【Leica】The World of Monochrome Ep.IV
各スタッフが使うM10モノクロームの世界。
今回は第4弾。ストリートスナップで見せる陰影の世界。
先代のMシリーズから更に「身体的に撮影」ができるその理由を感じ取って頂ければ幸いです。
今回使用したレンズはCarlZeiss Distagon 18mm F4 ZMとvoigtlander NOKTON 21mm F1.4 Aspherical。
新旧広角対決…と行きたいところですがやはりどちらの良さも際立つ結果となりました。
現在は中古のみとなるZeiss ZMの18mm、歪みも少なくコンパクトにまとまった鏡胴を含め根強い人気のある1本。
当時のパンフレットにメインビジュアルとして載っていたのがモノクロで撮影された写真。
筆者はそれを見た時から「いつかはモノクロで使いたい」と願っていました。
使用するボディも申し分無し。開放付近での周辺の甘さが良い所でもありますが、絞ってみると非常に鋭い。
18mmともなると歪みや使い方を気にしてしまいがちですが、絞り込んでノーファインダーで
感じたままに撮っていくのも刺激的。歪みも味方にして普段なかなか見えない視点を発見できます。
M10モノクロームの大きな特徴はやはり桁外れの高感度耐性。
この写真はISO12500で撮影したもの。自宅のモニタで拡大しても全く高感度だと感じない。
初めて使ったら間違いなく驚いてしまう事でしょう。この性能の理由については最後に。
続いて新しく発売されたvoigtlanderの広角大口径レンズである、
NOKTON 21mm F1.4 Aspherical VM。逆光性能も非常に高く、値段以上の満足感。
高いシャープネスとニュートラルなコントラストが非常に使いやすく、
少し絞り込んでも非常に良いバランスで纏まっている。
M10モノクロームとの相性も非常に良好で是非使って頂きたい1本。
こちらも21mmで撮影。この位の広角域ともなるとワイド感を活かしたダイナミックな写真を
愉しむことも多いですが狙い方次第ではそれを封じて撮影する事も可能。
とても21mmで撮影したものとは言わなければ分からない。レンズの素性の良さが際立つ1枚。
歩いていたらすっかり桜の開花が始まっていました。
まだ満開という訳ではありませんが、ダイナミックに。
過行く街の視線の端。
眼の”死角”になる角度から過ぎ去っていく景色を見ると”風”を感じます。
このカメラを持った時、無意識に光と影を意識していました。
光源の状態に対して反応が鋭く中間調を活かした画にするか、
メリハリを付けた画とするか…その1日の気象の移り変わりと共に
撮影者の判断を素早く求められる。経験と判断が一瞬一瞬試される
緊迫感はフィルム撮影時のような興奮を覚えます。
先代のモノクローム2機と比べると、今回は少し趣が変わります。
使いながらどこか懐かしさを感じる写り。
60-70年代のモノクロームのスナップ写真を思わせるようなやや
荒々しい写真を撮ると何故だかしっかりハマるような気持ちになります。
M型では未知の領域である、4000万画素に達した”新世代M型”とも言えるM10モノクローム。
これまでのM10シリーズとは全く別のカメラとなった。
同時に手振れにも非常にシビアとなり、今までの撮影方法では全てブレてしまう…という可能性も。
先述した「非常に高い高感度耐性」を活かして、高速シャッターで撮影していく事でそのリスクを軽減できる。
夜でもその性能を如何なく発揮し、撮影者の大きな助けとなってくれます。
ついにここまで来たか…と、思わず唸ってしまい、触ると本当に欲しくなる1台。
さて、次はどんな世界が見えるでしょうか?次回もお楽しみに!