【Leica】M3と歩む 4
これは筆者が様々な不具合を抱えたM3を購入し、のんびりと歩いていくお話です。
Bergger Pancro400,Leica M3,Voigtlander Heliar Classic 50mm F1.5
寺院が好きです。
有名な寺社仏閣から地元の小さな祠まで、特定の宗教を信じているわけではない分様々な宗派の寺院を見にいきます。
建築に使われた木材は朽ちかけているところも多く、そこから歩んできた歴史を感じることができるからかもしれません。
サムネイルを見て随分硬調なフィルムだと思われた方も多いことでしょう。
ラチチュードは比較的狭めでありながら、中間の階調が豊富でなんだか騙されたような気分になるフィルムだと感じました。
粒状感は暗部でノイジーな感じに。コントラストが高い場面で黒を潰してノイズで埋めるような撮り方を出来たら楽しいフィルムかもしれません。
Bergger Pancro400,Leica M3,Voigtlander Heliar Classic 50mm F1.5
ISO400としては粒状感は強めだと感じましたが、普段使っているのがTmax100なので比較対象が悪かったのでしょう。
笹の軽い雰囲気、百日紅のようなつるりとした木に巻き付くシダ植物。
モノクロフィルムは色という情報を捨てたことで物の質感をより見る者に受け取りやすくしてくれるような気がしています。
背景の流れとバブルボケは安定のヘリアーです。
Bergger Pancro400,Leica M3,Voigtlander Heliar Classic 50mm F1.5
色鮮やかな紫陽花をモノクロで。
なんとも贅沢極まる行為です。
最近M3のシャッタースピードの調子が悪く、高速側が少し遅いような気がしています。
この撮影が終わったら整備に出そう、いや次の予定が、と先延ばしにしていたら1/1000を1/800で露出を取ったのに盛大に白飛びしてしまいました。
撮影してすぐに結果を見られないのがフィルムの面白いところではありますが、今回はこのフィルムが現像から上がってくるまでにパトローネを3本消費し、ハイライトを全て白飛びさせました。
Bergger Pancro400,Leica M3,Voigtlander Heliar Classic 50mm F1.5
モノクロネガなのでラチチュードに甘えようとした一枚。
ぎりぎりのところで飛びも潰れもせず踏ん張ってくれています。
暗部のざらりとした粒状感とハイライトの滲みが楽しい一枚になりました。
Bergger Pancro400,Leica M3,Voigtlander Heliar Classic 50mm F1.5
M型で縦構図を撮る時の構え方が自分の中で決まっていません。
毎回ああでもないこうでもないと構え直したり、指で窓をふさいでしまい二重像が見えなくなってしまったり。
この試行錯誤も楽しみの一つだと思い、最近は敢えて縦構図を増やすようにしています。
Bergger Pancro400,Leica M3,Voigtlander Heliar Classic 50mm F1.5
あと数枚余ったフィルムをどこで消費しようかと悩みつつふらりとしていると風情あるアパートがありました。
ベランダから生えている斜めの鉄骨は補強用でしょうか。業務用サイズの発泡スチロールから芽を出している植物はなんなんだろう。
学生の頃過ごしていた町に久しぶりに来て、そんな細かいところにも目が行くようになった自分の変化に驚きました。
ただふらりと散歩に出るだけでも、首からM3を提げているだけで新しい視点を得られるような感覚があります。
これからも、と言いたいところですが一度お休みし、M3はシャッタースピード調整に出しています。
MapCameraで販売している中古ボディには1年間の自然故障に対する保証がついており、今回のシャッタースピード調整もこの範囲内で行うので無償で修理可能です。
帰ってくるまで待つのもまた一興。元気になったM3と再び歩めるのを楽しみにしています。