
日本のカメラメーカーを中心に連載している「カメラを愉しむ」シリーズのライカ版「カメラを愉しむ for ライカ」。
本日は『LEICA M10と愉しむ新緑の季節「Leica ズマロン L35mm F3.5」』をご紹介いたします。
こちらのレンズ、1940年代に発売された約70年程前のモデルになります。改めて70年前のレンズが今の時代でも「魅力的!」と感じさせる素晴らしい描写をしてくれることに関心します。
小柄なレンズですが、ボディに装着するとずっしりと適度な重量感を感じます。レンズ単体で約 180gなので、近い重量のカメラで例えるなら「Canon PowerShot G9 X Mark II」のボディと同等といったところでしょう。さっそく早朝の森の中を散歩します。レンジファインダーの明るく美しいガラス越しの世界は「撮影する歓び」を与えてくれるのです。
ふかふかとした苔の絨毯をみつけました。ここに寝転んで本でも読むと気持ちがよさそうです。
オールドレンズが「好き!」と思えるカットです。現代のレンズで撮影するとまるで計算しつくされたかのように、建物に立体感があり前景と背景がその適度の距離感で表現されます。オールドレンズはどこか「幻想」を見ているかのようなその優しさの虜になってしまうのです。
真ん中の葉っぱにピントを合わせました。背景の木ボケ方が想定外でこれも味ですね。
この日は「29℃」まで気温も上がり、まさに夏日。湧き水の名所らしく、砂の中から「ポコッ」「ポコッ」と湧き出る水をみながら癒しのひとときです。
似たようなカットが続いてしまいましたが、シダと苔フェチな私は何時間この場所に居ても飽きることはありません。
どこを見回しても新緑、新緑、新緑。おのずとすべてが新緑の写真になってしまいました。少し緑色に飽きてきたと思いますので、紫色の紫陽花を。
気が付けば森の中を4時間も歩いていました。少しランチでもゆっくり取ろうといつものカフェへ。すると「先客」の方がいらっしゃいました!目を凝らして中央をごらんください。
望遠ズームレンズやオートフォーカスレンズを持っていれば、寄って大迫力に撮影したい瞬間です。今回は遠目からリスのお食事の風景を遠くから見守ります。ソーシャルディスタンスですね!
はい、新鮮なお野菜が沢山のったタコスが到着。テーブルフォトなのになぜこの距離感!?答えはただ一つ「これが最短撮影距離」です。別にもう1台コンパクトカメラなどを準備しておくとよいでしょう。
パーキングに戻るとご覧の光景。気が付くと同じメーカーの車が並んでいることはよくある話です。何かのご縁を感じます。
同じ新緑でも木が違えば、雰囲気も大きく変わります。先程までは「けやき」「ハルニレ」が多かったのですが、こちらは「シラカバ」で少し明るい雰囲気に。
今回「Leica (ライカ) ズマロン L35mm F3.5 前期」を使用して気が付いたことがあります。筆者はレンズを選ぶときに「明るさ」「大きなボケ」にこだわって機材を手に入れてきました。しかしこのバランスの良いサイズ感のズマロンと、無理のないレンズ設計で安心感のある描写はとても素晴らしい。被写体を選ばぬこの扱いやすさは風景からスナップ、ポートレートまで色々なシーンで頼れる70歳のレンズだと感じました。
今回はライカボディで使用しましたが、マウントアダプターで国産フルサイズ機にもつけてみたい・・・良いレンズでした。