【Leica】SL2とRレンズでマクロの世界を楽しむ
梅雨入り間近の6月初旬、快晴の天気で気温も高い中、季節の花を楽しむべく花菖蒲を見て参りました。
これまで筆者はライカレンズはMとSLレンズしか使ったことがなかったのでRレンズはどんな描写をするのか楽しみでした。
また、普段50mmの単焦点ばかり使用するのでマクロレンズを使うのも久々でファインダーから見える景色も新鮮な体験になりました。
作例は全て『Leica SL2』にライカSL用のRレンズアダプターと『アポマクロエルマリート R100mm F2.8』を付けて撮影しています。
撮影時に露出補正をかけただけでJPEG撮って出しの作例になります。
『Leica SL2』はフルサイズセンサーならではの広いダイナミックレンジをもちますがこのシーンでは
ヒストグラムとクリッピング(ライカの白飛び表示機能)を使って白い菖蒲の花が露出オーバーにならないように調整しながら撮影をしました。
色ノリの良さと写真を拡大するとマクロレンズのシャープさ、質感が伝わってきます。
『アポマクロエルマリート R100mm F2.8』は最短撮影距離が45cm、レンズ単体の撮影倍率は1:2のハーフマクロとして撮影できる他、
専用のAPO-ELPRO(16545)を使うと、さらに等倍まで接写が可能です。
100mmの中望遠マクロレンズなので『Leica SL2』の手振れ補正があるとはいえ最短撮影距離付近まで近づくと、
少し風が吹いただけでも600mmの超望遠レンズを使用しているかと思うぐらい被写体が揺れているのが分かります。
風が治まるのを待つか、シャッター速度を上げて連写するとピントの歩留まりが上がります。
花びらがまるで高級な布かと思うぐらい質感が豊かに感じられます。
13時前で太陽が高い位置にありギラギラと暑く照り付ける中、あえてカメラを真上に構え逆光耐性を見て見ました。
柔らかなフレアが写真に初夏を思わせる良いアクセントを加えてくれています。
Rレンズが現行品として製造されていた時期を考えるとゴーストが全く出てないことに驚きます。
また、アポクロマート仕様だけあり葉っぱの輪郭に色収差が発生していないのもさすがの作りです。
マクロレンズは近接撮影に特化したレンズと思われる方もいらっしゃるかもしれませんが、中距離から無限遠まで使える万能レンズです。
100mmの中望遠のレンジを活かし開放F2.8でスナップ的に狙ってみました。
手前の紫陽花と奥の人物で主題が2つありピント位置を変えて撮影してみましたが、
今回は花が主役のブログなので、手前の紫陽花を引き立たせてみました。
葉っぱの緑がとても深みがある色が出ており、拡大するとどこまでも解像している自然なシャープさにマクロレンズの描写力の高さを感じました。
花菖蒲が目当てで撮影に出かけたのですが、園内にあった梅の木の実が綺麗で
かつ小さな実がマクロレンズの絶好の被写体だったため、夢中で撮ってしまいました。
上の写真が通常距離からの撮影で、下が最短撮影距離までレンズを繰り出して体を前後させピントを合わせています。
青空と緑の葉っぱ、梅の実の赤のコントラストが筆者のお気に入りです。
被写体を大きく撮影できる分、後ボケも大きくなり寄って撮影した方が背景ボケが綺麗な仕上がりになっていると思います。
今回、筆者が1番気に入っている写真です。
梅の実の大きさと形、色味が可愛らしく、なんとも美味しそうで思わず手に取って食べたくなります。
『Leica SL2』のマエストロエンジンIIIが作り出す自然な色味とアポクロマート仕様の
『アポマクロエルマリート R100mm F2.8』の解像感と綺麗なボケ味は絶品の組み合わせでした。
今回はRレンズをSLボディに使うアダプターを使用して撮影しましたが、RレンズをMボディに
付けられるアダプターも出ているので、Mシステムで近接撮影したい方にもぜひオススメのレンズです。