
以前Q(Typ116)と旅をしていた者です。ライカを旅のお供にしてから6年の月日が経とうとしています。
今回手に持っているのは何故かQよりも古いLeica M-E。
以前はフィルムカメラとQを持っていくのがベストでしたが、最近はもっぱらM-Eオンリーです。
さて、今回の旅は香港。実は2回目です。
毎度のことですが、旅行は機材選びが実は一番楽しいかも…というこの感覚も久しぶり。
広角にしようか、標準にしようか、何本、何台持っていくのか…。
今回は4人での旅行の為、撮影時間はあまりなさそうと見越し、機材は必要最低限に。
ボディはM-E、レンズはズミルックス M35mm F1.4 2ndを選択しました。
この選択が正しかったのか、間違っていたのか。写真を見ながらご判断いただければと思います。
写真はJPEG撮って出しです。
旅の始まりは日の出前。
空港で見る朝日は格別に眩しく感じます。
窓の色と朝焼けの色が混じってホワイトバランスが狂ってしまった偶然の一枚。
残念ながら通路側の座席だった為、飛行機からの景色は撮れませんでした。
約5時間ほどのフライトでしたが、仕事から寝ずに乗ったおかげであっという間に感じました。
香港に到着!街に繰り出します!
工事の足場は竹です。
日本では見かけない光景なので何度見ても驚きます。
それにしても赤の発色が渋くていい感じです。
スマホだと強烈な色になりがちですが、このボディとレンズならご覧の通りです。
こちらは新しめのビルで、ガラスとコンクリート?の使い分けと滑らかな曲線が綺麗です。
絞っても柔らかめのこのレンズと相性がいいように思いました。
こういった新しい建物が並ぶエリアと、古めの建物が並ぶエリアのギャップが面白いです。
青空が霞んで見えるのは大気の状態か、それともレンズの影響か。
眩しすぎてあまり覚えていません…。
壁面にぶら下がる室外機も異国情緒を演出してくれています。
4月中旬でしたが、気温はだいたい30℃、湿度は80%くらいとかなり蒸し暑かったです。
待ちゆく人も薄着ばかり。日差しがなくても結構日焼けしましたので、行かれる方は対策を。
食事や買い物をして気付けば日没。ここからはズミルックスの独壇場!
と意気揚々とシャッターを切ると、滲みがすごい。
そうそう2ndといえばこれ。と思いながら、やはりやりすぎか?と頭を抱えます。
F2でもかなり改善されますが、高感度に弱いCCDはできるだけISO感度は低くしたいという葛藤で、F1.4とF2をいったりきたり。
レンズの距離指標を見ながら無限遠にして、奥のビルにピントを合わせますが、前景の滲みとボケが強烈です。
前の写真でも見えたビルを海越しに。
決まった時間になるとビルの電気や、電光掲示板でちょっとした演出を見ることができます。
高感度でも無理に明るくしなければノイズは目立ちにくいです。
ただし非点収差による光源のいびつさが気になるところ。
こちらも凄まじい滲み。
ビルとビルの間にかかっており、おしゃれな店舗でした。
そして日は変わり再び日中です。
乾物屋さんです。いい味が出ています。
奥、商品棚、看板と立体感を出せるものなら出してみろといった店構えでした。
赤や黄もたくさんの種類がありますが、それぞれきちんと違って見えるのは当たり前のようですが、簡単ではありません。
どこに行っても観光客が多い印象でした。
昼はこんな感じの街ですが、夜になると…
各所にネオン管風の看板が多く、外国人が思うアジアのイメージにぴったりではないでしょうか。
こちらはF2くらいなので先ほどよりも滲みは控えめです。
香港は細長いビルがとても多く、日本とは違う建築基準なのでしょうが、少し怖くなります。
最後に個人的に今回の中で一番香港らしいカットです。
ネオン看板、タクシー、そしてコンビニエンスストア。
(日本の比にならないくらい密集してこちらのコンビニがあります。そして売っているものや、飲食店など、日本のものが沢山ありました。前来た時はここまでではなかったと思うのですが、日本ブームでしょうか?)
さて、写真を振り返って今回の機材選びは正解だったのか、失敗だったのか、個人的には良かったと思っていますが、それは人それぞれ。
完璧に近い綺麗な画像に飽きてしまった方に、こういった癖の強いレンズはオススメです。
あえて(現代の基準でいえば)画質の劣る古いレンズを使って楽しむのは21世紀ならではの贅沢な遊びだなと思います。
ボディも同様にQシリーズやミラーレス一眼を持っていけば手軽に高画質、そしてマクロモードで料理の写真も簡単に撮れるところを、マニュアルフォーカスで高感度も不得意なCCDのM型を使う。
私の場合はシンプルにM型の操作感が好きなのと、サイズ感や重量、出てくる写真の雰囲気が理由です。
便利さでいったら圧倒的にQシリーズやSLシリーズですが、自分で使っていて楽しい、使いたい、持ち歩きたいとなるのはM型のようです。
もしかしたら成果(写真)は二の次なのかもしれません。
ライカはよくエクスペリエンス(体験・経験)という言葉を多用しますが、M型ライカはその最たるものでしょう。
是非皆様もライカを持って旅に出てみてはいかがでしょうか。
特別な旅がもっと特別な思い出・経験に変わると思います。
CCDユーザーがみんな気になっているであろうM11-Pもおすすめです。
なんといっても薄くて軽いのが魅力的です。
似た系統の描写を持ち新品で購入できるこちらのレンズもオススメです。