

つまり、当初のMPはM3の派生機のようなものとして登場しました。仕様としては、セルフタイマーがオミットされているほか、フィルムカウンターの方式がこののちに発売されるM2と同等となっていることなどがあげられます。

ちなみに、MPの「P」とはプロフェッショナルの意とのことで、以降のライカのM型カメラでしばしばみられる「-P」といった名称の先駆け的存在ともなりました。

このMPは後年発売のMP 0.72と区別するため、「MP オリジナル」などと呼ばれることが多く、流通数が非常に少なく大変貴重。

 

更に半世紀ほどの時を経て2003年、同じ名前を冠した新型MPが登場することとなりました。

このMPは1999年に発売した「M6 TTL」を、いわば「M3風」にモディファイしたモデルで、M4時代からある、プラスチックの指宛が施された巻き上げレバーや、斜めの巻き戻しクランクが、M3の形状に近いものに換装され、トップカバーも亜鉛ダイキャストから真鍮製に変更されています。

当時はファインダー倍率も0.58倍、0.72倍、0.85倍とあり、現在は0.72倍のみが現行品として販売されています。

ちなみに、新型MPからさらに露出計を取り除いた「MP Classic」なるものも、中国の現地代理店から企画・販売されたりもしました。

そのほかにも、オリジナルを忠実に再現したMP-3や、新型MPと同じくM6をベースに各種パーツにオリジナルMPを意識したものを配したMP-6などもあり、とにかくMPと名の付く派生モデルはもりだくさんとなっています。

 

 

また、同じ名前を冠してはいるものの、「オリジナルMP」に装着されていた「ライカビットMP」は、M2やM1には装着できますが(M3は不可)、M4-2以降の機種、つまり「新MP」には装着できませんので注意が必要です。

M4-2以降の機種には、「ライカビットM」が適合します。そんなライカビットMは、なんとこの度復刻発売が発表されました。お求めの方はこちらから。

 


 


 

さて、1980年以降から2000年代前半にかけては、前述の通りLeicaからはあまたの限定モデルが世に送り出されてきました。

この時代の製品として重なっているM6、M7、MPなどは特に限定モデルが複数あり、全て覚えるのにも一苦労です。

ライカカメラAG(ドイツ)が主体となって作成したものあれば、ライカカメラジャパンや、さらにその前の国内代理店であるシーベルヘグナー、そしてあまたの海外の販売拠点限定のモデルが世に送り出されています。

 

MP 0.72の限定モデルの一つで比較的有名なものに、「MP アンスラサイトセット」というものがあります。

これは、2003年モデルのMPと、特別な外装の「ズミクロン M35mm F2 ASPH.」、さらに新型MPに対応した「ライカビットM」がセットになったもの。

R9に用いられた表面処理を応用した外装となっており、日本限定 600台というごく少数の販売が行われました。

アンスラサイトとは、元来はろ過フィルターの一種で、炭素含有率90%以上の無煙炭を粉砕し整粒したものを指すそうです。

実際に表面処理にこの言葉の通りの意味の物が施されているのかは分かりませんが、名前の通り独特で美しいチャコールシルバーカラーで、現在も人気があります。

また、同梱レンズの特別外装というのは、中身としては第四世代と同等なものの、外装が「ズミクロン M35mm F2 8枚玉」風の独特なものとなっており、なかなかの存在感があります。

このレンズは、アンスラサイトと、後述のセットのほか、レンズ単品としてはM型ライカ誕生50周年を記念したモデルとして400本国内流通限定販売も行われました。

 

長い前口上となってしまいましたが、そして今回冒頭のLeica MP 0.72 広角セット シルバーのご紹介に参ります。

 


 

Leica MP 0.72 広角セットは、新型MP 0.72と、アンスラサイトにも同梱された特別外装の「ズミクロン M35mm F2 ASPH.」がバンドルされたセットでした。

ただし、はめ込み式のレンズフードはアンスラサイトカラーのものからブラックのスリットフードに変更されています。

 

 

また、アンスラサイトに同梱されていたような「ライカビットM」は同梱されておらず、通常のベースプレートが付属しています。

このセットに関する情報はアンスラサイト程多くはないですが、おそらく過去にライカ製品の国内代理店事業を行っていたシーベルヘグナーのもとで、企画、販売されたものであろうことが推測されます。

したがって、海外などのライカ系の情報を取り扱っているアーカイブなどではその情報が確認できないものですが、製品流通コードが存在していたことから、間違いなく代理店もしくはメーカーが展開したセットとなっています。

MPのオリジナルはありませんでしたが、せっかくなので源流となったMPと、ズミクロン8枚玉と並べてみました。

フードがスリットタイプだったので、IROOAではなく12585のフードを装着してみました。

こうしてみると、随所にオリジナルへのリスペクトを感じさせる仕様となっています。

 

幻の8枚玉風ズミクロンと実用に適したMP 0.72のセットは、MapCameraからお買い求めいただけます。この機会にぜひ。

 

■今回ご紹介した機材はこちら↓


 


 

[ Category:Leica | 掲載日時:25年09月20日 19時00分 ]

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