例年に比べてより暑い夏日が続いていますが、今回は逗子海岸に来ました。
海辺への旅行は夏バテを癒やすために最適です。
筆者は冬にもこの場所を訪れたことがありますが、夏ということもあってかこの日は賑わいを見せています。
海岸線を走る車の流れや、ビーチに集まる人々の賑やかさが、冬の静けさとは別の世界みたいです。
そんな今回の旅のお供はLeica M10-PとKodak エクター 47mm F2 (L) シビリアンです。
もし私が「好きなLeicaのデジタルM型カメラは?」と尋ねられたなら、M10シリーズを挙げます。
2017年、デジタル技術が急速に進化していた時期に、LeicaはM10を発表しました。2018年、Leica M10-Pを発売しました。
Leica M(Typ240)の濃厚な色合いや高コントラストやまたはLeica M9シリーズの個性的な色合いと比較して、M10シリーズの色彩は控えめで、コントラストも比較的ソフトですが、Leicaならではの「油絵」のような色合いがしっかりと感じられます。
現在、LeicaのM型デジタルカメラはM11シリーズまで進化し、驚異的な高画素と優れた感度を誇り、この機種こそが最も優れたデジタルライカであるという人も多くいるでしょう。
しかし、筆者は昔の良き時代を懐かしみ、依然としてM10シリーズの控えめで奥深い魅力が好きです。
もちろん良いレンズもまた、写真にさまざまな魅力をもたらします。
今日、M10-Pに合わせて使用しているのはKodak エクター 47mm F2 (L) シビリアンです。
Kodak エクター 47mm F2は第二次世界大戦中にアメリカ軍が発注したコピーライカである、Kardon(カードン)というカメラに搭載されたレンズの一部です。
戦争の終結によりアメリカ軍は注文を取り消したため、製造元のPremier Instrumentは僅かな台数のKardonカメラを製造しただけでした。
そのためKodak エクター 47mm F2のレンズも限られた台数のみが生産されました。
今回ご紹介しているのは、通称シビリアンと呼ばれる民生用モデルです。
開放絞りの状態ではボケが非常に柔らかく、ピントのシャープさのギャップが面白く、多くの人に愛されてます。
ピント面はシャープで発色は穏やか、輪郭は滲んでいます。
かつては汚いと嫌われていた二線ボケも今ではオールドレンズの味とポジティブに捉えられるようになりました。
周辺減光がありますが、個人的にはこの効果が気に入っています。
フレアがレンズの独特な魅力を引き立てていて絵画的な雰囲気にしてくれます。
F値開放の柔らかな描写と比べると、F値を絞ることでレンズの描写力がシャープになり、周辺部分の解像度も上がっていきます。
エクターの魅力は使えば使うほど新たに出てくると思います。
軍用の品質と興味深い描写力が組み合わさることで、魅力的な撮影体験を味わうことができました。
絞り開放での柔らかさとLeica M10-Pの色味が組み合わさることで、まるで油絵のように色彩豊かで線の美しい写真の作品に仕上がります。