【Leica】M series レンズの神髄を最大限まで引き出してみる
LeicaSL2-Sの実力を試すSL2/SL2Sカメラの楽しみ方スナップミラーレス動画ミラーレス動画Lマウント編動画撮影
動画も静止画もマルチに使えるLeica SL2-SがVer.2.0にアップデート。
動画機能が拡張され、より使いやすくなった印象です。
そこで今回は、SL2-Sの実力を試すべく、Leica担当スタッフが実際に使用して感じた使いやすさや機能について徹底解説していきたいと思います。
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今回は純正アダプターを使用してLeica Mレンズでの撮影。
せっかくグリップ感の良い重厚なミラーレス機を使うのなら、と、レンズも大きく「Noctilux M75mm F1.25 ASPH.」をメインで使いました。
向かうところ敵なしといった存在感…撮影を終えた今もあの感覚は忘れられません。
それでは、いきましょう。
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まずは動画から。
いつのまにか蝉の声も聞こえなくなってきました。
過ぎ行く夏を思い出しつつご覧ください。
【明るい、大きい、高い、重い】手に持たれた方の口から決まってこの4拍子が出るレンズですが、使ってみると素直な写り。
決して「奇抜なレンズを使っているぞ…!」という感覚に陥ることはありません。
数値で見ると圧倒的なレンズスペック。
その割に控えめなボケ感や、滑らかなピントの立ち上がり(この言葉を初めて実感したレンズかもしれません)はずっと鑑賞していても疲れ知らず。
また、ボディ側の色彩のおかげで飽きてしまうこともないため、動画の撮影には非常に向いているのではないでしょうか。
もし手が届くのであればこのセットで普段使いしたいと本気で悩みました。
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ここからは静止画とともに使用感についてもお伝えします。
Leica SL2-S + Noctilux M75mm F1.25 ASPH.
今回掲載する写真は全てオートホワイトバランス撮って出し。
コントラストと彩度がやや高めで、初代SLとは大きく異なる味わいです。
◆撮影に没頭することができる、想像以上のホールド感。
単体で持つと正気を疑うほどにずっしりとした今回のレンズですが、このボディで使用すれば全く苦になりません。
むしろ、荷重はマニュアルフォーカスに添える左手と合わさって大変にいいバランス具合。
撮影中、AFが使えない事など忘れてしまえたほどにナチュラルで扱いやすい組み合わせです。
Leica SL2-S + Noctilux M75mm F1.25 ASPH.
◆妥協なし、レンズの癖を味わい尽くすセンサー。
この色を出すことができるカメラはなかなか思いつきません。
覚悟はしていたものの、やはり驚いてしまいます。
レンズが精一杯に集めてきた光の形は素直に受け止めつつ、このボディならではの広がりを持った色で繊細な味付け。
いい意味で“見たまま”ではない、ある種作品作りに近い撮影体験と言ってもいいかもしれません。
Leica SL2-S + Noctilux M75mm F1.25 ASPH.
Leica SL2-S + Noctilux M75mm F1.25 ASPH.
◆静止画、動画、どちらもこの一台で。
撮影をしていてとてもありがたかったのは【動画】と【静止画】の切り替え。
タッチ機能が搭載されている背面液晶を左右にフリックするだけで完了です。
ダイヤルでカチカチと設定しなおしたり、メニューを開いて選択する必要が無いのは撮影までのモチベーションを保つうえで非常に大切。
なんというか、こういった機構のシンプルさに助けられる感じ、初代SLではあった“録画開始ボタン”が無くなったという事実。
どういった意図かを確認したわけではありませんが、その心意気を「ライカらしいなあ」と思います。
三脚に据えてLV(ライブビュー)を見ながら、ふっと指で撫でてスチルで1枚、もう一度動画に戻して録画開始。
もちろん静止画、動画共にそれぞれの設定を引き継いだまま。
肩液晶の隣のボタンでも切り替えはできますが、直感的に操作できるこの機能に1日で何度も救われました。
Leica SL2-S + Noctilux M75mm F1.25 ASPH.
◆手振れ補正も忘れてはいけない魅力の一つ。
しっかりと脇を締めて撮影すれば手持ちの動画撮影でも鑑賞に耐えるほか、気を付けてレンズに触るくらいであればほとんど揺れません。
動画撮影において、ピントヘリコイドが軽めのレンズや小さいレンズであればマニュアルフォーカスでのピント合わせも少ない揺れで行うことができるのではないかと思います。
Leica SL2-S + Noctilux M75mm F1.25 ASPH.
◆バッテリーの持ち具合に関して。
100%まで充電したバッテリー1つで、お昼12時から18時で使い切ったという具合でした。
今回の撮影は動画、静止画共にSL2-S1台にのみ頑張ってもらい、LVもたっぷり使用。
撮影日の外気温は小雨が降っていたので、炎天下というほどではありませんが普通に暑い夏の日、25~30度くらいだったと思います。
途中、使わずに休憩していた時間も含めるとすれば、実際に稼働していた時間は4~5時間ほどになるでしょうか。
もちろんバッテリー劣化度や撮影頻度で短くなったり伸びたりしますので、あくまで参考程度としてお考え下さい。
ただし、旅行や撮影など朝から晩までしっかり使う予定がある場合は必ず2つ以上欲しいところです。
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日が暮れきるにはまだ早い時間でしたが、バッテリー残量がもうあと僅かなのでそろそろ帰り支度。
電源がつかなくなるまで愛用のレンズに切り替えてスナップ撮影をしました。
レンズの特徴とSL2-Sの色が思いの外いい塩梅に引き立て合っているように思います。
周辺に出るビネットや、現行レンズと比べるとやや浅い彩度、コントラスト。
それらを補いながらも消し去ってしまうことのない着彩。
もちろん設定次第であることは言うまでもありませんが、殆どの機能をオートで撮影したにもかかわらずここまでバランスが良い写真が仕上がるというところから、オールドレンズを装着して使用することにも向いたボディだと言えるのではないでしょうか。
なお、これらのエルマー35を使った写真はレンズプロファイルをオフにして撮影しました。
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いかがでしたでしょうか。
今回は、Leica史上、いえ、カメラ史上最も長い歴史と言っても過言ではないMマウントレンズをSL2-Sのお供としました。
Noctilux M75mm F1.25 ASPH.このレンズは現行の製品ですが、どんな時代のレンズであっても最高のクオリティを発揮できることを伺わせる成果をご覧いただけたかと思います。
また最後にはなりましたが、今回までにご紹介してきたSL2-Sの魅力と使い方の数々もぜひご一読ください。
Ver.2.0にアップデートされたSL2-Sの連載記事はこちら
このカメラは如何様にも化けます、それも、丁度良い【Leicaらしさ】を含有したまま。
大げさに言うつもりはありませんが、このカメラを手にしている時間はあらゆる光が作品になりました。
是非、ご自身の手でお楽しみください。
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エルマーの写りに感動したという方、お目が高い。
既にオールドレンズに魅入られておられる方は是非SL2-Sでもお楽しみください。
まだ触れたことが無い方もこれを機に歩を進めてみてはいかがでしょうか。
↓ エルマー35mmはこちら。楽しい世界が待っています。 ↓