【Leica】Mを愉しむ ~M11でレンズを愉しむ~#5 SUMMILUX M50mm F1.4 後期型
きたる2月20日、MapCamera本館1階のLeica Boutique MapCamera Shinjuku が9周年を迎えます。
これもひとえに皆様の厚いご愛顧があったればこそ、心より御礼申し上げます。
9周年を迎えるにあたって、今回ライカブティックでは「愉しむ」をコンセプトに様々なイベントをご用意いたしました。
毎年ご好評いただいているスタッフによる連載ブログですが、今回は『Mを愉しむ』というテーマのもと、「M11に使いたいレンズ」と「M10の魅力再発見」という豪華2本立てで進行させていただきます。
「M11に使いたいレンズ」では、2021年1月21日に発売を開始したばかりのLeica M11を全面的にフィーチャー。
最新鋭機 M11に組み合わせたいレンズを各自でチョイス。その描写を皆様にお届けします。
時代を彩る銘レンズたちが、6000万画素という超高画素・高精細なカメラを通してどんな表現を見せてくれるのか、是非お愉しみください。
今こそ深遠なるライカの世界に…
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6000万画素のM11にオールドレンズをつけたらどんな写りをするのだろうか?
M11で撮影する機会があった時に、真っ先に考えたことです。
現行品だけではなく、オールドレンズと総称されるような古くからあるレンズの種類ごとに異なる描写を
現代でも楽しめることが、Leicaの魅力の一つだと思います。
今回M11と組み合わせて撮影したレンズはズミルックス M50mm F1.4 後期型です。
このレンズは1961-1991年の期間に製造されていました。
1961年と言えば、ベルリンの壁が出現し、ガガーリンが人類で初めて宇宙に向けて出発した年です。
そのような世界的な出来事が起こった年に誕生したレンズ。
もしかしたら後の歴史に刻まれるようなことが起こるかもしれない2022年の1月に誕生したM11。
61年差の組み合わせの写りをさっそくご覧ください。
ピントを合わせた奥のベンチに少しフリンジは出ていますが、ピント面ははっきりとしています。
近くの木肌やコンクリートの質感の違いも細かく感じられます。
この細かいところまではっきり描写するのがM11の力か、と思いました。
ズミルックスといえば、柔らかな描写。
左端の植物にピントを合わせて、背景のボケもたくさん写るように写真を撮りました。
海辺に行くと必ずと言っていいほど見かける植物の気がしますが、その名前は分かりません。
海やその向こうまで広がる優しいボケが楽しめる一枚になりました。
また、ピントとボケのメリハリが柔らかくついているように感じます。
ボケが少しだけザワザワしている後期型ならではの描写も健在です。
M11にはデジタルズーム機能が搭載されました。
上の写真が通常時(1倍)の写真、下の写真は1.8倍に設定して撮影しました。
メニューでデジタルズームの倍率を選択すると、ライブビュー画面に白い枠が掲示され、ズームした時の枠が確認できます。
また、撮影後も撮影画像の上部に×1.3や×1.8と表記されるため、デジタルズームを使用して撮影したということがすぐに確認できるようになっています。
ほんの少しだけ残っていた薔薇にピントを合わせました。
薔薇の棘の鋭利な様子をそのままの鋭さで確認できます。
M11と組み合わせることで、立体感がさらに際立つように感じられます。
薔薇の花びらのピンク色の箇所や花びらごとの微妙な色合いの違いを表現してくれます。
電灯とその向こうに広がる海が外国のようでつい一枚写真を撮りました。
白い電灯と地面が影になっていますが、真っ黒な影にはなりきらず絶妙なグレーに写りました。
陸は薄いグレーでぼんやりとした写りになり、対照的に海は青が濃い色です。
先程の薔薇の写真もそうですが、言葉にしたら全て同じ名前で総称されてしまうけれど少しずつ違う色を全て描き分けてくれています。
夢中でシャッターを切っていたら夕方になっていました。
見上げると木の先に蕾が付いていました。
春の訪れは思っているよりも近いのかもしれません。
M11 ブラックペイントの重量は、一日首にかけて街を歩いても首や肩が疲れることはありませんでした。
ただ、UHS-ⅠのSDHCカードを入れて保存した時は画像の保存に少し時間がかかるように感じました。
気になるほど長い時間ではありませんでしたが、撮影した画像をすぐに確認したい場合などはLeicaで推奨されているように、UHS-Ⅱのカードを使用した方がよりスムーズかもしれません。
最新のM11に、ズミルックス M50 F1.4 後期型を。
少しザワザワしたボケやズミルックスらしい優しい描写を活かしたまま、
高画質なM11の精巧な写りやデジタルズームなどLeicaの最新機能も楽しめる一石二鳥な組み合わせなのではないかと思いました。
次回もお楽しみに
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